「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

 

こんにちは。

 

今日は俯瞰すべき選択肢を洗い出せるかが問題解決の糸口といった話を書いてみます。

 

みなさんは、「トクリュウ」って言葉聞いたことありますか?

 

僕は知りませんでしたが、治安や事件の分野での匿名・流動型犯罪グループの略語だそうです。今日の日経記事によると、暴力団のような組織性はなく、離合集散を繰り返し、犯罪の実行犯はSNSでそのつど募り、収益を吸い上げているそうです。

 

日雇い労働者を募集するも、自らの姿はさらさず、「闇バイト」として使った若者らは躊躇(ちゅうちょ)なく切り捨てられます。犯行グループを逮捕しても、多くはだましの電話をかける「かけ子」や、現金を引き出す「出し子」といった末端の実行犯。そもそも「バイト」なので黒幕や首魁(しゅかい)の素性を知らない、という厄介な犯罪手口です。

 

じゃ、警察はどう対処しているのか?

 

●横断と俯瞰

警察庁が目指すのは、「横断的・俯瞰(ふかん)的」捜査です。個別事件で明らかになった情報を、とにかく網羅的にシステムに入れ、蓄積し、それを固有名詞、時間軸、犯罪の手口など様々な要因で比較・分析し、ひも付けます。そうした中からトクリュウ中枢の姿を浮かび上がらせる、という取り組みです。

 

現場を起点にした「地べた」からの捜査に加え、それとは逆方向の、総合的なデータ分析から個別事件に迫る「空中戦」的な捜査です。(抜粋はここまで)

 

僕たちも日常でこの、「横断的・俯瞰(ふかん)的」な見方・考え方は、大切です。今日は、それが感じられるクイズをここで出題します。(『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之著)から一部抜粋して紹介します)

 

●「72の年齢当て」

 

同僚には3人の娘がいる。

 

あなたはヒントをもらい、年齢を当てるゲームをはじめた。

 

同僚:「全員の年齢をかけると72になるよ」

 

あなた:「えっ?わからない!」

 

同僚:「全員の年齢を足すと今日の日にちになるよ」

 

あなた:「うむ~??わからない!」

 

同僚:「いちばん上の子だけアイスが好きだよ」

 

あなた:「あっ、わかった!」

 

さて、3人の娘の年齢は?

 

答えが出たら、以下を読んでみてください。

ちなみに、みなさんは、「3番目のヒントって意味あるの?」と思われませんでしたか?

 

1番目のヒントはわかります。2番目もヒントになっているかどうかは怪しいですが、まあギリギリわかります。


3番目ですよね、問題は。パっと見、何のヒントにもなっていません。にもかかわらず、その一言で3人の年齢が特定できるんです。

 

もちろん、すべてのヒントに意味があります。

では答えをみていきましょう。

 

●第1のヒントでわかること

1番目のヒントは、“全員の年齢をかけると72になる”でした。

 

まずやることは、

「すべてかけると72になる3つの数字」の組み合わせをすべて書き出してみる、です。

 

1から順番に考えていくと、

(1,1,72)(1,2,36)(1,3,24)(1,4,18)(1,6,12)(1,8,9)

2は、

(2,2,18)(2,3,12)(2,4,9)(2,6,6)

3は、

(3,3,8)(3,4,6)

 

これで正解の候補は12パターンに絞れましたね。

 

●第2のヒントでわかること

2番目のヒントは、 “全員の年齢を足すと今日の日にちになる”でした。

 

そもそも「今日が何日かわからないじゃないか!」と思われた方、日にちならあり得ること日にちではありえないこと、この2つを考えればわかるんですね。

 

昨日投稿したブログの対義語的発想、特に具体と抽象という考え方のイメージを持っていうとわかりやすいかもしれません。ということで、つまり、

 

まずは、12パターンの年齢を、それぞれ足してみます。

(1,1,72) = 74 (1,2,36) = 39 (1,3,24) = 28

 

(1,4,18) = 23 (1,6,12) = 19 (1,8,9) = 18

 

(2,2,18) = 22 (2,3,12) = 17 (2,4,9) = 15

 

(2,6,6) = 14  (3,3,8) = 14  (3,4,6) = 13

 

第2のヒントでは、足すと「今日の日にち」になると言っています。


1ヵ月は多くても31日までです。つまり、足した数は少なくとも31以下だとわかります。

 

ですから、74と39は対象外です。

 

そしてもうひとつ、重要な情報が隠されています。

それは、あなたはこの第2のヒントを聞いても答えがわからなかったということです。あなたが今日の日にちを知らなかったという意味ではありません。

 

「日にちを知っていても、特定できなかった

 

という意味です。つまり、足した合計が31以下であり、その組み合わせが1つに絞れない

 

(2,6,6) = 14  と(3,3,8) = 14 

 

の14日がふたつあって絞れないということなんですね。

 

で、どちらかが、3人の年齢となります。

 

●第3のヒントでわかること

3番目のヒントは、 “いちばん上の子だけアイスが好き” でした。

 

最初はこのヒントが答えにどう関わるのか、わからなかった人も多いと思いますが、ここまでくれば明らかですね。大事なのは「アイス」以外の部分

 

「いちばん年齢が高い子が1人だけ存在する」

 

という情報です。

 

第2のヒントまでで絞れた組み合わせのうち、「いちばん年齢が高い子が1人だけ」存在しているのは「3,3,8」の組み合わせのみです。

 

ということで、3人の年齢は「3歳、3歳、8歳」が正解となります。

 

●「思考」のまとめ

正解を導く効率のよいやり方がありそうに見えて、かなり地道な方法で考えていく問題でした。まずは、考えられるすべての可能性を洗い出したわけですね。天才的な解決策をいつまでも考えるよりも、ときにはシンプルな方法が、いちばんの近道だったりすることもあるんですね。

 

まさに、冒頭の「トクリュウ」の記事でいえば、警察の個別事件で明らかになった情報を、とにかく網羅的にシステムに入れる作業だったり、現場を起点にした「地べた」からの捜査という「横断的な対応」です。

 

今回のクイズもヒント1で洗い出した無数の選択肢も、ヒント2,3とわずかな条件が加わることで一気に可能性を狭めることができました。

 

事前に手を動かして選択肢を俯瞰できていたからこそ、すべての情報をヒントに変えて可能性を絞り込めた問題でした。ということで、

 

・状況を俯瞰するには、まずは情報や可能性を洗い出す必要がある

・効率よく答えに辿り着こうとせず、まずは地道に考えてみる

 

状況を俯瞰するための情報がすでに提示されているとは限りません。ヒントをもとに、自力で選択肢を洗い出すことが必要なときもあることを意識したいですね。

 

この「俯瞰する」ことの大切さを説くときに、引き合いに出されるのが、「近視眼」です。


僕たちは、目の前のことに集中することで、ひとつひとつ目標をクリアしようとしますが、ややもすると頑張り過ぎて、全体が見えなくなったりします。

 

そんなときに一歩引いて、冷静に物事をみることで、どこに力を入れなくてはいけないのかを判断しようという戒めだったりします。

 

俯瞰してみることの大切さは、「引いて見るほど本質が見える」ということなのだと思います。


目の前の事象を見つめ過ぎず、裏側で起きていること、構造やパターンや流れを捉えようとするのがもっとも大事、ということであり、これはビジネスの世界でもいえることです。

 

小さなことに目や意識を向けすぎると、真に大切なことを見落としてしまいかねません。


そして、その事実に気づくのは、たいていの場合、取り返しがつかなくなってからだということを僕たちは、何度も経験しています。

 

そんな状況に陥らないためにも、ふだんから意識して、できるだけ「長い時間軸」「広い空間軸」を取って、出来事を捉え直すべきなのかもしれません。

 

たとえば、「ビジネス」「お金儲け」に過度にのめりこんで、すべてをそこに合わせて最適化させてしまったことで、人生をダメにしてしまった、という話なんかを、よく見聞きします。

 

うまくいっているときほど、近視眼的な視点に陥りがちですし、調子に乗ってしまうのが世の常です。そういうときほど意識して遠いところから、一歩引いて見てみることが、必要そうです。


 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com