「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日はムーブメントが起きるメカニズムといった話を書いてみます。

 

一発、大ヒットを当てたい……。商品開発に携わる方なら誰もが抱く思いです。

これが今回紹介する「バンドワゴン効果」です。

 

絶対に失敗しない店選びのコツ

バンドワゴンとは、パレードなどの先頭で行進をリードする楽隊車のことです。それをヒントに、経済学者H・ライベンシュタインが創作した言葉が「バンドワゴン効果」です。

 

「多数がある選択肢を選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果」(ウィキペディア)を意味します。バンドワゴン効果が引き起こす現象は、世の中のあちこちで見られます。

 

一つ例を挙げると、街には、何軒ものラーメン店がありますよね。下手すると目と鼻の先にライバル店が店を構えています。経験のある方も多いと思いますが、長蛇の列で長時間待たされるお店と、ほとんど客が並んでいないお店にハッキリ分かれます。

 

だからといって、最近のラーメン店はどこも美味しくて、味が極端に違うわけではありません(少なくとも私の舌では)。なのに、SNSでバズっている、行列ができているお店なら間違いない、といった安心感などから、長い列に並んでしまうのが僕たちの習性です。

 

まさにこれがバンドワゴン効果なんです。

 

実際に、見知らぬ土地でどの店にしようか迷うくらいなら、「地元民で混んでいる店に入る」「長い列をなしている店に入る」というのが安全策と思っている方も多いのではないでしょうか。バンドワゴンについていくのが賢明な選択となるからです。

 

しかも、有名店だと思って列に並んでやっと食べられたのであれば、本当においしいと感じます(バイアスが影響してはいますが)。噂が口コミやネットでどんどん広がり、それがさらにバンドワゴン効果を促進するわけです。

 

クリティカル・マスを超えられるか?

気になるのは、じゃ、バンドワゴン効果を活かすには、「どれくらいの賛同者を集めれば、みんなが雪崩を打って支持するようになるのか?」ではないかと思います。

 

これを超えると一気に支持者が増えるという「臨界量(クリティカル・マス)」があります。それが分かれば、マーケティング活動や社会運動などにおいて、意図的にバンドワゴン効果を起こすことができます。

 

しかし、残念ながら、臨界量は分野や業界によって異なり、一般的にいくらと言うことはできません。理論的に計算することもできず、経験的に算出するしかないんですね。

 

たとえば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなどの家庭用耐久消費財は、普及率が16%を超えたところで一気に普及が加速しました。そうなると、いずれ100%に達するようになります。

 

経営学者E・ロジャーズの「イノベーター理論」によれば、新しい製品に最初に飛びつくのが「マニアックなオタク」(イノベーター<革新者>:2.5%)で、その反応を見て、「新しいものを自慢したがる人」(アーリーアダブター<初期採用者>:13.5%)が手を伸ばします。そのあと、「オピニオンリーダー」(アーリーマジョリティー<前期追随者>:34%)と続きます。

 

特にアーリーアダプターは、他の層に対する影響力も大きいため、アーリーアダプターの攻略は特に重要だと言われています。彼らがインフルエンサーとなり、さまざまなチャネルで発信することで、商品の価値が世の中に広く伝わると考えられています。

 

そうすると、時流に乗り遅れまいと、バンドワゴンに乗る人(レイトマジョリティ(後期追随者)34%)が殺到するようになります。最後に、新しい物に抵抗を感じる保守派(ラガード(遅滞者)遅滞者:16%)も乗らざるを得なくなります。

 

つまり、16%の壁(キャズムの溝)をどう飛び越えるか、初期採用者から追随者への橋渡しが重要な鍵を握っています。そこに知恵を絞るのがマーケッターの大切な仕事となります。

 

勝ち馬に乗る人ばかりではない

このように、バンドワゴン効果を上手に活用すれば、製品の普及、流行づくり、組織変革、選挙運動、制度の定着、社会運動などいろんなものが加速できます。ただし、対象によっては逆効果になる場合もあるので、頭の片隅においてください。

 

どういうことかというと、世の中には、「みんなが持っているから買いたい」という商品もあれば、「みんなが持っていたら買いたくない」という商品もあります。レア物、期間・地域・会員限定品、オーダーメード品、特別サービスなどでいえば、後者に当たります。

 

なかには、「みんなの手が届かないものが欲しい」と、高価なブランド品や豪華な旅行パックに興味を抱く人もいます。いずれにせよ、バンドワゴン効果ではなく、「みんなと違うものを持ちたい」「優越感に浸りたい」という欲求をマーケティングに活用しないといけません。

 

また、バンドワゴン効果とはまったく逆に作用する「アンダードッグ効果」というものもあります。たとえば、アメリカの選挙戦において「与党が優位」とマスメディアでアナウンスされるとします。勝ち馬に乗ろうと与党に投票する人もいれば、弱い方を応援しようと野党に投票する人も出てきます。この場合、実際には2つの効果のバランスで勝敗は決することになります。

 

僕たちの様々な行動は周囲の振る舞いに大きな影響を受けていることは間違いないわけで、人と人との相互作用を読み解くことが、大きな集団を動かすのに欠かせない点であることは意識しておく必要はありそうです。

 

実は、「バンドワゴン効果」「アンダードッグ効果」以外に、「スノッブ効果」「ヴェブレン効果」というものもあります。

 

「スノッブ効果」とは、支持している人が多いものに対して、「ほかのものを選びたい」「人と違うものが欲しい」と思う心理効果で、「ヴェブレン効果」は、あえて販売価格を高く設定することにより、同カテゴリー商品の中でも価格が高い商品に付加価値を感じる層に需要が高まる効果のことを指します。

 

長くなるので、詳細は省略しますが、気を付けていただきたいのが、広告やキャッチコピーなどを作成する際は、表現が過剰にならないように注意していただきたい、ということです。

 

根拠となるデータがない場合や、禁止されている表現を用いてしまった場合、景品表示法などに違反する可能性があります。必ず、第三者機関にリサーチを依頼するなど、客観的な根拠を踏まえて、活用するようにしましょう。

 

誇張表現をしてしまうと、実際に商品を使ったときに、「想像と違った」「品質と商品イメージがあわない」という印象をもたれやすく、会社の信頼を失う危険性もあります。

 

なにごとも、商品の品質にあわせて宣伝するなど、過剰な表現にならないような配慮が大切ですので注意しましょう。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com