「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は未来を見据えた逆算思考の力といった話を書いてみます。

 

 

 

僕の勤務する会社では、ジョブ型雇用で、社員レベルをいくつかのグレードに分けています。上位のグレードにアップするには、会社で成果を上げることだけでなく、資格の取得が昇格の条件となっています。

 

どんな資格でもOKというわけではなく、上位職であればあるほど、取得が困難な資格が並んでいます。ジョブ型の雇用は会社での勤務時間内で能力アップを図るのはもとより、プライベートの時間も資格取得に費やさなければならないわけです。

 

もちろん、取得推奨の資格はたくさんあるので、自分の得意・不得意分野を考え、選択することができます。ですが、何度やってもうまくいかない、何年やっても身につかない、必死で頑張っても追い越せない……。こんな悩みを抱える人が多いのも現実です。

 

「継続は力なり」という言葉があるように、粘り強い努力なくして新たな能力も輝かしい未来も手に入りません。ところが、自分では精いっぱいやっているつもりでも、人から見たら努力不足ということもあります。一体、どれくらい努力すれば熟達できるのか、皆さんはご存じですか。

 

今のやり方で、あとどのくらいやれば、資格は取得できるのか?目指すレベルにもよりますが、少なくとも1000時間を要すると言われています。

 

ジャーナリストのマルコム・グラッドウェル氏が著書「天才!成功する人々の法則」のなかで一つの答えを紹介しています。

 

●ローマは一日にして成らず

元になったのは心理学者E・エリクソンの調査結果です。スポーツや芸術の分野で傑出した能力を発揮している人の練習時間を調べたところ、1万時間という答えを得ました。「1万時間の法則」グラッドウェルの法則)と呼びます。

 

しかも、1万時間の法則は、結果を保証するものではありません。1万時間やっても芽が出ない人もいれば、もっと短い時間で一目置かれるようになる人もいます。ものになるかどうかは努力だけでは決まらず、才能と運に左右されることを忘れてはいけません。

 

1万時間は、あくまでも成功した人から帰納的に導かれた努力量であり、一つの目安に過ぎず何ごとも行き当たりばったりでは、目標は達成できません。「積み上げ思考」から「逆算思考」に転換することが、思いを成就するために何より重要です。

 

●逆算思考のわだちをつくる

積み上げ思考とは、あまり考えずに手のつけやすいところからやり始め、手持ちの資源が尽きたところで終了とするやり方です。その時点での到達点が成果となる出来高払いです。現在から未来を考える思考法といってもよいでしょう。

 

それに対して逆算思考では、まずゴールを定め、そこに至る最適な道筋を考え、計画を立ててから実行に移します。先ほどとは逆の、未来から現在を考える思考法です。

 

逆算思考のポイントが2つあります。ひとつは、明快な目標を定めることです。

 

目標があいまいだと何をしてよいか分からなくなります。事後に到達度合いを振り返ることもできません。ゴールの姿がイメージできるよう、できるだけ具体的に表すようにしましょう。

 

そのために活用したいのが「SMARTゴール」です。背伸びをした(Stretch)、測定可能である(Measurable)、達成可能である(Achievable)、現実的である(Realistic)、期限がある(Time-related)、の英語の頭文字をとったものです。

 

なかでも難しいのは、一番目の「背伸び(ストレッチ)をした」です。あまりに高いレベルだと、負荷に押しつぶされてしまいます。かといって、楽勝の目標では、持てる力が十分に引き出せません。一般的には、実力の20~30%増しくらいがちょうどよい頃合いだと言われています。

 

ポイントの2つ目は、それを小さな目標に分割し、今何をすべきかを明らかにしておくことです。大きな目標のままでは、つい後回しにして、見果てぬ夢になってしまう恐れがあるからです。

 

だとしたら、常に目標に近い状態にいると、意欲が途切れることが少なくなります。大きな目標を達成するには、すぐに達成できるスモールステップに分割しておくことが大事です。

 

さて、逆算思考の必要性をより感じてもらうために、今日も問題を出題しますので、リラックスして解いてみてください(頭のいい人だけが解ける論理的思考問題<野村裕之著>から一部抜粋)。ただし、少し長いので、時間のない方はここで読み終えていただけたらと思います。

 

●思考のベクトルを変えられるか?

時間の経過をともなう問題を解決する際に有益な方法が、「先読み」以外にもうひとつあります。

次の問題は、そこに気づけるかがポイントです。

 

「人嫌いが集まるバー」

 

人嫌いの客ばかりが集まるバーがある。

そのバーには13脚のイスが一列に並んでいて、 どの客も、先客からいちばん離れたイスに座る。

そして誰も、人の隣に座ろうとはしない。店に入り、座れる席がないと店を出てしまう。

バーテンダーは、できるだけ多くの客に来てほしい。バーテンダーが1人目の客に座る席を指定できるとしたら、 どの席に座らせればいいだろうか?

 

他の客の隣に座りたくない。そんな気分のときってありますよね。バーでは落ち着いて飲みたい気持ち、私もわかります。

 

おそらく似たようなことが、世界中のバーで起きていることでしょう。悩める多くのバーテンダーを救う気持ちで、考えてみましょう。

 

●意外と悩ましい「客の動き」

この問題で求められているのは、「できるだけ多くの客が座れる方法」です。そこでまずは、可能な最大数を考えてみましょう。

 

25脚のイスがあり、客は隣同士では座らない。つまり客が最も多く座れるのは、両端に客が座っていて、客と空席が交互に並んでいる状態です。

 

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

これなら13人の客が座れます。

目指したいのはこの座り方です。

 

ところが、客は自動的にこんな座り方をしてくれるわけではありません。最初の客が左端のイスに座ったとすると、次の客は最も離れた右端イスに座るでしょう。

 

その次の客は、2人のちょうど真ん中、左から13番目のイスに座ります。そして、さらに次の客は、間をとって7番目か19番目に座ります。すると、こんな感じになります

 

●○○○○○●○○○○○●○○○○○●○○○○○●

ここまでは順調ですが、ここからが問題です。

次に来た客は、すでに人が座っている席の間、たとえば左端の1番目と左から7番目の間の席(4番目)に座るでしょう。

同じように次の客も、10番目、16番目、22番目に座っていきます。

そうすると、こうなります。

 

●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●○○●

こうなると、「誰とも隣り合っていない席」は、もうありません。

つまり最終的に9人しか座れません。他の客と隣り合う席に座ってくれる客はいないからです。

 

●ゴールからスタートまで巻き戻してみる

では、どうすればいいのか?選択肢が多すぎて考えるのが嫌になりますよね。

 

でも大丈夫です!

この問題もそうですが、とりうる手段が複雑な場合は、ゴールから逆算して考えた方がうまくいきます。

 

つまり、完成形から時間を巻き戻しながら考えていきます。

まさに冒頭でとりあげた「逆算思考」です!

 

そこでもう一度、目指すべきゴールを確認しましょう。

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

この状態になるひとつ前の段階を考えてみるんです。

たとえば、左から1番目と5番目の席に客を座らせることができれば、その間の3番目の席に客を座らせることができます。

 

●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●

では、左から5番目の席にかならず客を座らせるには?

……1番目と9番目の席が埋まっていればいいですね。

●○○○○○○○●○○○○○○○●○○○○○○○●

1番目と9番目の席が埋まっていれば、次に来た客は、その真ん中にある5番の席に座ります。

 

では、9番の席にかならず客を座らせるには?

 

……1番目と17番目の席が埋まっていればいいですね。

●○○○○○○○●○○○○○○○●○○○○○○○○

 

では、17番目の席に必ず客を座らせるには?

……1番目と33番目の席が埋まっていればいいですね。

 

ところがこのバーの席は25しかありません。

そんなわけで、バーテンダーは最初の客を17番目に座るように指定しなければいけません。

 

これが正解です。ちなみに席の並びは左右対称なので、9番でも正解です。

 

<正解>

端から17番目もしくは9番目の席に座らせる

でした。

 

●逆算思考のまとめ

ゼロから考えていくと、いくつも存在する可能性に困惑してしまう問題です。

 

しかし理想とする結果から逆算しながら、他者の視点に立って考えることで、おのずと「必要な過程」が見えてきました。

 

「逆算思考」を学ぶなら、この問題なんかいいトレーニングになるかと思いました。

 

「未来から遡る」という視点で状況を分析するだけで、複雑な問題が一気に簡単になる。多面的に考えることの大切さが感じられます。

 

いくつもの可能性が考えられる複雑な問題は、理想とする未来から逆算して考えていくと、おのずと選択肢が絞られていく

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com