「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は自ら動くチームをつくるにはといった話を書いてみます。

 

今日は桜満開で絶好のお花見日和でした。おそらく、みなさんも外で桜をみたいと思われた方も多いのではないでしょうか。昨日の土曜は、曇っていましたが、今日は気温も高く、気持ちがよかったですね。

 

どうしても週末でないとお花見を楽しむ時間がなく、週末に桜満開のタイミングに重なるとワクワクします。

多くの皆さんは週休2日制で勤務されていると思いますが、この完全週休2日制の導入を決めたのはパナソニック創業者の松下幸之助さんなんです。

 

松下さんは「1日は仕事の疲れを癒すために休養に充て、あと1日は明日のために教養を高める」と説明していました。

 

岸田政権は、週休3日制度の普及にも取り組む」と語っていましたが、しかし、多くの会社で導入されるのは、まだまだ時間がかかりそうです。

 

さて、松下幸之助といえば、数々の名言を残した経営者の一人です。中でも有名なのが「あんた、どう思う?」という質問の仕方です。

 

松下さんに薫陶を受けた同社の岩井虔(けん)さんは、来る日も来る日も質問攻めにあったそうです。

 「布団の中でこんなことを考えたんやけど、君どう思う?」「新聞見とったら、こんどの台風で崖崩れが何件もあった、君らどう思う?」と(岩井虔『松下幸之助 元気と勇気がわいてくる話』PHP研究所より)。

 

いきなりトップからそんな質問をされたら、目を白黒させてしまいますよね。まさに準備しようのない試験を毎日のように繰り返されるようなものですから。何と返事すればいいのか、大いに悩んだことだと思います。

 

しかしながら、そんな問答を重ねるうちに、社長の意見に賛成だろうが反対だろうが、「私はこう思います」と格好つけずにハッキリ言えばいいんだと、少しずつ分かってきたそうです。

 

他に僕が好きなのは、「それでお客様は喜びますか?」という質問です。顧客志向をたたき込むのにこれほどシンプルで力強い質問はありませんよね。

 

優れたリーダーというと自らの信念に基づいてチームをグイグイと引っ張っていくイメージがあります。もちろんそれも必要なことですが、チーム自らが考え、行動するようにしないと、どこかで行きづまってしまいます

 

チームを育てるためには、リーダーの質問が鍵と思うんですね。そこで、こちらが期待する行動を相手にとらせるには、大きく2つの方法があると思っています。

 

一つは「どうしてほしいか?」「何が必要か?」を説明して、そのとおりに動いてもらうやり方です 「他者説得」と呼びます。

 

もう一つは どんな行動が望ましいかを相手に考えさせて、自らの判断と意思で動くようにする「自己説得」です。

 

人は自分のことは自分で決めたいと思っています。他人から一方的に説得されたり、選択肢のない中で決めるのは好きではありません。首尾よく説得に応じたとしても後悔や蒸し返しをしたりする恐れがあります。

 

他者説得では納得感が乏しいんですね。それに対して、自分の考えで決めたとなると納得感が高い上に、「これでよかったんだ」と自分で自分を説得するようになります。

 

「一貫した人でありたい」と思う心理も働くので、どこまでも決めたことを貫き通そうとするんです。メンバーに何か依頼をするときは、なるべくなら自己説得を使いたいところです。じゃ、どんな声掛けがいいのか、フレーズをあげるなら、「どうしたら」(「どうやったら」「何をすれば」「どんなことが」)です。

 

「売り上げが落ちている。すぐに原因を調べてくれないか」は、他者説得です。しかし、「売り上げが落ちている どうしたらいいと思う?(何ができるだろうか?)」なら自己説得になります。

 

ただし、これはあくまでも相手に考えてもらうための質問であって、相手の責任を追及したり、糾弾したりする口調にならないようにしましょう。でないと、水を差すことになりますから。

 

「売り上げが落ちているぞ、どうするんだ!」と渇を入れるほど、社員は疲弊してしまいます。

 

●期待する答えが出るまで質問をする

こんな話をすると、「じゃ、こちらが期待する答えが返ってこなかったらどうするの?」と言われる方がでてきます。結局、「そうじゃないよ、○○をするんだ!」と他者説得になるのではないかといいます。

 

でも、こちらが正解を言うのは簡単ですが 時間が許す限りギリギリまで考えさせるのに越したことはありません。返ってきた答えを元にして、さらに考えを深めるように促すようにしてはいかがでしょうか。

 

<例>

(自分) 「どうしたらいいと思う?」

(相手) 「何か対処が必要ですね」

(自分) 「たとえば、どんなこと?」

 

(自分) 「どうしたらいいと思う?」

(相手) 「特に思いつきません」

(自分) 「あえて(仮に)挙げるとしたら?」

 

このあたりのフレーズのポイントは、具体化・抽象化、選択肢の拡大、優先順位付けなどです。面倒な方は、「自身を尋ねる質問をする」のが近道です。自分の考えを疑ってみることで思考が深まるからです。

 

たとえば、

(自分) 「どうしたらいいと思う?」

(相手) 「□□はどうでしょう?」

(自分) 「本当にそれでいいんだね?」

 

●チームにはメンバーにあった説得の仕方がある

とはいえ すべての人に対して自己説得がよいとは限りません。

チームメンバーをザックリと「やる気(will)が高いか低いか?」「能力(skill)が高いか低いか?」の2つの軸で分類して考えてみることをおススメします。

 

やる気も能力も高い人は、手出しをせずに当人に委ねるのが一番です。こちらから質問すらする必要はなく、事実や情報だけ伝えれば勝手に動いてくれますから。

 

一方、能力が高いのにやる気が低い人は、何らかの方法でやる気に火をつけなければ宝の持ち腐れです。そのために最適なのが、うえで紹介した質問なんかを使います。自分で考えさせ、自分の能力でできることを見つけてもらうのです。

 

そして、やる気が高くても能力が低い人は、適切なスキルが身につけられるよう、指導する必要があります。考えさせるのも結構ですが、正解を教えないといけない場面が増えてきます。 

 

残念ながら、やる気も能力も低い人に自己説得は使えません。他者説得で指示をして、強制的にやらせるしかありません。経験を増やすことのほうが先ですから。

 

こんなふうにその人に合った依頼の仕方をしないと、親心がかえってあだになってしまいます。「メンバーが期待通り動いてくれない」と悩む人がいたら、「相手にふさわしいやり方をしているか?」をチェックしてみましょう。

 

●相手が気づくまで根気よく待ち続ける

松下幸之助の話に戻すと、同じく薫陶を受けた江口克彦(政治家)がこんなエピソードを披露しています。

 

江口氏さんは何十年間共に仕事をする中で「それは駄目だ。答えになっていない」と言うせりふを一度も聞かなかったそうです。同じ質問を何度も繰り返し、本人が自分で気がつくまで根気よく待ち続ける、その姿勢に「若い者を育ててあげたい」という愛情が感じられたと述べています。

 

とても凡人にはまねのできない芸当ですよね。育成には、忍耐も必要なんだ、と考えさせられます。スタートアップのみなさんもチームで活動をしていると思います。リーダーとして、チームを引っ張っていくには、人間的な温かみを感じられるような対応も必要だと考えます。

 

ひょっとしてみなさんの中には、今日の話は「コーチング」か「ティーチング」かの話なんじゃないの? と思われた方もいるでしょう。仮にそうだとしても、リーダーの役割には根気強さが伴います。メンバーを育成して理想のチームワークを築くには、リーダーの本気度が試されていることを忘れたくありませんね。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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