「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は新しいアイデアを生むアナロジー思考といった話を書いてみます。

 

 

日経記事から抜粋します。

 

日本食の代表として外国人からの人気も高い「回転ずし」。歴史をひもとくと、高級なすしを庶民にも楽しんでもらうため、すし店を営みながら自らコンベヤーの開発にも取り組んだ職人の存在があった。

 

そのすし職人とは、回転ずしチェーン「廻る元禄寿司」の生みの親である故・白石義明さん。同チェーンを運営する元禄産業(大阪府東大阪市)を訪れ、義明さんの長男である白石博志社長に話を聞いた。

 

 

完成までに9年

 

1947年ごろ、当時は高級品だったすしを手軽に楽しんでもらおうと、当時から鉄工所や工場が集積していた大阪府布施市(現在の東大阪市)に立ち食いずし店を開いた。1皿4貫で20円と他店より3割ほど安く販売すると、労働者や学生の人気を集め店は大繁盛。人手不足に悩んでいた。

 

対応策を考えていると、大きなヒントが目の前に現れた。地元の料飲組合で視察に訪れたビール工場で、ベルトコンベヤーの上をビール瓶が次々と流れていく。「すしもコンベヤーで客の手元まで運べないだろうか」。回転ずしのアイデアが生まれた瞬間だ。

 

周囲の工場に開発を持ちかけたが相手にされない。ならば自分で作ろうと、店の近くに場所を借り「実験室」と呼ぶ工作所を設けた。閉店後、来る日も来る日もベニヤ板を削って試行錯誤した。素材選びやカーブの付け方で何度も失敗したという。常連客には町工場で働く技術者も多く、よく相談を持ち掛けた。

 

9年かけてすしコンベヤーを完成させ、58年に「廻る元禄寿司」を開店。面白がって見に来た子どもが親を連れて来店し、ファミリー層に利用が広がった。当時はすしのほかビールやお茶も回していた。「安い、うまい」に「おもろい」が加わり、立ち食いずしの時より繁盛したという。

 

こうして苦心の末にできた「回転ずし」を有名にしたのは、70年開催の大阪万博への出店。国内各地からの来場客が店を訪れ、一躍全国的に知られるようになった。2025年開催の大阪・関西万博でも、大手チェーンの「スシロー」と「くら寿司」が出店する。

 

1974年には、今ではおなじみの、客席に座ったままセルフサービスでお茶が飲める仕組みが導入された。技術を開発したのは、現在すしコンベヤーで約7割のシェアを持つという石野製作所(金沢市)だ。

 

バネの製造販売や食品関連機械の開発を手掛けていた同社は、71年に元禄寿司から相談を受け、3年かけて自動給茶装置付きのコンベヤー機を開発。当初は今のように蛇口から出る湯でお茶をいれるのではなく、すでにいれてあるお茶を配管で運び蛇口から出した。

 

初めは客も驚いていたが徐々に課題も見えてきた。どんなにいい茶葉を使っても、いれたときには緑色のお茶が、時間がたつと赤茶色に変色してしまう。「これはお茶じゃない」と客から不満の声も出た。80年代にティーバッグが普及し、蛇口から湯を出す現在の形式に落ち着いたという。

 

水流で回す店も

 

 

かっぱ寿司は当初、すしを入れた桶(おけ)を水流で流していた

 

78年にすしコンベヤーの特許が切れ、全国に回転ずし店が次々開店した。一方で独自性を出すためコンベヤーを使わず水流ですしを流したのは、79年に長野市で1号店を開いた「かっぱ寿司」だ。

 

すしを入れた桶(おけ)が水に流れている様子が、水辺にすむ妖怪「かっぱ」の頭の皿に見えたことが店名の由来となっている。すしが流れるスピードが遅かったためコンベヤー式に切り替えたが、92年ごろまでは水流で流していた。

 

91年には広辞苑に「回転寿司」の言葉が載り、この頃から海外でも出店の動きが加速した。93年には元気寿司が米ハワイに出店。90年代後半には英国やシンガポールで、現地企業が回転ずし店を手掛けている。現在では国内外問わず人気の外食産業に成長した。

 

2023年には回転ずし業界を揺るがす事件が起きた。流れているすしに勝手にワサビをのせたり、卓上のしょうゆボトルをなめたりする動画がSNSで拡散され、消費者の間に衛生面を懸念する声が広がった。

 

チェーン「すし銚子丸」は回転レーンでのすしの提供を終了、「スシロー」は当面の対応として完全注文制を導入した。様々なすしが流れてくるのではなく、注文したすしが手元に届く方式の店舗が増えている。

 

 

「はま寿司」や「スシロー」の一部店舗では、すしが流れているような映像を流すタッチパネルを設置し、画面に「流れてきた」すしを注文する仕組みを導入している。客を楽しませることを忘れないのは今も昔も同じだ。(ここまで)

 

全文を記載しましたので長くなりました。でも、面白いですね。回っているのがそれほど大事かと思うのですが、大事なんですよね。

 

大阪で生まれたといわれているのは回転寿司だけではありません。インスタントラーメン、しゃぶしゃぶですが、実は、この3つには共通点があります。いずれもアナロジー思考から生まれたものなんです。

 

インスタントラーメンの製法は天ぷらから、回転寿司はビール工場のベルトコンベヤーから、しゃぶしゃぶは仲居さんが布巾をお湯で洗っている様から着想を得たと言われています。

 

誰しも、アイデアが行きづまったときに、ふと見聞きしたことからヒントがえられた経験があるのではないでしょうか。会話なんかでも、たとえ話(比喩)をされると理解が深まるのも、原理は同じです。

 

先日取り上げたアナロジーを活用すると思考の幅を広げることができます。

 

●アナロジー思考の基本ステップを身につける

極端な話、アイデアに心底困ったら、目に入るものすべてからアナロジーが得られます。ただ、それでは当たり外れが大きいので、もう少し仕事に役立つやり方を考えてみます。

 

たとえば、「誰もが楽しめる新しい公園をデザインする」といった感じではじめに検討したい課題を設定します。

 

次に、その課題を達成することで、「何をしたいのか?」「何が得られるのか?」を考え、目的や本質を明らかにします。この例(公園)で言えば、「遊ぶ」「憩う」「出会う」といったキーワードに分解すると、後で考えやすくなります。

 

ここからがアナロジーです。

 

「同じような原理・機能・働き・性質を持つものはないか?」「何かにたとえられないか?」を考え、発想のヒントとして使える対象を探していきます。「憩うだったらリビングにあるソファも同じじゃないか」といった具合に・・・。

 

アナロジーの対象が見つかったら、「そこで何が起こっているか?」「どんな働きをしているのか?」を考え、原理や構造を明らかにします。最後に、それらを、課題を考える上でのヒントにして、アイデアを具体化していいきます。

 

●アナロジーは遠すぎず、近すぎず

アナロジー思考の最大のポイントは、「どんなアナロジーを持ってくるか?」なんです。

 

どんな事柄の間にも、関連を見つけようと思ったら、できないわけではありません。ところが、あまりに遠いと発想が追いつかず、共通点がなかなか見つかりません。

 

たとえば、「組織マネジメント」と「桜の開花時期」で、役立つアナロジーを得ることができるでしょうか(できたら斬新な発想が生まれるかもしれませんが・・・)。かといって、「組織マネジメント」と「サッカーの練習」では、あまりに近くて思考の幅が広がりません。

 

「組織マネジメント」「ミツバチの行動特性」といったように、一見遠いようでも意外な共通点がある。それくらいがちょうどよい塩梅です。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com