「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

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創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

 

こんにちは。

 

今日は自分の考えを見直すことを習慣にした方がいいかもといった話を書いてみます。

 

真実を導くときに最大のハードルとなるもの、それは人間の直感だったりします。

自分をも疑う姿勢を身につけるのに最適な問題に、挑戦してみましょう。

(今回も『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之著)から一部抜粋しています)

 

●「2回目の競走」

あなたはライバルと100メートル走をすることになった。

 

1回目の競走で、あなたは負けてしまった。

ライバルがゴールした瞬間、あなたはまだゴールの10メートル手前を走っていた。

そこで2回目はハンデとして、ライバルはスタート地点の10メートル後ろから走った。

 

2回目の競走で勝ったのはどちらだろうか?

 

なお、あなたとライバルはつねに一定の速度で走る。

 

差がついた分のハンデをつけたのだから、同時にゴールするのでは?

 

こんなの一瞬でわかりますよ。余裕ですよ。

そんな声が聞こえてきそうです。

ですが、直感で判断すると、間違えやすい問題なんです。

 

では解説します。

 

●1回目の競走でわかること

まず、1回目の100メートル走からわかることを確認してみましょう。

 

2人が走る速度は各々がつねに一定ですから、1回目の競走で、

 

ライバルが100メートル走る時間 = あなたが90メートル走る時間

 

であるとわかりました。

 

つまり、(当然ですが)ライバルの方が足は速いと言えます。

 

●2回目の競走を検証する

2回目の100メートル走では、ライバルはスタート地点より10メートル下がった地点からスタートしました。

 

つまりゴールまで、ライバルは110メートル、あなたは100メートル走ったことになります。

 

1回目の競走で、ライバルが100メートル走る間に、あなたは90メートル走るとわかっています。

 

ライバルにとって100メートル、あなたにとって90メートルの地点、つまり、ゴール手前10メートルの地点で2人は並びます。

 

そして、ゴールまでは残り10メートルあります。

 

その間、足が速いライバルがあなたをわずかに追い抜くため、ライバルが先にゴールします。

 

ということで、

 

<正解>2回目もライバルが勝った

 

でした。

 

●「思考」のまとめ

2回目の勝負で10メートルのハンデをつけられるなら、「あなたがスタート地点から10メートル進んだ位置から走りはじめる」とすべきでした。

 

そうするとゴール地点で2人が並ぶことになり、少なくとも引き分けが狙えます。

 

いっけん同じように見える提案(ハンデのつけ方)であっても、中身は大きく違うこともあるのです。

なんとなくの印象で信じると直感の落とし穴にはまってしまうと、教えてくれる問題でした。

 

・人間の直感は意外とあてにならない

・明らかに正しいと思えることほど、しっかり考えてみることが大切

 

どうでしたか?「確かに!」とよく考えればわかったのになぁ・・・、と思われた方も多かったかもしれません。

問題の内容はわかりやすいので、余計に簡単に解ける、という先入観を持ってしまいがちです。

 

この問題のように、ふたつの点に似たような話が日常でもしばしばあります。

 

例えば、「企画書を作成して提案して欲しい」、と幹部や上司から依頼されることもあるのではないでしょうか?

 

そこで、期待に応えようと、自分でも驚くくらい見事な資料をつくりました。インパクトを出すために余計な説明は極力省き、ポイントを際立たせ、図解をふんだんに入れるなど持てるテクニックをすべて注ぎ込んだものだったとします。

 

ところが、自信満々に資料を持っていったところ、「悪いけど、説明しなくても読めば分かるよう、文章で書き直してくれないか。多少長くなってもいいから」と言われた、なんていうことはありませんでしたか?

 

その逆で、僕もこんなことがありました。

 

同僚が作成した資料を自分の考えと比較したいと思い、事前に見てみたところ、ロジックが通らない手前ミソな提案で、こんなものが通るくらいなら会社は終わりだ、こんなものを説明する気がしれない、なんていうことを思ったことがあります。

 

その資料を使った会議では、「当然、みんな反対だろう」「誰が口火を切るのかな」と様子を伺っていたところ、誰も何も言いだしません。「あれ?」と思っているうちに、「特にご意見がなければ、この件はこの案でいきます」とアッサリ通ってしまいました。

 

彼は事前に各部門に根回しをしていて、僕は蚊帳の外だったわけです。しかも、他にも蚊帳の外の人がおり、私と同様「通るはずがない」と思って様子見をしていたそうです・・・。

 

●みんなも自分と同じに違いない

僕たちには、「他の人も自分と同じ考えである」と見なす傾向があります。この効果を、さまざまな実験で明らかにした心理学者L・ロスは「フォールス・コンセンサス」(偽の合意形成)と名づけました。思い込みによって「みんなが合意してくれている」と誤認してしまうことからこう呼ばれています。

 

自分が考えたり、やったりしていることは、自分にとってはリーズナブルでわかりやすいものです。当然、他者もそう考えるはずだと、そのまま他者にも投影してしまう、というのがよくある説明の一つです。

 

くわえて、多数派と一緒だと安心する、という面も見逃せません。確かめたわけでもないのに、「みんなと一緒だからこれでいい」「みんながすることをすれば間違いない」と思って、安心しているわけです。

 

フォールス・コンセンサス効果は、親しい間柄になればなるほど強くなると言われています。近しい人なら、考え方、価値観、習慣、ルールも同じだと勝手に決めつけてしまうからです。

 

TV番組「秘密のケンミンSHOW」でも同じようなシーンに遭遇します。一般県民にご当地ならではの食べ物を街頭インタビューした後、締めくくりに「それを食べているのは○○県民だけだとご存じですか?」と尋ねるのが定番となっています。

 

すると異口同音に「え!」「うそ~」と驚くシーンが映ります。やはり、暗黙のうちに、日本中がそうに違いないと思いこんでいるわけです。

 

●自社の常識は世間の非常識?

話をビジネスに戻します。個人の失敗ならまだしも、会社の意思決定にこの効果が働くと目も当てられません。自社の論理を当然視して、「売れると思っていた商品が」「信頼していた協業先が」「成功するはずの事業が」となってしまいます。まさに「自社の常識は世間の非常識」です。

 

では、フォールス・コンセンサス効果をなくすにはどうしたらよいでしょうか。

 

理想的なのは、自分の考えが世間一般と同じであると信じ込まず、しっかりと確認や検証を(できれば定量的に)することです。

 

でも、忙しいのに一々そんなことはやっていられません。ある程度は「自分(自社)と世間はズレていない」という前提をおかないと、仕事が膨大になってしまいます。

 

せめてできるのは、「フォールス・コンセンサス可能性が働いているかもしれない」という可能性に対して心を開いておきましょう。

 

悪いのは、信じ込んで1ミリも疑わないことであり、「少数派かも」「非常識かも」という恐れを頭の片隅においておきます。

 

データまで集めなくても、常識か非常識かは何人かに尋ねてみれば分かったりします。上記の失敗例も、自分を疑う心さえあれば、「資料って、こんな感じでいいのですか?」「こんな話を言うのは私だけかもしれませんが、一言いいですか?」と言えたはずです。

 

「自分は少数派かもしれない」とは誰も思いたくありません。しかしながら、少数派がいないと世の中うまく回りません。「他の人も自分と同じ考えである」と結論づける前に、冒頭のクイズの思考でもお伝えした

 

・人間の直感は意外とあてにならない

・明らかに正しいと思えることほど、しっかり考えてみることが大切

 

これらを注意してみましょう。

 

長くなりましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございます。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com