こんにちは。
今日は「希少性の法則を使った価値の創造術」といった話を書いてみます。
2024年パリオリンピックで各国が予測されるメダル数は以下の通りです。金、銀、銅のメダル数に分けてご紹介します:
Gracenoteのバーチャルメダルテーブル(Virtual Medal Table, VMT)とは、Nielsenの子会社であるGracenoteが提供するオリンピックに関するメダル予測システムです。これは各国のメダル獲得数を予測するもので、主に以下の要素を考慮して作成されています。
1. アスリートの過去のパフォーマンス:
過去のオリンピックや世界選手権などでの選手の成績を元に、各国の選手がメダルを獲得する可能性を評価します。
2. 最新の競技結果:
直近の主要大会(例えば世界選手権や大陸選手権)の結果も考慮されます。これにより、現在の競技力を反映した予測が可能です。
3. 競技のトレンドと歴史:
各国の競技力の傾向や歴史的なパフォーマンスも分析に組み込まれています。これにより、長期的なパフォーマンス傾向が反映されます。
GracenoteのVMTは定期的に更新され、オリンピックが近づくにつれて予測の精度が高まります。このシステムは、国別のメダル獲得数だけでなく、各競技でのメダル予測も提供するため、非常に詳細な分析が可能です。
●アメリカ合衆国:
金: 39
銀: 32
銅: 41
合計: 112
●中国:
金: 34
銀: 27
銅: 25
合計: 86
●イギリス:
金: 17
銀: 20
銅: 26
合計: 63
●フランス:
金: 27
銀: 21
銅: 12
合計: 60
●オーストラリア:
金: 15
銀: 23
銅: 16
合計: 54
●日本:
金: 13
銀: 13
銅: 21
合計: 47
●イタリア:
金: 11
銀: 19
銅: 16
合計: 46
●ドイツ:
金: 11
銀: 12
銅: 12
合計: 35
●オランダ:
金: 16
銀: 10
銅: 8
合計: 34
●韓国:
金: 9
銀: 4
銅: 13
合計: 26
これらの予測は、Gracenoteのバーチャルメダルテーブルに基づいており、アスリートのパフォーマンスデータや過去の傾向を使用してメダルの結果を予測しています。
以上、ChatGPTが関連データから出した回答でした。今、このブログを書いている中、角田夏実選手が決勝に進みました。
さて、AIで様々な課題が解決される世の中ですが、気象の予測だけは AIでも難度が高い分野だそうです。「突然の突風や雷雨にご注意ください」と予報が出ますが、いつ、どの程度のものかまでは正確に予想はできません。
気象用語も 僕たちは正しく理解できていなことが多いです。
例えば「降水確率」、降水確率10%と聞いて「降ってもポツポツ程度だろう」と外出するとザーザー降りにあったなんていう経験はありませんか?
しかし、この予報は間違いではありません。「降水確率」は誤って認識しがちな天気情報の代表例です。雨が降る、降らない、の可能性であって雨量や雨の強さを示すものではありません。数値が10%でも土砂降り、70%でまったく降らないこともあり得ます。
簡単に言うと「降水確率」というのは、対象地域でその時間に1ミリメートル以上の雨か雪が降る確率のことです。30%なら同じ地域の同じ時刻に同じ気象状況が、100回生じたとき、約30回は1ミリメートル以上の雨か雪が降ることになるわけです。
わかりにくい情報に、「晴れ時々雨」と「晴れ一時雨」の違いもあります。
天気予報で降水確率と共によく聞きます。例えば、雨の場合「時々」という表現であれば、雨が断続的に降る時間が予報期間の半分未満、「一時」だったら、雨が連続して降る時間が、予報期間の4分の1未満になることだそうです。
なんとも気象予報士の専門的な判断基準であって、国民が腑に落ちる表現ではないような気がします。ある意味、気象用語は希少性が高い用語かもしれません。
さて、ここからは「気象」ではなく「希少」について思うところを書いてみます。マーケティングで有用な打ち手には「希少価値」が」あります。簡単に言えば 「もうなくなってしまうかも?」という焦りの気持ちをあおることです。
たとえば、100個用意した用品をそのまま全部並べたのでは「まだたくさんある」とお客さんは安心してしまいます。
ところが、10個ずつ小出しにすれば、目に見えて減っていくのが分かり、お客さんは不安になります。その上で、「残り3個!」「あと10分!」「今だけ!」と追い込みます。
この効果は絶大で、残り数個となると奪い合いになるくらいです。それほど希少性もないものをこういった形で売るのはいかがなものかと消費者目線では思ったりもします。
●失われていくものに価値を感じる
僕たちの社会では、数が少ないものは価値があるとされます。これを「希少性の法則(原理)」と呼びます。それを証明した社会心理学者のS・ウォーチェルの有名な実験があります。
参加者にクッキーの味見をしてもらう実験です。参加者の半数は10枚のクッキーが入った瓶から、1枚を取り出して食べてもらいました。
もう半数は2枚しか入っていない瓶から、1枚を取り出して食べてもらいました。
すると後者、すなわち希少なクッキーを食べたほうが好意的な評価をしました。「また食べたい」「魅力的」「高級感がある」と声が前者よりも多かったのです。
面白いのはここからです。
別のグループでは、最初に10枚のクッキーが入っている瓶を渡し、2枚入った瓶に交換してから、1枚を取り出して食べてもらいました。
たくさんあったクッキーが減っていく様を見せてから味見をしてもらったわけです。
そうすると、最初から2枚しか入っていない瓶を渡されたグループよりも好意的な反応をしました。元から手に入りにくいものよりも、あらたに手に入りにくくなったもののほうに、価値を強く感じる性質があるのです。なくなりつつある希少なものこそが本当に大切なもの、だからこそ失われていく世界遺産や絶滅危惧種の保全に全力を尽くそうとするわけですね。
●希少性のマーケティング応用
希少性があるものに価値を感じるなら、それをマーケティングで使わない手はありません。典型的なのが限定販売です。
「限定100個の特別仕様です」と数を限定すると、レア物が欲しい人が殺到します。
「地元でしか買えない特別商品です」と場所を限定してアピールするとこの機会を逃すまいと財布のひもが緩くなります。
「今から1時間だけ100円引き」と時間を限定する手もあります。
それも最初から少ないのではなく、少なくなってきたという演出が重要です。それが冒頭で述べた販売の話です。「なくなってしまう」という希少性が効いているわけです。
希少性は価値を決めるときにも大切な要素となります。
子供のときによく見つけようと必死だった四つ葉のクローバーの話も同じです。事故や突然変異によって生まれるもので、1万分の1~10万分の1の確率しかありません。
これが五つ葉 六つ葉 七つ葉となるに従って100万分の1 1千万分の1、1億分の1とどんどん確率が下がってくるそうです。ここまでくると宝くじで一等を当てるよりも難しくなります。希少だからこそ幸運の印です。
●自分だけのユニークな価値を高める
希少性の法則は自分の価値を高めるのにも役立ちます。皆さんには自分しかできないと自負できる仕事があるでしょうか。あるいは自分だけが持っている特別なスキルがありますか。もしそれが会社や組織にとって必要されるものであれば、あなたは価値のある人材のはずです。
こんな話をすると「必ず誰かがやっていて自分だけなんて」という声がよく上がります。
たしかに、たとえ英語が少々できたとしても今や希少にはなりません。でも、英語×マーケティングだとどうでしょう。さらに英語×マーケティング×ITとなれば、社内第一人者くらいになれるのではないでしょうか。
掛け合わせこそが希少性をつくりだす絶好の方法です。
もう一つのやり方は自分の強みを生かすことです。人はどうしても欠けたところに目が行き、短所や欠点を直そうします。それでは、普通の人になるだけで希少性は生まれてきません。
そうではなく自分の長所や持ち味を生かし、誰でもない自分を目指します。まさにオリンピックの選手は、希少性の原則で自分だけのユニークな価値を高めたからこそ、大舞台に立てているわけです。
今日は希少性について話をしていきましたが、自分が希少価値のある人間になりたいと思っていてもなれない、と考えている方は、お伝えしたように持ち味を掛け算で考えてみましょう。
大事なことはポジティブに考えれば、いくらでもユニークな価値のある人材になる道はあるはずですから。
それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!
頑張り屋のみなさんを応援しています!