「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
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「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

 

こんにちは。

 

今日は固定観念を打ち破る正しい批判的思考を伸ばそうといった話を書いてみます。

 

 

TVCMでおなじみの「そこに(本当の)愛はあるんか?」ですが、この問いに答えるには「批判的思考力」を身につけるとよいかもしれません。

 

自分や相手の考えに疑問を投げかけ、「本当に正しいと言えるのか?」「より妥当な考えはないか?」を探究する思考法だからです。

 

目的は、言いがかりをつけてつぶすことではありません。真実や真理を見つけ出すために、あえて建設的な批判を試みます。これを使えば、本を読みながらでも思考力が高まっていきます。冊数もさることながら、読み方がポイントだというわけです。

 

批判的思考でよく使う大切な質問があります。

それが、「本当にそうか?」「他に考えられないのか?」の2つです。

 

一つめの「本当にそうか?」ですが、僕たちの頭にはサボリ癖があります。直観的に判断をして、疑いもせずに簡単に信じてしまうのです。

 

まずは、「本当にそうか?」と自分や相手に投げかけ、批判的思考モードをオンにしましょう。そうすれば、疑う理由を説明したり、論理のあやういところを指摘したりせざるをえなくなります。

 

僕たちの思考はバイアスだらけです。僕も毎日バイアス魔との闘いです。世の中には、利用可能性バイアス、原因帰属バイアス、確証バイアスに加え、自己奉仕バイアス、後智恵バイアス、同調バイアスなど、バイアスを数え出したらキリがありません。よほど気をつけないと、本当にバイアスにとらわれて判断を誤ってしまいます。

 

そして、もう一つよく使うのが、思考のとらわれを解放するための質問

 

「他に考えられないか?」です。

 

人それぞれが持つ認知や解釈の枠組みを「スキーマ」と呼びます。自分の考えに凝り固まり、合理的な範囲を越えて信じるようになると「思い込み」になります。

 

思い込みを打ち破るには、無理にでも違う考えを探さないといけません。可能性のある考えを洗いざらい出してから、最も妥当なものを選ぶようにします。

 

そして、最後のとどめの質問があります。どう考えても正しい、他の考えは絶対にありえないと思ったときに使ってみてください。

 

「もし、この考えで失敗するとしたら、なぜだろうか?」です。そうやって、とことん考え抜くのが本当のクリティカルシンキング(批判的思考)です。

 

さて、みなさんは、思い込みの罠にはまっていないと思いますが、試しに今日もクイズを出しますので、答えてみてください。問題は「頭のいい人だけが解ける論理的思考問題」(野村裕之著)からの抜粋です。

 

●「200個の製品」

とある工場に200個の製品があります。

 

ところが、200個のうち99%が不良品であるとわかりました。

なんとか不良品を外に出して、工場内にある不良品の割合を98%に減らしたいと思っています。

では、不良品をいくつ外に出せばいいでしょうか?

 

 

「簡単だな!」と思った方は罠にはまっている可能性があります。

本当にその答えで合っているのか、もう1回だけ考えてみてください。

 

ちなみに正解は「2個」ではありません。

 

●「%」の不思議

前提を確認しましょう。

工場には200個の製品があり、そのうち99%が不良品です。つまり、

 

200 × 0.99 = 198

 

つまり200個のうち、不良品が198個で、良品が2個です。

 

では、工場にある不良品の割合を98%に減らすためには、何個の不良品を外に出せばいいのでしょうか?

 

この問題では、多くの人が直感で「2個」と答えてしまいます。

 

「全体が200個=1%は2個=2個減らせば1%減る」という思考によってです。わかります。

 

でも、本当にそうなのか? 実際に検証してみましょう。

 

不良品を2個減らすと、不良品は196個に。良品は2個のままなので、合計198個となり、不良品の割合は以下となります。

 

196÷198=0.9898989……

 

はい、98%ぴったりにはなりませんでした。

不良品を減らすことで、全体の個数(分母)も減ってしまうためです。

 

●予想外の解答

不良品を2個減らしただけでは98%にはなりませんでしたが、確実に割合は下がってはいます。


つまり、不良品を減らし続けていけば、いつか98%になります。

では、その数とはいくつなのか。それは……

 

100個です。

 

「多すぎる」と思うかもしれませんが、検証するとわかります。

不良品を100個減らすと、不良品は98個。

良品は2個のままなので、全体は100個。

つまり割合は、

 

98÷100=0.98

 

98%になりました。

 

100個の不良品を外に出すことで、ようやく「不良品98個、良品2個」となり、不良品の割合を98%にできるのです。

 

ということで

 

 <正解> 100個の不良品を工場の外に出す

 

●思考のまとめ

素早く計算ができる人ほどひっかかりやすい問題でした。


実際に計算してみれば簡単にわかりますが、暗算でスピーディーに答えなければならない状況だと多くの人が間違えると思います。

 

割合など、「%」を求める計算は慎重におこなうのがいいと思います。


「%」はパッと見の印象と実態が異なることが多いので、しっかり検証することが大事です(ここまで)。

 

みなさんは解けましたか?

解けた方は、すぐにわかった方であれば、かなり批判的思考が身についている人だと思います。


が、ひょっとして多くの方は、最初「2個」と答えを出して、「待てよ?」と疑ったうえで、正解を導いたのでは、と推察します。それも含めて批判的思考が備わっていると思ってください。

 

しかし、今回は一人で考えるクイズでした。ですが、ビジネスや日常では、自分のまわりには仲間もいると思いますので、是非、批判的思考は、1人で考えるときはもとより、みんなで議論をするときにこそ使ってほしいです。

 

「1人で考えるより大勢で考えたほうがよい答えがえられる」と誰しも思います。そのためにわざわざ会議をしているのですから。「三人寄れば文殊の智恵」ということわざもあります。

 

ところが、必ずしもそうとは限らず、みんなで話し合って、とんでもない結論になることもあります。で、みんなの智恵を生かすには大切な条件があり、その一つが批判的思考なんです。

 

「何となくそう思う」「こんなもんでいいんじゃないの」「多分、合っているよ」と考える人が集まったのでは、いくら議論しても考えが深まっていきません。それどころか「みんな一緒だから間違いないよ」と、誤った確証を得るだけです。

 

一人ひとりが批判的に考え、違う意見を出し合うからこそ、より間違いのない結論が導き出せます。合理的な意思決定をするには、批判的思考が土台となります。

 

とはいえ、一部の声の大きい人ばかり発言したのでは、みんなの思考力が結集できません。全員が平等の話し合いに参加できる関係性があることが、もう一つの条件になります。

 

批判的思考の批判は、あくまでも考えへの批判です(例:その考えはおかしい)。人物への批判ではいけません(例:あなたはおかしい)。論理と人間を切り離さないと、感情論になってしまいます

 

「そこに(本当の)愛はあるんか?」と問われ、感情的になってはいけません。冷静になって返答したいというのがオチですね、くれぐれも批判的思考の批判はご注意ください!

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com