「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は目的達成を見据えた行動が成功を呼ぶといった話を書いてみます。

 

 

AIエージェントが搭載されたカーナビを使ってみました。カーナビには名前がついていて「とりあえず28号」といいます。このカーナビの売りは、AIが搭載されているということです。どんな感じが紹介しますね。ここではBくんが利用している想定でお伝えします。

Bくん

「とりあえず28号、今日はよろしくね、よし!じゃあ出発しようか」

28

「まずは、とりあえず発車しましょう!」

Bくん

「あれ?ナビって目的地を最初に入力するんじゃなかったっけ?」

28

「とりあえず国道までと出ましょう」

Bくん

「ええ?いいの本当に?とりあえずで!?」

28

「国道に出てから考えましょう」

Bくん

「分かったよ、じゃあ発車するよ。そうそう、今日は箱根辺りに行きたいと思っていたんだ。芦ノ湖を目的地にセットして・・・」

28

「分かりました」

Bくん

「ナビだからルートと予定時間が出てくるんだよね」

28

「情報が足りません。集めますので10分待ってください」

Bくん

「おいおい、ナビだろう?普通はすぐに答えを出してくれるんじゃないの。少しぐらい間違ってもいいからさ。それじゃあ全然見込みが立たないじゃん」

28

「でも情報が足りないんです・・・」

Bくん

「分かったよ、仕方がないな」

 

(10分経過)

 

28

「ルートと時間が出ました」

Bくん

「あれ?これ高速使うルートじゃない?給料日前でお金がないんだから、なるべく一般道を使って欲しかったんだけどなぁ」

28

「だったらもっと早くそう言ってください」

Bくん

「だから、少しぐらい違っててもいいから早く教えてくれって言ったじゃない。まあ仕方がないか。行きは高速で行くよ」

 

~しばらくして~

 

28

「左前方から祭り囃子が聞こえてます。ちょっと寄ってみましょう」

Bくん

「本当かよ!?でも面白そうだからちょっと行って見てくるか・・・」

~30分後に元のルートに戻って~

Bくん

「面白い祭りだったね。さてどうすればいい?」

28

(無言)

Bくん

「次はどっちへ行けばいいの?」

28

(無言)

Bくん

「ねえ、どっち!?」

28

「目的地を忘れました」

Bくん

「芦ノ湖だろ、芦ノ湖。まったくやんなるな」

 

~急に渋滞になった~

 

28

「前方で事故があったようです」

Bくん

「どうすればいい?」

28

「降りて様子を見てきてください」

Bくん

「えっ?本当?じゃあ行ってくるよ」

 

~戻ってきて~

 

Bくん

「なんかだいぶ前の車が側溝に落ちたみたい。その車の前後の人たちで動かそうとしているけど」

28

「では手伝ってきてください」

Bくん

「ウソだろう?他にも行き方はあるんだから別の道を行ったっていいじゃないの?」

28

「初めにそう決めたんだからそうしましょう」

Bくん

「ええっ!?」

 

ここまでです。

 

なかなか面白いやりとりでしたね。この内容は「地頭力のはじめ方」(細谷功著)より一部抜粋しました。架空のお話でした。

 

しかし、AIエージェントというのは、このように自身で何をするべきかを考えて行動するのが大きな特徴です。ChatGPTのような生成AIはあくまでもチャットで指示待ち型です。それに対してAIエージェントは自律型といえます。

 

生成AIに足りないものは「人間くささ」だと言われています。ここでは精度は別として人間くさいAIをイメージするために、とりあげてみました。この「とりあえず28号」とのやりとりで、いかに僕たちはある目的を達成するために行動していても、ムダな行動をしているか、ということがわかっていただけたのではと思います。

 

ひとつ、ひとつ振り返ってみましょう。

①   目的地も決まらないのにとりあえず走り出した

僕たちは日常でこういうことをよく経験します。

「とりあえず会議を始める」「とりあえず情報を集める」「とりあえず〇〇さんい聞いてみる」などです。

とりあえず28号ではなく、今のカーナビならこれはありえません。

 

②   情報不足ですぐには答えを出せない

普通のカーナビでは当たり前の「ある情報ですぐに答えを出す」ということが、僕たちではできません。

スピードが求められているのに、ある一定以上の制度でないと意味がないと思い込んでいるからです。すぐには答えを出せず、あげくのはてに、見当はずれの答えを出したりします。

 

③   すぐに脱線する

僕たちの計画にはいろんな誘惑が待ち構えています。これをいかに断ち切るか、これによって遠回りせず、効率的に目的地にたどりつけることがこのやりとりからもわかります。

 

④   途中で目的を見失う

これもよく経験します。つまり「手段の目的化」です。はじめはある目的のために使った手段なのに、いつのまにかその手段にどっぷり漬かってしまって、はじめの目的がどこかに吹っ飛んでしまっている状態です。手段の方が目的より目につきやすいというのがその原因の一つです。

 

たとえば、はじめはなんらかの目的を持って始めた会議が、いつのまにか形骸化して「会議を開催して集まること」が目的になってしまい、目的もなく集まったメンバーで「次回の議題を考える」という事態に陥ってしまう、これが「目的と手段の逆転」です。

 

⑤   トラブルがあってもルートを変えず初めに決めたルートに固執する

僕たちの思考は頑固にできています。一度決めた達成手段は、たとえ、環境が変わってさらによくできそうなオプションがあったとしても、そええに目をつぶり、はじめのやり方の固執しようとします。普通のカーナビにはこうした頑固さはありません。

 

僕たちは「せっかくここまでやったんだから」といった過去の経緯に引きずられます。純粋にその時点からの最適解を選べなくなることがよくあります。たとえば、登山をしていてみちに迷ったとき、そのルートを歩くより、一度、来た道を戻って下山して登りなおす方がよいと頭ではわかっていても、下山にはなかなか踏み切れません(埋没原価=サンクコスト)。

 

カーナビは全て、

・最終目的地に最適な方法で到達できることを「片時も忘れずに覚えて」いる。

・その時にある最善の情報を用いて、常にその時点での最適化を算出する。

・常に最新情報を入手して同社の答えをその都度更新していく。

などが挙げられます。

 

これはまさに結論(目標)から考える「仮説思考」なわけです。

 

それに対し、とりあえず28号は、

・柔軟性があって「融通が利く」という長所がある半面で、

・気まぐれで、

・時に基本動作に充実でなく、「目的地」を忘れるところがあり、

・怠け者で時間があれば、つい寄り道をし、

・始めに決めたルートに固執するあまり、途中で最終目的地のことをつい忘れてそのルートを走ることが「目的化」してしまう、

といった「仕様」になっています。

 

ここからは、仮説思考についてお話します。

 

まず、誤解があってはいけないのですが、仮説思考を使えば、必ず効率的に問題解決できるわけではありません。ピントはずれの仮説ばかり立てていると、いつまでたっても成り立つものが見つからず、「一から考えたほうが早かった」となるからです(とりあえず28号のように)

 

仮説思考のポイントは、限られた情報の中から、できるだけ「良い仮説」を立てることに尽きます。仮説検証のサイクルを回す回数は少ないにこしたことはありませんから。

 

そのためには、「ゼロベースで考える」「斬新な視点で考える」「見かけの情報にとらわれない」「検証可能な仮説を立てる」といったことが大切です。

 

要するに、「誰が見ても気づくような話は既に解決済みで、考えもしなかったところに本当の答えがある」という話です。正攻法では出てこない、ありきたりでない仮説を検証してこそ、仮説思考をやる意味があります。

 

良い仮説を生むための定式化した方法はありません。「目的から考える」「当たり前を疑う」「現場・現実・現物を見る」といったことを通じて、「センスを磨く」としか言いようがありません。分析力だけでは心もとなく、洞察力を研ぎ澄ます必要があります。

 

仮説思考のもう一つのポイントは、正しく検証することです。どうしても、仮説づくりにエネルギーをとられ、検証がおろそかになりがちになります。確証を得るには、事実に基づくエビデンスも必要だからです。

 

といっても、サイエンスの話をしているのではなく、100%完全に証明する必要はありません。ビジネスの場合、ざっくりと半分くらい検証できればスタートとしては十分です。多少、反証や反例があっても、大勢には影響がないからです。

 

検証するときに一番気をつけないといけないのが「バイアス」です。自分に都合のよい情報や、仮説を支持する情報ばかりを集める傾向に陥りがちなので。

 

たとえば、「顧客離れを起こしている」という仮説を立てたときに、顧客からの不満の声ばかり集めてしまうことがあります。そうではなく、顧客からの感謝の声や顧客でない人からの声など、幅広く情報を集めた上で、総合的に判断する必要があります。

 

仮説ができたら思いをいったん手放さないと、思い込みが強くなります。このスイッチの切り替えが仮説思考の難しいところなんだと思います。

 

完璧主義、情報依存症、正確依存症などに当てはまる方は意識して目を離すような努力が必要ですので頑張りましょう!

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com