「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は顧客視点で考えるビジネスの成功といった話を書いてみます。

 

 

やりたいことが見つからなくてもいい

「自分のやりたいことをやればいいんだよ」「好きなことを見つけよう!」

 

そんなふうに、あちこちで言われるけれど、「これだ!」というものが、なかなか見つからない、そんな人もいることでしょう。それでも心配することはありません。「興味や関心がない」ということが、 かえってよい場合もあるからです。

 

 「吉本せい」という経営者がまさにそうでした。その名は聞いたことがなくても、彼女がつくった「吉本興業」という会社は、知っている人も多いことでしょう。

 

そう、お笑いで有名な「ヨシモト」を一代で築き上げたのが、吉本せいです。しかし、じつのところせいは、会社をつくったときには、まったくお笑いが好きではなかったようです。

 

~ 『賢者に学ぶ、「心が折れない」生き方』 (真山知幸著)より ~ 

 

 

せいは、大阪市の天神橋という商業の中心地で、商売人の娘として育ちました。幼い頃から家業を手伝い、小学生になる頃には、一人で店番をしていたそうです。

 

それでいて、学校での勉強もおろそかにせず、尋常小学校を優秀な成績で卒業しています。せいの下には、7人の弟や妹がいたため、子守りもしながら、商いの手伝いや勉学に励みました。「お笑い帝国」を築き上げたせいのエネルギッシュさは、幼少期から培われたものだったのです。

 

 

3才年上の夫が遊んでばかりで働かない人でした。無職になって3年、転機は突然訪れます。大阪天満宮の裏にある寄席が経営不振で廃業を決めると、夫の吉次郎がこんなことを言い出したのです。

 

「つぶれるなら、買収して、寄席の経営をしよう」

 

せいは、どうせならば、夫が一番好きなことをやらせてみようと、一か八かの賭けに出ることを決意したのです。

 

●客の行動を徹底分析

①集客の最大化(収容人員数アップ)

まず、せいがやったことは、客が座る間隔をできるだけ詰めて、一人でも多くの客が座れるように、わずかなすき間があれば、強引に座布団をねじ込みました。つまり、収容人数を増やすために、客を会場にすし詰めにした

 

②集客の最大化(客の回転率アップ)

また、小屋の空気をわざと入れ替えず、熱気あふれる状態にするようにしていました。息苦しくなった客が退場してくれるので、その分、客の回転数が上がるというわけです。

 

③収益の最大化(グッズの販売)

夏になると、会場の暑さから寄席の客が少なくなることに気づくと、せいは1本2銭で冷やし飴の販売をスタート。ただ売るのではインパクトがないので、氷の上に瓶を転がしながら「ゴロゴロ飴、よう冷えてまっせ!」と客を呼び込みました。

 

④収益の最大化(抱き合わせ販売)

また、売店でラムネやジュースなど飲み物がよく売れるように、あえて甘い物を売らず、おかきやせんべい、酢昆布やスルメなどしょっぱいものを重点的に売りました。「飲み物を売りたいならば、客の喉がよく乾くように仕向ければよい」という発想です。

 

よくもこれだけ、アイデアが出るなあ、と感心しますね。無職で働かない夫を働かせるために始めた寄席ビジネスですが、彼には期待していなかったのでしょう。そして、お金を借りて始めた寄席ですから、当然、返済もあり、なおかつこれで生活費も稼がねばならなかったわけですから、必死だったと思います。

 

確かにこれがお笑い帝国「吉本興業」へと拡大していくことになるのですから、人生というのはわからないものです。

 

この本でいうように、「やりたいこと」よりも「やれること」を徹底することで、人生の道がひらけたわけです。せいのすごいところは、客の行動原理に沿った新しい儲けのアイデアを次々と考え出した、という点です。

 

というここで、心が折れないポイントは、

・相手には期待せずに、自分のやれることを考える

・サポート役に徹することで、むしろ主導権を握れることもある

・どんな悪条件も、アイデア次第で逆手にとれる

などではないでしょうか。

 

僕たちは小さい頃、「常識を身につけなさい」とか「非常識な人間になるな」と教えられることが多いですが 、なぜか大人になると、あるいは何かを目指す人になると、「常識は疑ってかかれ」とか「知識を鵜呑みにせず自分の頭で考えろ」と教えられるので、非常識な思考が大切だと教えられます。  

 

しかし「常識を疑う」とか「自分の頭で考える」は手段にすぎません。これが目的化している人がいるのでは?と思うことがあります。今日はそのあたりの解像度を少しあげて話をしてみたいと思います。

 

●常識を疑うことが大切なのか

成功本やビジネス書を読んでいると「常識を疑うのがいい」「常識は疑わないとダメだ」といった価値観がよく出てきます。これはたしかにうまくいくこともあります。自分の誤った思い込みで常識をとらえていたとしたら それは疑ってかかった方が良いときもあります。

 

また似た話で「自分の頭で考えろ」というのがあります。世の中で言われている一般常識を疑ってみて、自分の頭でゼロから考えてみると、全然違った結論になり新しい発見がある。だから世の中の常識に騙されないようにしょう、といった類のものです。

 

たとえば、なんとなく「大学を出ていい会社に入って、結婚をして、住宅ローンを借りてマイホームを持つ」みたいな計画を立てる人もいますが、それってそもそも自分で考えた生き方なの?と聞きたくなります。

 

●車輪の再発明は意味がない

「車輪の再発明」というたとえを聞いたことはありますか?

「広く受け入れられ確立されている技術や解決法を(知らずに または意図的に無視して)再び一から作ること」を指すための慣用句。誰でも直観的にその意味が分かるように、車輪という誰でも知っていて古くから広く使われている既存の技術を比喩の題材として使った慣用表現で、世界中で使われている。(Wikipedia)

 

今からものすごい労力をかけて車輪を発明しても、ほぼ価値はありません。車輪がない時代は、車輪が発明されたら人類史が劇的に変わり、生産性がとてつもなく上がるものすごい出来事ですが、今、どこかの車輪の存在を知らない天才が1年かけて車輪を再発明しても、全く見向きはされません。

 

これと同じで、例えば、たこ焼きの新しいレシピを素人が思いつきで試したところで、そんなことはおそらく多くの人達がチャレンジしているため、あまり意味がありません。

 

同じように、業界でいいとされているやり方とか、フレームワークとか、セオリーなどはそれなりに生き残っているものなので、いちいち疑っても得るものはありません。

 

したがって、基本的には「極力、自分の頭で考えずに、セオリーや常識も疑わずに、素直に一番成功しているやり方を真似る」というのが良いわけです。

 

●自分の頭で考える瞬間

それでも、常識を疑い、自分の頭で考えるほうがいいときもあります。それは自分のいる持ち場で、その分野に対してたくさん調べて、深く思考してその上で「これは常識とは違うが こういうことなのではないか?」といった仮説を出したときなのです。

 

ビジネス書とか成功本は、歯切れよくしたほうが気持ちよく売れるため「常識を疑え!」と書いていますが、 いつ・どういう時に・このHowを使うと効果が最大になるのか?というのを解像度高く考えておかないと キャッチフレーズに惑わされて、いつでも常識を疑う人になり、生産性はむしろ落とすことになるので注意しましょう

 

今日は、吉本せいさんから思うことを書いてみました。何かの参考になれば嬉しいです!

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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