「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日はリーダーとしての信頼を築く具体的なステップといった話を書いてみます。

 

皆さんの職場では「1on1ミーティング」をやっていますか。文字通り、上司と部下が1対1で対話するミーティングです。話す内容は各社各様で、コーチング的に使っているところもあれば、PDCA(計画-実行-確認-行動)の確認に終わっているところもあります。

 

この1on1ミーティング。「1兆ドルコーチ」(ダイヤモンド社)という本にも紹介されています。シリコンバレーのレジェンド「ビル・キャンベル」について、書かれています。彼は、もともと大学フットボールのヘッドコーチですが、ビジネス界に転身して大きな成功を収めました。さまざまな企業のコーチをしていて、特にグーグルとアップルとの関係が強い人です。

 

スティーブ・ジョブズについては、30年間コーチをしました。ジャック・ドーシー(ツイッター<現>X)、ジェフ・ベゾス(アマゾン)、ラリー・ペイジ(グーグル)、S・サンドバーグ(フェイスブック)といった大物にも、大きな影響を与えています。シリコンバレーのレジェンドと言われる所以です。

 

この本には、チームのまとめ方、成果の出し方、リーダーシップを発揮する方法など、経営者にとって学ぶべき内容が詰まっています。そして、その中に1on1ミーティングの進め方がChapter2で取り上げられています。ビル・キャンベルは、1on1ミーティングを次のようなテーマで進めました。

 

・ムダ話

・その日の5つのテーマ

・仕事の進み具合

・同僚との関係

・チームの問題

・イノベーションについて

 

彼は、1on1ミーティングの最初にする「ムダ話」を大切にしていました。主に家族やレジャーのことなど、プライベートの話をします。P89に書かれていますが、次に、二人がそれぞれに「その日の5つのテーマ」を発表します。

 

●仕事の進み具合

・売上数値など

・プロダクトの発売予定日、またはプロダクトの進捗目標など

・顧客からのフィードバック、またhプロダクトの品質など

・予算数値など

 

●同僚との関係

・プロダクト部門とエンジニアリング部門の関係はどうか

・マーケティング部門とプロダクト部門の関係はどうか

・セールス部門とエンジニアリング部門の関係はどうか

 

●チームの問題

・部下を指導、コーチできているか

・出来の悪い社員を取り除いているか

・採用に全力を尽くしているか

・勇気ある行動をとるよう部下を駆り立てているか

 

●イノベーション

・常に前進しているか、向上し続ける方法を考えているか

・新しいテクノロジー、プロダクト、手法を常に検討しているか

・自分と業界トップや世界トップの人材を比較しているか

 

どうでしょうか?参考になりましたか。いずれにせよ、僕たちはできれば部下のやる気を高めてミーティングを終えたいところです。そのために、僕の友人は、必ず2つのメッセージを伝えて、締めくくっています。

 

1つは、あなたは特別な存在である、という話です。

 

「君がいるからこの部署が回っている」「君なしでは立ち行かなくなる」「君だからこの仕事をお願いしているんだ」といった具合に。

 

そう言われたら、いわゆる自己有能感が高まり、悪い気がしません。「自分が頑張らなくてはいけない」と感じて、やる気と責任感が高まります。

 

全員に同じことを言っても、わざわざ他人に話す人はおらず、バレることはまずありません。仮にバレたとしても、「そうなんだよ。だから一人でも欠けたら、上司としては困るんだ」と言えばすむ話です。事実そうなんですから、嘘ではありません。

 

もう1つは、上司の期待や信頼を伝えることです。

 

「活躍には大いに期待している」「きっとやれると思って、信頼して任せている」「安心して任せられるからこそ、大役をお願いしている」などの言い回しで伝えます。

 

人は期待されると、それに応えようと思います。信頼されるとやらざるをえなくなります。そうやって上手にそそのかすのが、やり手の上司ではないかと思っています。

 

●期待が現実をつくりだす

教育心理学者のR・ローゼンタールは、「教師の期待によって学習者の成績が上げられる」と主張しました。たとえば、ある小学校で学習能力予測テストをして、成績が伸びる可能性のある有望な生徒とそうでない生徒に分けました。それを教師に伝えてから学期がスタートしました。

 

学期が終わり、もう一度同様のテストをしたところ、有望だとされた生徒は実際に成績が伸びていました。実際には、テストの成績に関係なく、無作為に振り分けていたにもかかわらずです。

 

これを「ピグマリオン効果」と呼んでいます。人が、期待通りの成果を出す傾向のことをいいます。

 

この効果については、多くの研究者が実験や分析を繰り返しているのですが、未だ学問的に完全に認められたものではありません。教師のえこひいきなど、期待以外の要因が考えられ、再現性があったりなかったりします。とはいえ、僕たちの実感にはよく合います。経験則としては十分使えるのではないかと思います。

 

●人事は会社からの最大のメッセージ

ピグマリオン効果は、上司が部下を育成するときや、仕事を依頼するときに活用できます。とはいえ、相手が仕事や依頼事項に意味を感じないことには通用しません。なぜそれが重要なのか、やり遂げるとどんなよいことがあるのか、を伝えた上でなければいけません。

 

しかも、過剰な期待は禁物です。どうあがいても届かない目標を、「やればできる」と押し付けたのでは、ストレスに押しつぶされてしまいます。パワハラにもなりかねません。

 

それに、期待の表し方もいろいろあります。僕がよく使うのは、もっと伸びてほしい(まだまだやれるはずだ)と思う部下がいたら、「よかったら、○○をやってみないか」とワンランク上の役職を打診してみる方法です。

 

くどくどと言わなくても、それだけでこちらの期待は十分に伝わります。まさに、人事は上司や会社からの最大のメッセージに他なりませんから。

 

もし、「なぜ、私に?」「そんなのまだ無理」と言われたら、「君ならできると信じているから、お願いしているんだ」と答えるようにします。そこまで言われてやらない人はいません。

 

●褒めればよいという話ではない

ピグマリオン効果の話をすると、「要は部下を褒めればよいのですね」と曲解する方がいます。たしかに、褒めることでやる気が高まるというのも一つの法則です。とはいえ、本来のピグマリオン効果(期待を伝える)とは意味合いが違い、区別してください。

 

たしかに、褒められて嬉しくない人はいませんが、それで伸びるとは限りません。かえって、意欲が下がるという実験結果もあります。

 

褒めるというのは一種の評価になります。下手をすると、褒める人に対する依存が生じ、ひどい場合は支配関係にまで発展しまうかもしれません。

 

だからこそ、「期待をかける」ことをお勧めしているわけです。他にも「応援する」「共に喜ぶ」などがあり、いくつか手札があったほうがワンパターンならなくてすみと思います。みなさんもいろんな期待のかけ方を考えてみるといいかもしれませんね。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com