「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は新しいことに挑戦する準備といった話をしてみます。

 

 

出張の多い友人に聞くと、地方のビジネスホテルの値段がヤバいというんですね。1泊1万円で昔は泊まれていたのに、今は1万5千円以上するそうです。

 

日経にも「ビジネスホテル、もう1万円で泊まれない」と題して記事が出ていました。つまり、インバウンド(訪日外国人)需要が旺盛なうえ、清掃費などのコストが増加していることが要因のようです。

 

調査会社によると、全国のビジネスホテルの平均客室単価(ADR)は新型コロナウイルス禍前から1割上昇しています。企業が出張宿泊費の目安とする「1万円」では泊まれないホテルが増え、規定を見直す企業も出てきているといわれています。

 

これを聞いて「天災は忘れた頃にやってくる」と思わず言ってしまいました。この意味はみなさんもご存じのとおり、そのままの教訓として使われたりしています。

 

この言葉、物理学者で随筆家でもある寺田寅彦の有名な言葉ですが、もうひとつ、彼には「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向がある」というのもあるんですが、こちらはそれほど知られていないようです。

 

私たちが社会に新しい何かを持ち込むときは、あらかじめ災害への対策をとっておくのがふつうです。避雷針・堤防・防風林や防砂林・家屋やビルの耐震補強・緊急事態の通知や避難指示のシステム、こうした対策の大切さです。その上で、寺田の言葉はもっと深いところまで届いています。

 

文明を進歩させることは大小さまざまなリスクを伴います。文明は人間社会を豊かにしますが、かつてなかった損害をもたらす危険もついてきます。僕たちは文明を進めるにあたってそれを肝に銘じておく必要がある、寺田寅彦はそんなことも語っているように見えます。

 

先日 同僚との会話で、「職場が殺伐としていて会社に行きたくない」と嘆くのです

詳しく聞くと、「業績が芳しくない」「小さなミスが多発している」「他人事になって責任感がない」「会話がない」「人間関係がギスギスしている」と まさに悪いところだらけでした。

 

ここまで病状が悪化していると根本的に解決するには、かなりの時間とエネルギーを要します。さて皆さんならどこから手をつけるでしょうか?

 

よくある答えが「みんなで話し合う機会を持つ」です。残念ながら相談が持ちかけた当人が言うには、話し合いに誰も乗ってこなかったそうです。

 

乗ってきたとしてもガチンコで話し合えるだけの関係性があるとは思えず、ホンネが出てくることは期待できません。無理に釜の蓋を開けてしまうと「それを言ったらおしまい」という事態に陥る恐れもあります。

 

「おそらく職場という物理的な空間そのものが荒れているでしょうからまずは整理整頓や掃除から始めてはいかがでしょうか」です。

 

散らかった職場を放置していることが、まさに今回の問題の縮図です。清潔で居心地のよい環境をつくらないと職場や仲間を思う気持ちなんて芽生えてきません。

 

誰か一人でもやり続ければいつかきっと手伝ってくれる人が現れます。そこから会話も芽生え、協力し合う心も育まれます。そうアドバイスをして肩をたたいて励ました。

 

★割れた窓を放置すると犯罪が増える

僕は当てずっぽうに整理整頓を持ちだしたわけではありません。治安対策に使われている「割れ窓理論」が頭に浮かんだからです。

 

建物の窓が割れているのを放置すると、「この地域は無関心な人が多い」と思われ、ゴミ捨てや落書きなどの小さな犯罪が多発するようになります。住民のモラルも下がり始め 治安維持に協力する人もいなくなります。

 

やがて殺人などの凶悪な犯罪が多発するようになり手がつけられなくなります。これが犯罪学者G・ケリングとJ・ウィルソンが提唱する「割れ窓理論」と呼ばれるものです。

 

この理論を実践したのがニューヨーク市です。

 

全米有数の犯罪都市から脱却するべく警察官を5000人増員して、市内のパトロールを強化しました。

そこで落書き・未成年者の喫煙・万引き・騒音・交通違反・ホームレスなどを徹底的に取り締まったのです。

 

その結果、5年間で殺人が68%、強盗が54%も減り、安心して歩ける街へと変貌することができました。この成功を契機に日本を含め多くの国や自治体で、「安心安全のまちづくり」に割れ窓理論が使われるようになりました。

 

★掃除から始める組織風土改革

割れ窓理論はビジネスでも応用できます。たとえば小売店や飲食店など接客サービスをする職場では

メンテナンスや清掃が行き届いていないと、従業員も顧客もモラルが下がってしまいます。さらに荒れてくると顧客が来なくなり業績悪化へとつながっていきます。

 

★「蟻の一穴」にならないために

割れ窓理論の少し違った使い方を紹介しておきます。企業変革や組織改革への応用です。

 

たとえば業務の生産性を向上させるために、ITを活用した新しい仕事のやり方を導入したとしましょう。

ところが慣れ親しんだ仕事のやり方を覚えるのは面倒です。習慣化するまではかつてのやり方のほうがかえって速かったりします。そうすると必ずルール違反をして古いやり方を隠れて続けようとする輩が現れます。

 

これを放置していると、「なんだやらなくても許されるのか」と思う人が増え、いつまでたっても新しいやり方が定着しなくなります。

 

上司や推進者はルール違反を厳しくチェックして、一切の例外なしに徹底させなければいけません。いわゆる「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策を取るのです。

 

仕事の成果についても同じことが言えます。

 

たとえば全社を挙げて働き方改革を実施し、部署ごとに総労働時間の削減目標を割りつけたとしましょう。1年間取り組みを続けたところ、ある部署では目標達成率が98%となりました。

 

ほぼ100%に届いているので、これでもよいように思う人がいるかもしれません。しかしながらわずかといえ未達を許していると「完璧でなくてもいいのか」と考える部署が出始めます。

 

いずれズルズルと例外や特例を言い立てる部署が増え、全部足し合わせても全社目標に届かなくなります。安易に割れ窓を放置していると元も子もなくなる恐れがあるのです。

 

ダムにできた小さな蟻(あり)の穴でも、そのままにしているとどんどん大きくなりついには堤防を崩してしまうことがあります。小さい問題の芽を摘むことが、大きな問題への最善の予防策になります。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

Mail: info@aw-consulting-office.com