「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

 

こんにちは。

 

今日は自信がないからといって自分を追い込まないと本当の力が引き出せないといった話を書いてみます。

 

●通貨の歴史は偽造の歴史

「耳をそろえてカネを返せ」というときの耳とは、大判小判の縁を指すそうだ。江戸時代、縁を削って金をかすめ取る不届き者がいた。目方の減った小判をつかまされたらたまらない。削り跡がないか、念入りな確認が要る。そんな事情から生まれた言い回しだという。

 

慶応大名誉教授の利光三津夫さんの著書「古貨幣七十話」に教わった。通貨の歴史は偽造の歴史でもある。教科書でおなじみの和同開珎は708年の登場だが、早くも翌年には偽造を禁じる罰則が設けられている。近世には和紙にすかしを入れたり、多色で刷ったりした藩札も生まれた。偽造対策は終わりなき戦いなのだ(日経春秋より一部抜粋しました)

 

貨幣の歴史は物々交換から貝が使われたのが始まりだと言われています。そんな由来で財、貨、買、資、贈などの漢字のつくりも貝が使われています。詳しく知りたい方はこちらを読まれてみるといいかもしえません。

 

https://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_report/pdf/no206_resume.pdf

 

●野口英世と北里柴三郎

ご存じのように、今日(7月3日)からお札が新しくなり 千円札の肖像人物は野口英世から北里柴三郎に代わりました。この2人、前回の変更のときも候補に上がり、そのときは野口英世に軍配が上がりました。

 

そう聞くと、「野口英世のほうが北里柴三郎より有名だから」と勘違いする方が少なくないようです。違うんです。お札を一新する目的である「偽造防止」の観点から、図柄が細かい肖像が選ばれただけなんです。

 

でも、なぜ野口英世のほうが有名なのか、考えたことがありますか。

 

ネットに上がっている「偉人ランキング」を見ると、野口英世は科学者の中では断トツの1位、総合でも10位以内に確実に入る常連です。それに対して北里柴三郎はだいたい圏外です。知名度という点では圧倒的な差があります。

 

ところが、業績の点では北里柴三郎が勝るというのは誰でも分かります。ペスト菌や破傷風の研究に加えて、研究所(大学)を創設することで数々の研究者や業績を輩出しました。まさに「近代日本医学の父」であり、野口英世も門下生の一人になります。

 

野口英世も梅毒や黄熱病などの研究で世界的に認められました。ところが、後年になって否定されている研究もあり、医学への貢献となると北里柴三郎に及びません。

 

何より、数々のスキャンダルや不祥事を起こしており、学者としての資質に疑問符が投げかけられています。偉人と呼ぶには「人間性に難がある」と考える人が少なくありませんから。

 

となると、野口英世が世間で高く評価される理由は一つしか思いつきません。彼が艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えて出世をしたからです。ハンディキャップこそが彼を有名にしたといえます。

 

みなさんもご存じのとおり、左手に火傷を負い、指の皮膚がくっついた状態となってしまいました。幸い医者の手術のおかげで、指同士を切り離すことができました。このハンディこそが彼が、医学を志す契機だったわけです。

 

●クジャクの羽はなぜあんなに美しいのか?

皆さんは、なぜクジャクがあのような華麗な尾羽を備えているか、ご存じでしょうか。答えは雌を惹きつけるためです。長くて重い尾羽は繁殖期の雄だけが持っており、立派になればなるほど雌にモテるわけです。

 

ではなぜ、雌はあの派手な羽に惹きつけられるのでしょうか。敵を倒す武器になる角(つの)か何かなら分かります、強さの証であり、強い雄の遺伝子が欲しい雌には、大いに魅力的に映ることでしょう。

 

ところが、きれいな羽があっても敵を倒せません。それどころか、闘うにはどう考えても邪魔です。しかも、クジャクを襲う天敵が来たら目立ってしまい、一番に狙われます。立派な羽が重荷になり、逃げるのも難儀します。どう見ても生存には不利な点ばかりです。

 

にもかかわらず、圧倒的なハンディキャップに打ち勝って、立派に生き抜いている。これこそ強い雄であることの証であり、それをアピールしているんです。これが生物学者A・ザハヴィが提唱する「ハンディキャップ理論」と呼ばれるものです。

 

これは、捕食者が近づいているのに挑発するかのように飛び跳ねるなど、多くの動物で見られます。ハンディキャップを逆手に取って「自分はすぐれた遺伝子を持っているというシグナルを送る」したたかな戦略の現れなのです。

 

●ハンディキャップにこそ価値がある

ハンディキャップ理論は、個体にとって非適応的な性質が、種全体にとって適応的であるという、進化のメカニズムを説明するものです。この話を僕たち人間にあてはめて考えると、新しいビジネスのヒントが見えてきます。

 

たとえば、障害や老化というのは、個人にとっては明らかなハンディキャップです。今の社会は、健常者や現役世代などの平均的な人をターゲットにデザインされており、不便を感じながら暮らさざるをえなくなります。

 

ところが、こういった「極端なユーザー」が感じる不便は「平均的なユーザー」が抱いている、隠れたニーズの一つの現れなのかもしれません。また、その不便を乗り越えようと培った創意工夫は、今の生活や社会を改善する上でのヒントを示唆している可能性があります。

 

つまり、非適応的な性質を持った人たちは、人類という種全体の「水先案内人」であるとも言えます。そういう人がいるからこそ、よりよい社会に向けて進化をし続けることができるのだと思います。この考え方は注目されているのでご存じの方も多いと思いますが、「インクルーシブ・デザイン」と呼ばれています。

 

今まで除外されていた極端な人たちをデザインプロセスの上流から巻き込み「平均的なユーザーが気づかない市場の巨大な潜在ニーズを察知して、新たな地域の政策や新規産業創出に活用し」(井坂智博)ようというものです。まさに、ハンディキャップが価値を生むわけです。

 

●セルフ・ハンディキャップに逃げ込まない

ハンディキャップ理論の話をすると、「セルフ・ハンディキャップ」と混同する人が出てくることがあります。誤解がないよう、解説を付けくわえておきます。

 

たとえば、テスト前になると部屋の模様替えや机のまわりの整理をし始める、勉強をやらなくてはいけないと分かっていても、つい夜遅くまでゲームやテレビに興じてしまう、そんな風に本来やるべきことの障害となることを、わざわざやり始めてしまう経験がないでしょうか。

 

これが「セルフ・ハンディキャップ」です

 

そうしておけば、試験の結果が悪かったときに「ちゃんとやれば、もっと点を取れた」と自分に言い訳ができ ダメージが減らせます。「全然やっていない」と周囲に告げ、予防線を張るのとセットになることが多くなります。

 

いわば、自分の自信のなさからハンディキャップに逃げ込んでしまう習性です。弱みを強みとして誇示するハンディキャップ理論とは、ある意味で真逆のものです。

 

セルフ・ハンディキャップを使えば、自尊心を保てるかもしれません。しかしながら、下手をすると言い訳癖がついてしまい、努力や改善をしなくなってしまいます。

 

僕たちがやるべきことは真逆です。

 

「今度は100点を目指す」とあえて困難な課題を宣言し、進捗を聞かれたら「完璧!」と言い切る。そうやって自分を追い込まないと本当の力が引き出せないというのも、ハンディキャップ理論が教えてくれることの一つではないでしょうか。

 

何かの仕事を任された時などに、自信がないと「できるかどうかわからないですが、精一杯がんばります」という受け答えをよく聞きます。

 

僕の場合、自分がリーダーシップを取る時とか、何かの仕事をお願いされたときとか、人前で話すときとかに、そういう態度だと相手を不安にさせてしまうなと思い、あえてポジティブに言うようにしています。

 

ハンディキャップ理論セルフ・ハンディキャップと混同せず、ぜひ、ポジティブ・シンキングでいきましょう!

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com