「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は選択の質を高める、意思決定のテクニックといった話を書いてみます。

 

GWにいろんなところに旅行に行かれている方も多いのではないでしょうか。旅先ではじめてのお店に入って食事するときに、どんな料理の頼み方をしますか。

 

SNSで事前に調べてから評判の料理をたのむ、現場でメニューから看板料理を見抜いて注文する、まずは店員にお勧めの料理を尋ねる、まわりの人の食べているものを参考にする、あるいは、余計なことをせずに、とにかく自分の食べたいものを食べるという人もいるかもしれませんね。

 

僕は、メニューを開いて「これ何だろう?」と疑問に思う料理に必ず挑戦します。せっかく新しい店に来たのですから、新しい体験をしたいからです。

 

そうなると、家族旅行のときが大変です。我が家では、各人が別々の料理を注文します。それは、どんな料理でも、味の交換をするからです。家族の誰もが食べたことのない、変わった料理を注文するのが、僕の役目となります。

 

ご想像のとおり、結果はたいてい大ハズレです。家族も「やっぱり、微妙」という返事が返ってくるだけです。みんながお店自慢の料理に舌鼓を打つのを尻目に、おいしいのかまずいのかよくわからない料理の敗戦処理に当たる羽目になります。

 

僕のチャレンジは、話のネタにはなっても、「おいしいものを食べたい」という問題の解決に対しては、いつも失敗に終わるわけです。にもかかわらず、また変わった料理を注文してしまいます。悲しいかな、そうやって「貧乏くじ」を引き続けます。皆さんも、そんな経験はないでしょうか?

 

●最適化原理と満足化原理を使い分ける

僕たちの人生は選択や決定の連続です。多くの人が関わる組織活動は、意思決定の連鎖によってなされます。よりよい問題解決をするには、よりよい意思決定をしなければなりません。いくら問題の分析がうまくいっても、どれほど素晴らしいアイデアをたくさん考え出しても、最後の意思決定がまずいと水泡に帰してしまいます。

 

要するに、なぜ問題が解決しないかといえば、適切な決定(選択)をしていないからです。そうならないよう、いろんな角度から問題やアイデアを徹底的に吟味して、最良の判断をしていく。それが「合理的決定アプローチ」です。

 

ところが、人間はそれほど合理的ではありません。たとえば、メニューを選ぶにしても、希望する条件をすべて洗い出し、候補となる料理の情報をできるだけ集め、要望に優先順位をつけ・・・、という手順を踏むのが理想的ですが、果たして、本当に、そんな手間のかかることをやりますか。

 

何となく「こんなものが食べたいなぁ」と思いながらメニューを眺め、そのうち、「まあ、これなら」とある程度満足できるものが見つかった段階で、メニュー選びをやめます。就職にしても結婚にしても、せいぜいそんなところではないかと思います。

 

前者を「最適化原理」、後者を「満足化原理」と呼びます。

 

組織内での意思決定にしても前者でやることは少なく、大抵はみんなで話し合う中で「これなら全員がある程度折り合える」という案で落ち着くのが通例です。最適化原理を使えばよいことが分かっていても、満足化原理でも。そこそこいけるため、面倒がってやらないんです。

 

●選択肢の幅を"適度に"広げる

では、最適化原理を使って最善の選択をするにはどうしたらよいでしょうか。そのために大切なのが「選択肢の幅」を広げることです。

 

これは買い物をイメージするとすぐ分かると思います。

 

お店の人に「あなたにはこれしかない!」と一つだけ商品を見せられても、それがベストかどうか分かりません。いろいろ商品を見比べ、いろんなお店を回ってこそ、よい買い物ができます。選択肢を比較検討することで意思決定の質が上がります。

 

それに、すべての選択肢を調べれば「他に答えがあるかもしれない」という疑念が払しょくできます。「たくさんの中から自分で選んだ」ということで納得感も高まります。納得感とは自己選択や自己決定から生まれてくるからです。

 

ただし、あまりに選択肢が多いと、目移りしてかえって満足度が下がる、という実験結果もあります。第一、すべての選択肢を調べていたのでは、時間も手間もかかり過ぎます。実用的には3つから5つくらいの選択肢があればよく、幅を広げすぎないこと。これくらいあれば十分に合理的で納得感のある決定ができるはずです。

 

つまり、僕たちは、限られた不確かな情報のなかで決定をせざるをえず、合理的といっても限りがあるわけです。これを「限定合理性」と呼び、それこそが我々が目指す問題解決のあり方です。

 

●納得感のある明快な基準を設定する

合理的な選択に欠かせないものがもう一つあります。選ぶときの元になる「明快な基準」です。料理を選ぶなら、おいしさを重要視するのか、栄養のあるものを選ぶのか、はたまた僕のように目新しいものを選ぶのか……。基準が変われば選ばれる答えも変わってきます。

 

基準は一つとは限らず複数設定して、総合的に選ぶ方法もあります。たとえば、ブレーンストーミングでたくさんのアイデアがでた後、新規性、有用性、実現性といった基準で予備選抜をかけることがよくあります。

 

さらに、そこで残ったものを、費用vs効果、期待vsリスク、投資vs収益といった、相反する評価軸を設定して、ふるいにかけることもよくやります。その際には、費用が少なくて効果が高いといったように、なるべく両立するものを選ぼうとします。

 

もし、選ぶ基準がもっとたくさんあるなら、重要なものとそうでないものをしゅん別しなければなりません。効果面は3倍づけ、実現性は2倍づけ、といったように重みづけをした上で評価するようにします。

 

いずれにせよ、基準やその重みづけの納得感が、選択の納得感に直結します。問題解決の目的をよく考え、明快な(できれば定量的な)評価基準を設定するようにしましょう。またそうしておけば、属人的な決定を排除することができます。後で他人にも説明がしやすくなります。決定を誤ったときも、やり方にフィードバックがかけられます。

 

●ついつい深みにはまってしまう理由

ところで、皆さんは疑問に思いませんか。それほど合理的な決定のやり方を知っている僕が、なぜまずい料理ばかり選択する羽目になるのか。

 

それは、ごくまれに大当たりの料理を引き当てることがあるからです。そうすると、珍しい事例を一般化してしまう代表性バイアス、が働いて、また合理的でない決定をしてしまうんです。

 

バイアスとは、意思決定に影響を与える思考のゆがみです。一例を挙げると、皆さんは、確実に1万円が手に入る賭けと、40%の確率で勝てば3万円がもらえる(負ければゼロ)賭けとでは、どちらをやってみたいと思いますか?

 

おそらくほとんどの人は、前者を選ぶと思います。それぞれの期待値の計算をすると、前者は1万円×100%=1万円、後者は3万円×40%=1.2万円となり、後者を選ぶほうが合理的な選択なのに。

 

では、確実に1万円を損する賭けと、40%の確率で勝てばゼロ(負ければ3万円損)をする賭けではどうでしょう。今度は、後者が損なのにもかかわらず、後者を選ぶ人が多くなります。

 

つまり、僕たちは利益に対してはリスクを回避する(堅実性の高い)決定をするのに対して、損失に対してはリスクを取る(ギャンブル性の高い)決定をしがちになるのです。しかも負けが込んでくると、それを取り戻そうとますます深みにはまってしまいます。ここで止めてしまったら、今まで損をしたことが無駄になってしまうと考えるからです。

 

このように意思決定にはバイアスのわながあちこちにあり、よほど意識しないと直観に負けてしまう恐れがあります。合理的な選択とは、口で言うほど簡単ではないことを意識しておきましょう。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com