「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は本音を引き出す自己開示のテクニックといった話を書いてみます。

 

その土地独自のコミュニケーションを理解し、実践することで、相手との距離はぐっと縮まります。ビジネスでも、有効なテクニックです。京都人とのコミュニケーションで重要となる「いけず言葉」を紹介されていた記事が面白かったので抜粋します。

 

 

雨上がりの京都・洛中で、一人の営業マンが苦戦していた。この日、彼が向かったのは京都の洛中にある老舗和菓子屋。先日、訪問した際に「考えておきますわ」と言われたので、「チャンスがある」と踏んでいた。京都の洛中を長く担当している先輩によると、和菓子屋の女将は毎日、8時半と14時に店の前をほうきで掃くという。

 

そのタイミングを狙って話しかけたのだが、全く相手にされず、さらには「面白いこと言わはる人やなぁ」と鼻で笑われたのだった。この女将の本音は「なんや、何度も来て。迷惑な人やなあ」といったところ。

 

お断りを伝える場面こそ、京都人が本領を発揮するもの。「せっかくお勧めしてくれはったのにお断りするのは心苦しいんどすけど、遠慮させていただきます」。そんな気持ちを込めてお断りしているのですが、これがなかなか京都以外の人には伝わりにくい。京都市民を代表しておわびしたいのですが、決して悪気があるわけではないのです。ほんとに。

 

(1)へりくだり系お断り

「うちなんかにはもったいないですし」「私にはよう分からしませんさかいに」、こんなふうに言われると、もう一押しだと思ってしまうかもしれません。でも、これは京都人が発する明確なお断り文句。自分の価値を自ら下げにいくスタイルのお断り、これが「へりくだり系お断り」です。

 

(2)脈絡もなく出てくるキーパーソン

「会長に聞いてみんと分かりませんねん」「私はいいと思てますねんけど、部長が納得してくれへんのですよ」。これは、商談に進んで金額を提示したり、具体的に話が進んだ段階でよく使われるフレーズです。キーマンの在社時間を聞いても「いや~、あの人ね~あんまり会社に来ないんですわ、ハハ」とはぐらかされることでしょう。ほんまにその人存在します?しませんよね?

 

(3)省略しすぎて伝わらないいけず

「おおきに、すんません」「がんばってくださいね」「またご連絡しますね」。穏やかな笑顔を浮かべて、こう言われると勘違いしてしまうかもしれません。でも、実はこれ、全部お断りです。分かりやすくするために、本音をかっこで入れてみましょう。

 

「(勧めてもらって)おおきに、(うちはお断りします)すみません」「(うちには難しいですが、きっと他の人には売れると思いますよ)がんばってくださいね」「また(必要になったらこちらから)ご連絡しますね」

 

これは、いけずの真骨頂ともいうべきパターン、「文章省略しすぎ系のいけず」です。文脈、読めよ?という京都人の強い圧を感じます。といいつつ、私自身もこの省略パターンは意図することなくまれに使ってしまうことがあります。DNAに刻まれた京都人の性でしょうか。

 

このように、相手に角を立てないように気配りするコミュニケーション手法が、いわゆる「いけず」です(ここまで)。

 

僕は京都で仕事をしたことがないのですが、これだと初心者は間違いなく勘違いしますよね・・・。ここは習うより慣れろ、と場数を踏むしかないですね。

 

さて、みなさんも京都などの観光地に行くことも多いと思いますが、お店に入ると逆に営業を受けてしまう立場になります。特に味見をしたら買わざるをえなくなる状況をどう脱するかは気を遣うところじゃないかと思います。かなりの割合で、「味見だけでもしてくださいよ」と試食を勧められますから。

 

「どうぞ」と目の前に差し出されると、受け取らないわけにはいきません。ところが、一旦食べてしまうと、試食だけで立ち去るのが悪い気がします。こんなときに、皆さんならどうされますか?

 

ストレートに「口に合わない」「要らない」と言えばいいじゃないか。

 

そう思われた方、そんなに甘くありませんよ。向こうも百戦錬磨、「じゃあ、こちらはいかがですか?」と次から次へと商品を勧められ、余計に身動きが取れなくなるからです。

 

「ありがとう。おいしかったよ」と礼だけ言って、そそくさと立ち去るのはどうでしょうか。

 

もちろん、度胸があれば、できないことはありませんが、なんとなく後味が悪くありませんか・・・。相手に申し訳なく、自分がイケすかない奴のような気がします。

 

人は、自分が受けた施しに対して、お返しをしなければと思うものです。「返報性の原理」と呼んでいます。

 

本来、試食とは販売促進活動の一つであり、顧客が負い目を感じる必要はないはずです。その証拠に、「ご自由に味見ください」と無人で試食品が置いてあれば、申し訳なく思う人はいません。

 

つまり、生身の人間が声をかけて、直接手渡しするところがポイントです。対人関係が介在するからこそ、返報性の原理が働くわけです。

 

●相手に報いたい気持ちが芽生える

返報性の原理は、日常生活のあちこちで見られます。多くの心理学者の実験によっても確かめられています。有名な事例を一つ紹介しましょう(R・チャルディーニ『影響力の武器』)。

 

実験参加者を2つのグループに分けて、ボランティアのお願いをしてみました。

 

1つのグループは、最初に「3年間」のボランティアのお願いをして、断られた後で、「1日」のボランティアのお願いをするようにしました。それに対して、もう一つのグループは、いきなり「1日」のボランディアのお願いをしました。

 

すると、前者(3年間が断られてから1日)のほうが、後者(最初から1日)よりも2.5倍も承諾する人が多くなりました。まさに返報性のなせる業です。

 

相手の依頼を断ることで、「申し訳ない」「悪いことをした」という気持ちが生まれます。そのため、ハードルの低い依頼を「せめて、これくらいなら」と受け入れてしまうのです。

 

返報性の原理には、いくつかの種類があることが分かっています。

 

1つ目は、好意を見せる相手に対して、こちらも好意を返そうとするものです。「好意の返報性」と呼びます。上の試食の話で、マーケティングではよく用いられる方法です。律義な人は、そこから抜け出すことは難しく、最初から「要らない」と試食を断るのが最善の策となります。

 

これとは逆に、敵意には敵意で返したくなるのが、2つ目の「敵意の返報性」です。好意だけではなく敵意にも返報性があることは、頭の片隅に置いておきましょう。

 

3つ目が、ビジネスでうまく使いたい「譲歩の返報性」です。相手が譲ったら、こちらも譲らないといけないと思う気持ちです。典型的なのが、先ほどのボランティアの依頼の話です。

 

●相手の腹を割るには、こちらが腹を割る

さらに覚えてほしいのが、4つ目の「自己開示の返報性」です。自己開示とは、ありのままの自分を相手に伝える行為です。たとえば、こんな経験はないでしょうか。

 

キャンプの夜、たき火を囲んでみんなで話をしています。誰かが「実は……」と普段言えなかった話をカミングアウトしました。それにつられた別の誰かが、今まで隠してきた秘密を告白します。そうやっていうち、どんどんみんながホンネを語り始めたりします。

 

相手が腹を割って話せば、こちらも腹を割らないと悪い気がします。逆に言えば、相手のホンネを引きだしたければ、まずこちらがホンネで語って見せることが大切になります。そうやって、自己開示の返報性をうまく使えば、相互理解を深めることができます。

 

ただし、これも使い方次第。嫌がる相手にこちらの裸を見せ、「私が脱いだのだからお前も脱げ」とやるのは本末転倒です。人によって、自己開示の許容範囲が異なることを忘れてはいけません。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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