「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は「何かで高い点をとるよりも、総合点を意識しようといった話を書いてみます。

 

みなさんは、行きつけのラーメン屋さんとかありますか?もしあるとしたら、一杯いくらのラーメンを食べていらっしゃいますか?

 

恐らく、味は納得していると思うんですが、価格は「もう少し安ければ食べる回数も増えるんだけどなぁ」と思っていらっしゃるんじゃないでしょうか?昔は飲んだ帰りに食べられたものが、今はとてもそんな食べ方なんかできません。そんな割高感を覚えるラーメンですが、こんな記事が出ていました。

 

 

東京商工リサーチが発表した2023年度の「ラーメン店」倒産の状況です。

 

「1杯1,000円が上限」と言われるラーメン。だが、コロナ禍を経て、人件費や原材料費、光熱費の高騰で常識が様変わりしている。この潮流変化で打撃を受けたラーメン店の倒産が大幅に増加した。

 

2023年度(4-3月)の「ラーメン店」の倒産(負債1,000万円以上)は、63件(前年度比173.9%増)で、前年度の2.7倍増と大幅に増加。これまで最多だった2013年度(42件)の1.5倍増で、過去最多を大幅に更新した。月次でも2024年3月は9件発生し、2008年度以降の16年間で月間最多を塗り替えた。

 

倒産原因で最も多かったのは「販売不振」で52件。ラーメン店は大規模な店舗や調理設備への投資を必要とせず、少ない開業資金で参入しやすい。ただ、出店のハードルが低い分、同業との競合は激しく、SNSなどの口コミで人気が左右されやすく、足元が不安定な業種の一つでもある。

 

もともと収益力が低いところに労働規制の強化とかがやってきて、さらにコロナのゼロゼロ融資の期限が到達してついに耐えきれなくなりました。とはいえ、そもそも、僕たちも1杯1,000円以上をラーメンに払うのは、いかに物価高と言っても、抵抗がありますよね。

 

さて、故稲盛和夫さんといえば、稲盛経営の原理原則として有名になった「経営12カ条」です。ここでは、「誰にも負けない努力をする」「値決めは経営」などと経営者になった人たちが貫かねばならない項目を挙げていますが、この「経営12カ条」を実践する前に必要なこととして、こんなことを言っています。

 

「それは、今始めようとされている事業がビジネスとして成り立つのかということを自分で検証してみることです。製造業であれば、つくろうとしている製品のマーケットプライスがすでに存在しているはずです。そのマーケットプライスに対して、材料費、人件費などを含めて、十分に見合う原価でつくることができるのか、それを検証しなければなりません。

 

そういう検討もしないで『私はこれをつくることができるから』というような理由だけで事業を始めてしまうと、その品物のマーケットプライスはすでに崩れていて、採算が合わないということになりかねません。

 

そうはならいないように、マーケットプライスに十分に見合う原価でつくることができるという確信を持った上で、製造を始めなければならないのです」

 

僕は、この考えには、すごく共感するんですね。そもそも、他にはない新しいものを作るんだぁ、と言っていても、それは、あなたが知らないだけですでにだれかがどこかで作ってますよ、しかも、いろいろと試して原価と価格のバランスを考え抜いた結果、そのサービスや商品が提供されていたりするんです。

 

●考えがちなミス

僕たちは、何かプロダクトやサービスを作る際についつい考えがちなのが「加点で考えてしまう」ということです。ということで、ラーメンを作る時を題材に考えてみます。

 

麺が100点

スープが100点

チャーシューが100点

合計300点!

 

みたいなのを目指して、それぞれを最高のものを作ろうとしてしまったりします。

 

しかし、おいしいラーメン屋とかは「チャーシューとかがおいしすぎるとバランスがとれなくなるので、あえてソコソコの味にする」とかをやっているとからしいんですね。

 

どちらかというと大事なのは調和で、一つひとつの突出したおいしさではないということです。料理としてのラーメンがおいしいかどうかが重要であって、チャーシュー単体でのおいしさは別問題なんです。

 

なので、考え方としては「100点が最適解で、それよりも下でも上でもダメ」みたいに考えるといいのかなと思います。

 

上の例でいうと300点をとってしまうと、100点を基準にすると、200点も離れているので、むしろダメなことになります。

 

麺60点、スープ30点、チャーシュー10点とかで、100点にする、とかのほうが、おいしいラーメンになる、というイメージのほうがフィットしそうです。

 

これは言い換えると、強弱の問題だとも言えそうです。

 

オーケストラで考えると、全楽器が最大の音量で演奏していたら聞こえづらいわけです。トランペットは大きいが、トロンボーンとチューバは小さく、ホルンは中くらい、などと、強弱がバランスとれているから音楽として心地いいわけで、全部が最高の音を出していたらごちゃごちゃしてしまいます。

 

組織でも同じで、全員が最前線を任せられるエース級の人材ばかりを集めると、うまくいかなかったりします。ビジョンをもって進めるリーダーと、それを支える参謀と、まもりを固める兵隊と、前線でガンガン動ける特攻隊と・・・・、みたいな感じで、いろいろなメンバーが調和しているほうがプロジェクトがうまくいったりします。

 

と、例をあげるといろいろ出てくるんですが、要は、個別を見るよりも、大きな固まりで考えた時に、その固まりのクオリティのほうが大事ということは意識しておくといいですよ、ということです。

 

●では、なぜこのミスが起こるのか

似た失敗として「過剰一般化のバイアス」というものがあります。

 

これは、たとえば、1ヶ月のうちに、黒色の服を着ている人、何人かから失礼なことをされたら「黒色の服を着る人はみんな失礼なやつが多い」と思ってしまうということです。

 

黒色の服を着ていることと、失礼なことは全く関係ないのに、たまたま黒色の人から失礼なことをされたことで、それを一般化してしまうんですね。

 

昔なら「このフンがあったらクマが近くにいた」というケースが数回あったら、次にフンを見たらクマがいるのではと警戒したのは合理的だったはずです。しかし、今では複雑な社会を生きているわけなので、意味のない一般化はムダなだけです。

 

これらのミスしてしまう理由としては、おそらく「人間は、一つのかたまりとして何かを見るのが苦手」なんじゃないかと思っています。

 

会議の中でも全体の議論で考えるべきところでも、ついつい各論が気になってしまったりします。それも全体をざっくりと見る、というのが得意じゃないからこそ起きてしまうからなんです。

 

というわけで、こう考えてみると、「全体をざっくりとみて、バランスを整えられる人」というのはとてもバランスのとれた方だと思います。そういう人が、優秀な映画監督になったり、指揮者になったり、社長やリーダーや監督になったりするのが理想です。

 

逆に考えると、個別のクオリティをあげていくようなところを頑張るよりも、常に大局観を持って、ざっくりでいいので、全体の調和を考えるくせをつけることが、みなさんもキャリア形成にとってプラスになると考えています。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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