「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は変化に敏感な組織の作り方といった話を書いてみます。

 

新年度に転勤になられた方もいらっしゃると思います。この「転勤」の考え方やとらえ方が変わってきています。そもそもリクルートワークス研究所の2020年「5カ国リレーション調査」によると、本人の同意がなくても転勤が「ある」とする回答は日本が18.8%で、米国の6.3倍、フランスの2.4倍に上る数字でした。外国にも転勤はありますが、雇用契約に関わる話なので、その多くは「本人の同意」を必要とします。

 

昔は、紙一枚(辞令書)ひとつで社員をどこにでも転勤(飛ばせる)ことができるのは、日本でも見直したい慣行のひとつだと思います。4月に労働条件明示のルールが変わったことに伴い、日経が記事を掲載していましたので、抜粋します。

 

転勤の可能性のある場所をあらかじめ周知する義務が企業に課せられた。若い世代を中心に転勤を敬遠する風潮も高まり、独自に対応策を練る企業も増えている。

 

企業は業務上必要ならば社員を配置転換したり、転勤を命令する権限がある。就業規則に明記する企業も多く、転勤を命じられた場合、簡単には拒否できない。ただ風向きも変わりつつある。

 

従来は雇用・募集の際、採用直後の勤務先を示せばよかったが、今後は勤務する可能性のある場所を事前に伝えなければならない。国は既存社員についても同様の対応を推奨している。

 

特に若い世代の意識変化が顕著だ。結婚しているか否かにかかわらず、住み慣れた土地を離れたくないと考える人も少なくない。マイナビの大学生就職意識調査では「行きたくない会社」の特徴で2025年卒業予定の30.3%が「転勤が多い」を挙げた。15年卒19.9%から大幅増だ。

 

東京海上日動火災保険は26年度をメドに本人の同意のない転勤を廃止する方針だ。ニトリホールディングスは就業地域を社員が決めるマイエリア制度を23年に導入した。~ここまで~

 

 

さて、転勤ですが、昔は「家を買うと転勤する」などといった話がよく聞かれました。異動のタイミングがぬるま湯回避といった発想もわかる気がします。都市伝説なんてよく言われていました。

 

●ビジネス界にはびこる都市伝説

皆さんは「ゆでガエル」の話を聞いたことがありますか。カエルを熱湯に入れると、驚いて飛び出します。ところが、常温の水の中に入れて、少しずつ温度を上げていけば、変化に慣れて出ようとしません。熱くなったときにはもう飛び出ることができず、ゆであがってしまう、という話です。

 

「ぬるま湯に浸っていては、環境変化に気づかないまま、手遅れになる」ということのたとえでよく使われます。実は、科学的な根拠のない話だというのをご存じでしたでしょうか。

 

文化人類学者のグレゴリー・ベイトソンのゆでガエル寓話(ぐうわ)と呼ばれています。 あくまでも寓話であって、ベイトソン自身が試してみたわけではありません。命にかかわる話ですから、動物だってそれほどバカではありません。実際には、カエルは熱くなる前に逃げてしまうそうです。よく考えれば当たり前ですね。

 

ところが、人間界ではいかにもありそうな話で、戒めの寓話としてはよくできています。科学的な事実でないことを知った上で使えば、心を揺さぶる力は大いにあります。

 

似たような話に、「弱い小象のうちにロープで杭(くい)につないでおくと、大人になっても逃げようとしない」(サーカスの象理論)や「カマスと餌の小魚を水槽に入れて透明な板で仕切ると、板に何度もぶつかり、板を取り外しても餌に近寄ろうとしなくなる」(カマス理論)があります。

 

●人は変わりたくない動物である

働き方改革に限らず、人や組織を変えるのは至難の業です。そもそも人は安定を求める性質があります。加えて、利益を取りにいくよりも、損失を回避するほうを選ぶ傾向があることが、行動経済学の研究で明らかにされています。

 

うまくいくかどうか分からないことや、自分だけがバカを見るかもしれないことにチャレンジするのは苦痛なわけです。改革勢力よりも抵抗勢力のほうが強くなる原因がここにあります。

 

そういった数々の困難を打ち破り、組織を変えるには無手勝流ではうまくいきません。ジョン・コッターが提唱する「変革の8段階」を活用することをお勧めします。

 

●危機感を共有し、ビジョンを掲げる

「変えなければ生き残れない」と危機感を醸成するところから変革は始まります。一番大切なのはトップの覚悟です。トップが本気度合いを見せないと、みんなぬるま湯から出ようとしません。最も良いのは、自らが変わる姿勢を見せることです。

 

その上で、改革で中心的な役割を果たす推進(パイロット)チームを立ちあげます。部門横断的に優秀な人材を集めないと、トップのやる気が疑われます。

 

メンバーがそろったら、何でも本音で話し合えるよう、「心理的安全性」を高めていくことが大切になります。一枚岩のチームができるかどうかが、改革そのものの成否を決めます。

 

推進チームでは、改革の鍵を握る利害関係者と連携をとりながら、変革のビジョンと戦略をつくり出します。

 

それを、さまざまコミュニケーション手段を駆使して、組織の末端まで浸透させるのがチームの大切な仕事です。いろんなチャンネルを使って、寝ても覚めても、変革の必要性、有用性、実現性を訴えていきます。

 

ここまでがいわば下ごしらえのステップです。改革の主役はトップでも推進チームでもありません。従業員一人ひとりであり、その心に火をつけないと、思うような成果は得られません。

 

●風向きを変えるには短期的成果が大事

変革ビジョンが浸透したら、後半戦は改革を現場に下ろしていくステージとなります。部署ごとに自律的な活動を立ち上げ、仕事のやり方や働く仕組みのどこをどう変えるかを、自分たちで考えてもらうようにします。そうしないと、本当の意味での改革になりません。

 

その間、推進チームは全社横断的な課題に取り組むとともに、現場の活動に支援に回ります。

 

職場によってどうしても温度差が出ます。積極的に取り組むところもあれば、「忙しいのに、やっていられない」と激しい抵抗が生まれる職場もあります。現場同士の連帯を高めるとともに、困難があれば現場と一緒になって取り除いていきます。

 

抵抗に打ち勝つには、できるだけ早く短期的な成果を出すことが肝要です。「変わればよいことがある」「もはや後戻りできない」ことを実感させれば、風向きは変わります。様子見を決め込んでいるところも、なだれをうって改革になびいていくようになります。

 

さらに、その成果を生かして、より一層の変革を進めていきます。そのためには、区切りごとに成果や進捗を確認することを怠らないようにしなければなりません。「やれやれ」とばかり、あまりに早急に勝利を宣言して、手綱を緩めるとあっという間に元に戻ってしまいます。

 

そして、新しいやり方を企業文化に根づかせていきます。一番よいのは、新しい働き方を習慣にしてしまうことです。意識することなくできるようになるからです。そこまでやってようやく、改革が実を結んだといえます。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com