「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日はビジネス成長のカギを握るアイデアの創出と実装といった話を書いてみます。

 

問題を解決するには「原因をしっかりと究明することが大切だ」という話をしました。それはウソでないのですが、十分ではありません。原因が分かっていても良い解決策が思いつかない、ということがあるからです。

 

典型的なのが、地方が抱える過疎の問題です。人口が減少する原因の一つは、仕事が少ないことくらい誰でも知っています。では、どうやったらお年寄りしかいない不便な過疎の村で仕事を増やせるでしょうか。何か良いアイデアがひらめかなかったら、いつまでたっても解決できません。

 

たとえば、長野県川上村では、冷涼な気候を生かしたレタスの栽培に取り組み、日本一の生産地になりました。1戸当たりの年間販売額はおよそ3000万円にもなるというから驚きです。

 

また、徳島県上勝町では、日本料理を彩る季節の葉や花をつくって売る「葉っぱビジネス」で大成功を収めました。まさか、そんなものが商売になるとは、町民は誰も思っていなかったそうです。

 

農業と言えばこんな取り組みもあります。農機具を扱うヤンマーが、超オシャレな農作業着を販売しているのをご存じでしょうか。並みのオシャレじゃありません。なにせ、あの佐藤可士和氏や滝沢直己氏がプロデュースやデザインを担当したのですから。

 

これで少しでも若者が農業で食べていくことを目指すようになれば、地方の少子化問題まで解決でき、まさに一石二鳥です。どうすればこんな奇策が思いつけるのでしょうか。

 

●「考える」のか「ひらめく」のか?

いくら問題の原因が把握できていても、解決策のアイデアがでなければ何の成果も生み出しません。どのアプローチを使うにしろ、最後はアイデアの勝負になります。

 

それどころか、斬新なアイデアさえ出せれば、問題解決のやり方なんてどうでもよく、たちどころに問題が解決してしまいます。会議でも、誰かが目の覚めるようなアイデアを一発出せば、簡単に意見がまとまります。アイデアがすべてを解決するといっても過言ではありません。

 

つまり、問題が解決しないのは、アイデアが思いつかないからです。だったら、できるだけ優秀なアイデアを効率的にひねり出すことに注力しましょう。それが「創造的アプローチ」です。先ほどのような「イノベーション」(革新)が求められる問題で威力を発揮します。

 

そもそも、問題を「考える」ことと、アイデアを「ひらめく」こととでは、頭の働きがかなり違います。前者は、主に左脳を使った論理的・分析的な作業です。これを「論理思考」と呼びます。

 

それに対して後者は、主に右脳を使って創造的・直観的に考えます。「クリエイティブシンキング」(創造思考)と呼びます。こちらは人やチームに依存する部分が多く、必ずひらめきが訪れるやり方があるわけではありません(あればノーベル賞級の発見です!)。

 

とはいえ、「こうすればうまくいきやすい」という方法は数多くあり、使われている原理は4つに集約されます。それさえ覚えれば、面倒な手法なんか覚えなくてもアイデアは出せます。

 

「連想」と「展開」で大量のアイデアを生む

アイデアは「数撃てば当たる」です。たくさん出さないと優れたアイデアは生まれてきません。

 

そのために最も簡単なのが(1)連想です。

 

すでにあるアイデアや誰かが出したアイデアをヒントにして次のアイデアを導き出します。農業→野菜→料理→レストラン→ワイン……といったように。こうやって、連想ゲームのように芋づる式にアイデアを発想していけば、思わぬアイデアにいきつくことがあります。

 

その代表的な手法が、「ブレーンストーミング(ブレスト)」です。もとは集団でアイデアを出す方法として考え出されましたが、自由奔放、批判厳禁、結合改善、質より量の4つのルールさえ守れば一人でも使えます。

 

ところが、「まったく自由にアイデアを出せ」といわれると、かえって答えに窮してしまいます。連想による方法は、ダイナミックな発想が得られる反面、アイデアの偏りやモレヌケを防ぐことができません。

 

そこで登場するのが(2)展開です。

アイデアを出すテーマをいくつかの切り口に分けて(細分化して)、発想していくやり方です。たとえば、農作物=味+カタチ+効能といったように分け、それぞれでアイデアを発想させて組み合わせを考えます。検討する範囲を狭く(具体的に)したり、少し制限を加えたりするとアイデアが出しやすくなります。

 

●「結合」と「類比」でユニークな発想を生む

そもそも、アイデアとは「既存の要素の新しい組み合わせ」(ジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」、阪急コミュニケーションズ)といわれています。であれば、いろんな要素を強制的に組み合わせていけば、革新的なアイデアが生まれるかもしれません。

 

それが(3)結合です。

 

たとえば、大きな辞書や百科事典を持ち出して、パッと開いて目についた言葉を無作為にピックアップします。動物園、メガホン、化粧、アフリカ、将軍……といったように、何でも構いません。それとテーマ(農業)を結合させて、何かアイデアが出せないかを考えるのです。農業+動物園=農業テーマパークといったように。

 

ポイントは組み合わせです。意外な組み合わせをすればするほど、ユニークなアイデアが生まれてきます。

 

そのために大切なのは、ありえない組み合わせを考えることです。一見、無関係に見えるもの同士でも、無理に組み合わせると必ず何らかのつながりが見つかります。人には物事のつながりを見つけ出す「類推力」が備わっているからです。

 

同じく(4)類比、も組み合わせを用いますが、使い方が少し異なります。皆さんは、鍋料理で人気の「しゃぶしゃぶ」が大阪で生まれたことをご存じでしょうか。仲居さんが汚れたふきんをお湯につけて洗っていた模様がヒントになったと言われています。ふきんを洗うという「原理」を鍋料理に生かしたわけです。

 

アナロジー(類比)によって、原理を他に転用すれば斬新な発想が生まれます。たとえば、作物を育てる農業のアナロジーとして、人を育てる教育を使ってみます。すると、ダイバーシティー(多様性)教育の考え方を農業に応用して、多品種を同時に植える栽培方法を考える、といったアイデアが生まれます。

 

●縦と横を組み合わせてアイデアを広げる

(1)連想、(2)展開、(3)結合、(4)類比、の4つは使い分けるのではなく、こんなふうに組み合わせて使うものです。考えやすくするために(2)展開で始め、アイデアが出始めたら(1)連想で広げる。そこで行き詰まったら(3)結合や(4)類比で着眼点を広げ、さらに(1)連想をつなげていく、といったように。

 

1つが行き詰まったら別の方法にスイッチする。そうやって4つの原理をどんどん切り替えて、アイデアの輪をどんどん広げていきましょう。それでもアイデアが行き詰まってしまうことがあります。そんなときは、そもそもの目的に立ち返るようにします。

 

たとえば、農業振興の目的は何でしょうか。それは地方に働く場を提供することでした。そのための方策は農業以外にないのでしょうか。では、何のために働く場が必要なのか。それは人口を増やすことでした。その手段は働く場を増やすこと以外にもあるはずです。では、人口を増やす目的は……と、どんどん目的を遡って、そのたびに発想を広げれば、思考の枠が打ち破れます。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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