「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は効率的な情報整理と記憶術といった話を書いてみます。

 

先日、勤務する会社で講演がありました。講演者は入山章栄さんです。彼の著書に「両利き経営」というものがあるのですが、これを機に購入して、読んでみることにしました。

 

両利き経営とは、「既存のビジネスでしっかり稼ぎつつ、新規事業やイノベーションの布石を打つ」というものです。既存の技術や知識を活用しつつ、新しい技術や知識を探索したり、新しいビジネスを模索したりするというのは日本企業の得意技のような気がします。

 

たとえば、生産管理・品質管理分野でよく扱われるカイゼン活動は日本発の経営技術です。QC七つ道具など、カイゼン活動の浸透に便利なツールも開発されました。

 

世界を変えた日本発イノベーションである「QRコード」は、元はトヨタ自動車のサプライヤーであるデンソーがトヨタ生産方式で用いるカンバンを管理するために発明したもので、きっかけはカイゼン活動です。

 

とはいえ、QC7つ道具、といわれてもご存じない方もいらっしゃると思うので、少しだけ説明を補足させてください。7つとは、

 

「特性要因図」「パレート図」「ヒストグラム」「管理図」「散布図」「グラフ」「チェックシート」です。問題の発見から対策の検証まで、問題解決のステップに応じて必要となる定量分析の道具箱です。「身の回りにある問題の95%」(日科技研)はこれで解決できるそうです。

 

これらに対して、定性分析に用いるのが「新QC七つ道具」です。連関図、親和図、系統図などがあり、こちらを全部言える人は少ないかもしれません。さらに、マーケティングの仕事をしている人向けに「商品企画七つ道具」なるものもあります。

 

このように7つ道具は、秘密兵器のように使われることがあります。皆さんにも、普段仕事で愛用されている「プロフェッショナルの七つ道具」があるはずです。一度リストアップしてみて、ノウハウを整理してみてはいかがでしょうか。ひょっとすると、そこからベストセラーが生まれてくるかもしれませんね。

 

●マジカルナンバー7

今日から7月です。7にまつわるものは、七夕だけでなく、たくさんあることに気づきます。例えば、七福神、七草、七日(一週間)、七色、七つの海、世界七不思議などなど。世の中、七つでまとめたものがたくさんありますが、ビジネス分野に目を向けてみても、「七つの習慣」(S.R.コーヴィー)や「七つの会議」(池井戸潤)などもあります。

 

なぜ七つかと言えば、それ以上になると、一度聞いただけでは覚えきれないからです。これを「マジカルナンバー7の法測」と呼んだりしています。心理学者のG・ミラーは、人が瞬間的に覚えられる情報の塊(チャンク)は「7±2」であると述べたことが元になっています。

 

実際、古くから日本では、八という数字は、8(eight)ではなく「たくさん」(many)を表すことがよくありました。たとえば、八つ池という地名は、池が八つあるのではなく、たくさん池がある様を意味しています。八つ以上になると、パッと見て数が分からないのです。

 

ただし、これは科学的に証明されたものではなく、経験的なものです。今では、心理学者N・コーワンが発表した「4±1」が短期記憶の正しい限界であるとされています。そう言われると、たしかに7つも覚えるのは大変です。これくらいなら何とかなりそうです。

 

それでも数が多いのか、ロジカルシンキングで定番のロジックツリーでは、要素を3つでくくるのが推奨されています。僕たちは、マジカルナンバーをどんどん減らすことで、あふれ返る膨大な情報に対処しようとしています。

 

●チャンク化すれば記憶に残りやすくなる

マジカルナンバーがいくつにせよ、使い方は変わりません。なぜなら、情報をいくつかの塊にまとめれば、記憶に残りやすくなりますから。その原理を応用すればいいだけです。

 

たとえば、電話番号がそうなっています。ハイフンやカッコを使って市外局番、市内局番、固有の番号と3分割して表記するのが普通です。これが10ケタの数字で書かれていたら、とても頭に入りません。3~4つの塊をつくる(チャンク化する)からこそ、覚えられるわけです。

 

商品をアピールするときも同じです。10も20も特徴をカタログに書いて訴えても、お客様に覚えてもらえません。(1)安全、(2)高性能、(3)使いやすい、といったように、大きな塊に集約すると読み手の印象に残りやすくなります。

 

総合カタログなどで、顧客にたくさんの商品を紹介するときも同じです。あまりに多いと頭の中がパンクしてしまいます。(1)パーソナル系、(2)ビジネス系、(3)ホーム系、(4)プロフェッショナル系といった具合に、シリーズ(ライン)に統合していくと理解されやすくなります。

 

ウェブサイトのレイアウトからパワーポイントのデザインまで、チャンク化が見やすさの最大のポイントとなります。それが受け手の立場でデザインすることにつながります。

 

●ナンバリングで仕事の効率を上げる

仕事の効率を上げるのにもマジカルナンバーは役に立ちます。

 

たとえば、誰かに何かを伝えるときに「3つのポイントにまとめろ」とよく言われます。塊をつくると相手の頭に残りやすくなり、話し手も内容を覚えるのに重宝します。「ナンバリング」と呼ばれる技法です。最近は、「3つすらも多いと言われることもありますが・・・。

 

会議でたくさんの意見が出て、混沌となるときがあります。進行役(ファシリテーター)が真っ先にやらないといけないのが、やはりチャンク化です。似たような意見をひとくくりにして、「皆さんの意見を大きく分けると3つくらいでしょうか」と情報圧縮をしてしまいます。

 

仕事が立てこんでいるときも同じです。ToDoリストに片っ端から羅列したのでは、全体像や優先順位がつかめず、ヌケモレが出る恐れもあります。(1)問題解決(A:顧客対応、B:社内業務)、(2)業務改善(A:短期、B:長期)、(3)報連相(A:上司、B:会社)など塊をつくっていけば、要領よくこなせるようになります。

 

さらに、マジカルナンバーは効率的に学習するのにも役に立ちます。受験勉強の暗記科目のように、一時に大量の情報を頭に入れないといけないときに、塊をつくって記憶するようにするのです。「鳴くよ鶯平安京」(平安遷都の年)、「水平リーベ僕の船……」(元素の周期律表)といった語呂合わせもチャンク化の好例です。

 

こんな風に、僕たちの身の回りには既にたくさんの応用例があります。膨大な情報に接する現代社会を生き抜くために欠かせない法測だと言っても言い過ぎではないですね。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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