「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

 

こんにちは。

 

今日はビジネスで大切なのはデータ分析と論理的思考のふたつと言っていいかもといった話を書いてみます。

 

 

スタートアップ経営者や投資家が集うイベント「B Dash Camp(ビーダッシュキャンプ)」が22〜24日に札幌市で開催された。ビジネスモデルを競うピッチコンテストも開かれ、犯罪防止システム開発のSingular Perturbations(シンギュラー・パータベーションズ、東京・千代田)が優勝した。

 

 

シンギュラーのシステムは、過去の事件発生場所や周辺の建物構造などから独自のアルゴリズムで「犯罪の発生確率」を導き出す。こうしたデータを基に監視カメラの設置計画や巡回頻度の見直しなどの警備計画を警察と立案する。梶田真実最高経営責任者(CEO)は自身がイタリアでスリ被害にあったことをきっかけに事業の着想を得た(以上、日経記事から抜粋しました)。

 

とってもいいシステムですよね。犯罪や事故はゼロにはなりませんが、このように少しでも発生の確率を下げることが住みやすい世の中につながるんだと思います。

 

一方、確率を高めたいものがあります。会社の業績からテストの点数までいろいろとありますが、ひょっとして一番高いのは、ギャンブルかもしれません。

 

なぜなら、日本はまさにギャンブル大国だからです。日本生産性本部の「レジャー白書2023」によると、2022年のパチンコ・パチスロ市場規模は14兆6,000億円、参加人口は前年比50万人増の770万人となっています。

 

しかし、ギャンブルで一番儲かるのはパチンコではありません。還元率を見れば、どのギャンブルが割がよいかがすぐに分かります。

 

ちなみに、一番もうからないのが還元率45%程度の宝くじです。分かり易くいえば、買った時点で半額以上寄付しているわけです。そのせいか、宝くじの売り上げは下落傾向にあります。

 

それに対して、競輪・競馬・競艇は75%あります。さらによいのがパチンコで、85~90%くらいだと言われています。で、一番高いのが、ルーレットやブラックジャックといったカジノのギャンブルで、なんと95%以上にもなります。

 

ここで理解しておきたいのが、ギャンブルに勝つための唯一の方法は、大数の法則を働かせないようにするということです。「せっかくツイているのにもったいない」と思わず、勝ち逃げをします。これに勝るギャンブルの必勝法はありません。実践するのはとても難しいですが。

 

で、「大数の法則」の誤った理解もあります。それは、少数のサンプルから全体の姿を類推してしまいがちだというものです。サンプルが十分ではないのに、「大数の法則」が働いていると勘違いをして、物事を判断してしまいます。これを行動経済学者D.カーネマンが「少数の法則」と名づけました。大もあれば小もあるですね。

 

テレビでよく「街頭で100人に聞きました!」というのが典型例です。サンプルの数が不足している上に、インタビュー場所(都心の繁華街)や時間(平日の昼間)が偏っています。

 

これをあたかも日本人全体の傾向のように語っています。確率から言えば、ほんの一部であることは歴然です。何かを結論づけるデータにはほど遠い調査内容ですよね。

 

健康番組でよくある効果を謳うのも同じです。このあたりは薬事法が目を光らせている部分でもあります。

 

僕たちは、確率的に物事を考えるのが案外苦手です。それを示すクイズを最後に出しますので、トライしてみてください。個人的にこのクイズがとても好きなので、ここ数日とりあげてばかりですが、ご容赦願いま。『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之著)から一部抜粋します。

 

●「確率」の罠を見抜けるか?

 

「白いボールの箱」

 

箱の中に、黒か白のボールが1つ入っている。

この箱の中に白いボールを1つ追加し、箱をよく振ってボールを1つ取り出したところ、白だった。

箱の中に残ったボールの色を当てるには、あなたはどちらの色を答えるべきだろうか?

 

「どっちを答えても確率は同じなのでは?」と思ってしまうような問題です。

 

ですが、確率というものは見た目以上にやっかいです。

たいてい直感を裏切ってきます。五分五分に見えるけれど……?

 

“箱の中に、ボールが1つ入っている。

「中に残っているのは白か黒のボール」

「ならば箱の中のボールが白い確率は50%」

 

ふつうに考えると、そうなります。

 

ですが、答えは違います。

結論から言ってしまうと、箱の中にあるのは「白いボール」である確率の方が高いのです。

その確率は3分の2(約66%)です。

 

なぜ白いボールである確率がこんなに高いのでしょう

 

●論理的思考の極致「確率」

さて、本格的な解説に入る前に「確率」についておさらいしておきましょう。

 

基本的に「何かが起こる確率」は、

(それが起こる場合の数) ÷ (起こりうるすべての場合の数)

で計算できます。

 

「場合の数ってなんだっけ?」という人は、「パターンの数」と読み換えてください。

サイコロを振って1の目が出る確率は「1÷6=1/6」みたいな話です。

 

さて、今回の問題に戻りましょう。

 

仮に箱の中に残っているのが「白いボール」である場合の確率を求めるなら、

最後に残っているボールが白である確率

=(最後に残っているボールが白であるパターンの数)÷(最後に残るボールの色のすべてのパターンの数)

 

で表されます。ここまでが前提です。

 

●全体のパターンを確認してみる

では、発生するパターンを洗い出してみます。

 

白を追加してそれを取り出したのだから、追加した白いボールは無視して、起こりうるパターンは、

・最後に残ったボールは白

・最後に残ったボールは黒

 

の2パターン……ではありません。

 

考慮すべき点があります。それは、取り出した白いボールが、

 

「最初から箱の中にあったもの」「追加したもの」のどちらだったのか。

 

これを考えないと、正しい確率に辿り着けません。

 

「最初から箱に入っていたボール」を「白1」あるいは「黒」

「追加した白いボール」を「白2」

 

として考えると、発生するパターンは次のとおりです。

 

<パターンA>

・最初から箱に入っていたボール=白1

・追加したボール=白2

・取り出したボール=白1

▶箱に残ったボール=白2

 

<パターンB>

・最初から箱に入っていたボール=白1

・追加したボール=白2

・取り出したボール=白2

▶箱に残ったボール=白1

 

<パターンC>

・最初から箱に入っていたボール=黒

・追加したボール=白2

・取り出したボール=白2

▶箱に残ったボール=黒

 

ありえるパターンは3通りです。

 

パターンAの場合、最後に箱に残っているのは「白2」です。

 

パターンBの場合、最後に箱に残っているのは「白1」です。

 

つまり、可能性は3パターンあり、うち2パターンで「最後に白いボールが残っている」という結果になります。 

 

よって、白いボールが残っている確率は2/3(約66%)になるので、白いボールと答えるのが賢い選択です。

 

●この問題をややこしくしているもの

最初から箱に入っていたボールの色がどちらだったかは、白が50%、黒が50%。ここは動きません。

 

そこからボールを1つ追加したあとも、箱の中が「白1&白2」である確率は50%、「黒&白2」である確率は50%。ここも大丈夫です。

 

わかりにくいのは、次のステップ。

「箱の中からボールを1つ取り出したら白だった」という状況です。

 

箱の中のボールの色は2パターンしかありませんが、そこから白いボールを取り出すパターンは3つあるのです。

 

ボールの取り出し方における確率を出したいわけなので、必然的に「3パターンの取り出し方」を軸に考えないといけないのです。

 

<正解>

残っている確率が高い「白いボール」と答える

 

●「思考」のまとめ

 

・「確率」は不確実な可能性を論理的に考える便利な手段

(「集客成功率100%」のフタを開けてみたら、開催されたのは1回だけという嘘やごまかしの手段としても成立する)

 

・結果と手段、どちらに目を向けるかで確率は変わるので注意

(相手が吹聴している確率が「箱の中のボールの色」の話なのか「ボールの取り出し方」の話なのか、その違いには注意しておく)

 

長くなりましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございます。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com