「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は占いと自己診断は別物といった話を書いてみます。

 

昨日、会社の女性社員(26歳)と自己診断の話になり、僕からは「ストレングスファインダーがおススメだから、有料だけど受けてみたら」と切り出したところ、「最近の若い人はMBTI診断で自己診断しているんですが、ご存じですか?」と返答され、答えに窮しました(実は知りませんでした)。

 

韓国で流行し、日本の若者の間でも人気のようです。悪く言うつもりはないですが、動物占いや血液型と同じレベルなのではないかと少々疑っています。

 

一方、「血液型診断を話題に出す中高年は若い世代に煙たがられる」や、「話し手が、ちょっとしたお遊び感覚で血液型診断を用いたとしても、それを当てはめられた方はその決めつけを不快に思う可能性がある」などの、血液型診断に否定的な意見が、最近ではよく聞かれるようになってきたそうです。

 

そんなこんなで、血液型と性格の関係性について「関連ナシ」で大勢が決定づけられているようですが、学者が白黒つけようと闘っている様子でもあるようです。

 

とはいえ、10代、20代であっても気軽な話題として血液型選びはするそうで、完全な下火にまでは至っていないようです。

 

 

この記事によると、

ユングの心理学を元にしてアメリカで生まれたもので、とりわけ韓国で浸透していて、日常会話で使われたり、就活の面接時に頻繁に質問されたりしているようです。

 

日本MBTI協会は日本国内での流行を懸念してか、公式サイトで警鐘を鳴らし、インターネット上で受けられる簡易型診断が流行していることに危惧を表明しています。

 

現在流行っている「MBTI」はこの血液型診断に取って代わるような楽しまれ方をしている。検索するとすぐにヒットする「16Personalities」というサイトで診断を行う人が多いようである。この診断は、90個ほどの質問に対して答える必要がある。所要時間は10分ほどである。

 

質問項目に全て回答するとアルファベット4文字による16分類(アルファベット5文字の場合は32分類)で性格の類型が表される。アルファベットはそれぞれ、以下のような具合で、それぞれのタイプを意味する。

 

●外向型(E):内向型(I)

●直感型(N):観察型(S)

●思考型(T):感情型(F)

●計画型(J):探索型(P)

●自己主張型(A):激動型(T)

 

このアルファベットを組み合わせたものが結果で、その人の性格類型です。

 

長くなりそうなのでここまでにしますが、ここからが今日の本題です。

 

僕は、このブログを読んでくださっている方は、どんな人達なのだろうかと、書き手として常々気になっていました。読者によって書く内容も語り口も変わってくるからです。

 

そこで、アメリカの著名な心理学者が提唱する最先端のメソッドを駆使して、読者像をプロファイリングしてみました。以下の項目のうち、どれくらい当てはまっているかチェックしていただけますか。

 

・あなたは、人一倍の努力家でありながら、もっと頑張らなくてはと思う面もあります。

・あなたは、問題に積極的に取り組む一方、ズルズルと先延ばししてしまうときもあります。

・あなたは、人に頼って生きることを好まず、他者と仲良くやっていきたいと思っています。

・あなたは、粘り強くじっくりと物事に取り組み、みんなより素早く対応することもできます。

・あなたは、人や社会のために役立ちたい思いつつ、自分だけの世界を大切にしています。

・あなたは、自分だけの個性や能力を持っており、十分に生かしきれていないと感じています。

・あなたは、いつも明るく振る舞っていながら、心の中に不安を抱えていることがあります。

 

いかがでしたでしょうか。「ほとんど全部当たった」「まさに自分にピッタリ」「どうやって分かったの?」という人もいるんじゃないでしょうか。

 

そう思った方は要注意です。妙な占いやセールスにひっかからないとも限りません。なぜなら、今からお話する「バーナム効果」を理解するとその答えがわかります。

 

●なぜ、占いの人気が衰えないのか?

お気づきのように、この文章は内容が曖昧であり、誰でも当てはまる一般的なものばかりです。それを自分だけだと思ってしまうのが「バーナム効果」です。

 

心理学者P・ミールが興行師P・バーナムの名前を借りて名づけたと言われています。心理学者のB・フォアラーがやった実験が有名で、先ほどの文章はそれを参考にして私がつくりました。

 

バーナム効果の典型が血液型占いです。科学的な根拠や因果関係がないという点は先ほど上で述べたとおりです。しかも、信じているのは世界中で日本人だけだそうです。

 

血液型占いでは、A型はきちょうめん、B型はマイペース、O型は大ざっぱ、AB型は個性的とされています。そう言われると、自分に当てはまっているような気がします。

 

しかしながら、人間誰しもこれらの性格をある程度は兼ね備えているものです。時と場合によって使い分けるのが普通の大人の振る舞い方です。

 

なのに、「私にピッタリ!」「やっぱりあの人は」と思ってしまうところが、バーナム効果のなせる業です。

 

そこに、自分に都合のよい情報ばかりを集めがちになる「確証バイアス」も働き、ますます信じるようになってしまいます。

 

動物占いや星占いをはじめ、多くの占いでこの効果は使われています。実際、フォアラーの実験では、星座占いで使う文章を組み合わせたものを用いました。

 

●バーナム効果を高める4つの条件

バーナム効果を効かせるにはいくつかの条件があります。これらが兼ね備えられたときに、相手は信じやすくなります。

 

1つ目は、誰にでも当てはまるよう、どちらとも取れる表現をすることです。これを「マルチプルアウト」と呼びます。冒頭のテストはまさにそのオンパレードです。

 

よく読めば、文章の前半と後半は相いれない内容となっています。ところが、「○○の面もある」「こと(とき)もある」「感じている」と曖昧に書かれると、両立できてしまいます。こんな風に、どのようにも解釈できる表現をすることが最大のポイントです。

 

2つ目に、個人に向けてメッセージを出すこと。「このコラムの読者は」と不特定多数に対するよりも、読者の皆さん一人ひとりにプロファイリングの結果を伝えれば、信じる人が増えたはずです。今回はそれができず、せめて主語を「あなた」としたわけです。

 

3つ目に、権威の力を借りることです。冒頭のテストでわざわざ「アメリカの著名な心理学者」と書いたのは、それが理由です。もちろん嘘です! 特に相手が弱っていて、わらにもすがりたい気持ちでいるときは、権威の力は大きいものがあります。

 

4つ目に、ポジティブな内容にすることです。人間誰しも「自分を肯定したい」という気持ちを持っています。ネガティブな内容を告げられると、「自分はそうではない」と拒絶する気持ちが芽生え、効果が働きにくくなります。

 

●悪用されると怖い手法

ここで「ビジネスにどう応用していくか?」という話にしたいところですが、それはしません。なぜなら、セールスやマーケティングで悪用されると怖いからです。

 

悪い奴の手の内を明かすので、引っかからないようにしてほしい、というのが今回の趣旨です。というのは、私の同業者(コンサルタント)にもその手の輩がいるからです。

 

コンサルタントは占師と似ており、相手の悩みをズバリ言い当てることが商売に欠かせません。違いは科学的な方法を使うところ。とはいえ、最後は相手が信じるかどうかにかかっている点では、大差ありません。たとえば、コンサルタントからこんな診断を下されたら、どう思いますか。

 

・御社は、明確な経営戦略を打ち立てはいるが、事業や商品の選択と集中が徹底していない。

・御社の商品は、多くの顧客に支持されているが、本当に欲しい価値をまだ提供できていない。

・御社の仕事のやり方は、合理的なものだが、将来に向けて業務効率をさらに高める必要がある。

・御社の社員は、頭の回転が悪くないものの、ロジカルシンキングが十分に浸透していない。

 

彼らは、どんな企業でも当てはまる話をして、どこに反応をするかを探ります。「そう言えば、以前大きな改革をした時に……」と相手が自ら情報を提供したら、「ですよね。それが問題の元凶なのです」と返して、さらなる信用を勝ち取ります(「コールドリーディング」と呼びます)。

ということで、世の中は、あなたを騙そうとする者が、たくさんいます。そんな罠にかからないよう「バーナム効果ですよね」と言って、相手をやり返してやりましょう!

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com