「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は従業員の満足度を見直す時では?といった話を書いてみます。

 

昔、大学生の頃、下宿先の近くにあった定食屋さんは、美味しくて人気のお店でした。料理もさることながら、気さくな大女将と話すのも楽しく、このお店のファンは多かったのを記憶しています。しかし、高齢で足も悪かったので、厨房にも立てず、配膳もままならないため、仕事は会計くらいで、一日中レジ横に座っていました。

 

ところが、大女将がレジ横に座ることで接客効果が逆に高まったんですね。なぜなら、彼女のキャラが好きなお客さんにとっては、入店時には笑顔で迎えてくれ、帰る時にも声をかけ元気がもらえるので、明日も頑張ろうという気にさせてくれたからです。顧客のリピーター化に大きな貢献をしていました。

 

しかも、「今日食べた●●は少し冷めていたよ」「今日の〇〇は味が濃かったなぁ」といった、お客さんの生の声(満足度)が収集しやすくなりました。レジ横にいなければ、店主なんかと話したければ、食器を片付けにくるなどのタイミングでないと、直接話す機会もありませんでしたから。

 

関所のように入口にいてもらえれば、お店としては直接感想がもらえ、お客さんにとっては、お店に直接伝えられたということで満足度も高まります。アルバイトさんのレジでは、「ごちそうさま。おしかったよ、また来るね」くらいしか言えません。レジに座ってくれているからこそ、お客さんとお店との距離感も縮まっていたわけです。

 

さて、日経にもこんな記事が出ていました。一部抜粋します。

 

レジの従業員は立って接客するものだ。長年定着していた固定観念を覆し、レジに作業用のイスを設置する取り組みが広がっている。首都圏・北関東で店舗を展開するベルクは今春までに3店舗で導入。人材サービス大手のマイナビもトレンド作りの先頭に立つ。現場の人手不足でシニアや女性など多様な人材が働きやすい環境づくりが不可欠になっている。

 

 

5月上旬、ベルクのすねおり店(埼玉県鶴ケ島市)を訪れると、目に入るのはレジの各列に置かれた黒いイス。深々と腰掛けている人もいれば、使わずに立ち仕事をする人もいて、その割合は半々だ。同店の担当者によると「手が空いた時に座って一息つくなど、上手に活用している人が多い」という。

 

ベルクは3店に計約30脚のイスを設置した。社員が米国大手スーパーを視察した際に着想を得たという。他国に目を向けると、欧米だけでなくお隣の韓国でも座って接客する店舗が増えている。

 

試験的に導入したイスは、オンライン上で社員が見つけた。台所など家庭で使うことを想定した商品だが、レジのスペースにも適合した。

 

人手不足が深刻化し、生産年齢人口が減少するなか、広報担当者は「シニアや腰痛を抱えた人も働きやすい環境づくりを今のうちに進めておく必要がある」と話す。

 

ベルクの特徴的な経営戦略の一つが、店内レイアウトや接客基準などを標準化していることだ。最適な運営方法を迅速に全店展開し、経営効率を高めている。24年2月期の従業員1人当たりの売上高は3702万円で、同業他社の22年度の平均と比べ1.28倍の生産性を実現した。

 

実際に従業員からは「体が疲れにくくなった」「取り組みを継続してほしい」といった声が上がる。気になるのは買い物客の反応だが、否定的な意見は少ないそうだ。

 

マイナビは3月中旬、立ち仕事のパートやアルバイト、雇用主を対象とする意識調査をした。「立ち仕事からくる肉体的な要因」で辞めた経験があるパートやアルバイトは5人に1人(19.7%)。一方、座っての接客を許可しない理由を雇用主に尋ねると、最も多い33.8%が「お客さんからの印象の悪化を防ぐため」と答えた。

 

 

(ここまで)

 

たしかに、デパートの従業員さんなんかは、帰宅すると足のむくれがひどくてシッツプを毎晩貼って寝ていると聞いたことがあります。彼女らにも椅子に座ることができるようフロアのレイアウトや展示品の配置を見直し、接客の在り方を変えることにつながるといいかもしれません。

 

お客さんの立場で言うと、展示品を見ているところをそばに立たれて見られているくらいなら、むしろ、離れて休んでいただいた方が、お互いハッピーな気がします。

 

人出不足→(P)働きやすい職場に改善(この例ですと、店内レイアウトや接客基準などを標準化)→(D)レジイスの導入→(C)従業員の反応「体が疲れにくくなった」「取り組みを継続してほしい」→(C)生産性向上確認(売上UP)→雇用確保の売りにできる→(A)高齢者や車いすの方への雇用機会拡大→人で不足解消

 

といった流れができるといいと思います。ということで、レジ椅子が、車いすの方や高齢者の方の雇用に広がるといいですね。常識は健常者目線で考えている!と感じさせられた記事でした。

 

●常識打ち破りたい!アイデアを生み出す3つの原理

では、どうやって洗脳している常識を打ち破るか。最後はアイデアが勝負だと思っています。目の覚めるようなアイデアが出れば、一瞬で片づいてしまいます。「創造力がすべてを解決する」といっても過言ではありません。

  

アイデアは、「こうすればひらめきやすい」といった原理がいくつか知られています。代表的なものを紹介します。

 

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせにすぎない」(ジェームス・ヤング)というのが、もっとも有名なアイデアの定義です。ここから言えるのは、大量の知識や情報を頭につめこんでおかないと発想は生み出せない、ということです。これが1つ目の原理です。

 

実際に、皆さんのまわりにいるアイデアパーソンは、いろんなことに興味を持ち、常に情報収集を心がけ、とても物知りな方ではありませんか。インプットがアイデアを生む成否を握っています。

 

2つ目の原理は「数撃てば当たる」です。どのアイデアがヒットするか事前には分からず、次から次へと組み合わせを変え、量を増やすことで質を上げるしか方法がありません。桁違いにたくさんのアイデアが母数として求められます。

 

そのためには、3つ目の原理として、発散(広げる)と収束(絞り込む)、仮説(考える)と検証(確かめる)のステージをきっちりと分けることです。アイデアを広げるときは評価や批判は厳禁。特に、みんなでアイデア出しをやるときは、注意しなければなりません。

 

●暗黙の前提を疑ってみる

とはいえ、行きづまってしまうことがよくあります。これ以上新しいアイデアが思いつかなくなったり、ありきたりの発想からどうしても抜け出せなくなったりします。

 

そんなときに効果的なのは、「前提を疑う」ことです。「○○すべきだ」「○○でなければならない」という当たり前や常識を、「本当にそうなんだろうか?」と疑ってみることが大事です。

 

ひとつ有名な事例を紹介します。

 

 

1967年、大阪の吹田市にある阪急北千里駅に、日本で初めての本格的な自動改札機が導入されました。

 

開発がスタートしたのが今から半世紀以上も前。当時は、コンピューターの性能が情けないほど低く、切符の情報を読み取ってゲート開閉を判断するのが、人が歩くスピードにまるで追いつきませんでした。どうやっても両者のタイミングが合わず、開発は暗礁に乗り上げてしまったそうです。

 

そんななか開発チームは一つのアイデアを思いつきました。計算が速くできないなら、人間を余計に歩かせればよい。そう考えて歩行距離のほうを伸ばしたのです。「速く計算しなければいけない」という前提を疑うことで問題解決をしたわけです。

 

イノベーションが求められる昨今、冒頭で取り上げた、レジ椅子もそうですが、このような思考の重要性はますます高まるでしょう。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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