「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

今日は、「反田恭平に学ぶ音楽と経営の融合といった話をしてみます。

 

昨晩、「反田恭平&ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」のコンサートがサントリーホールで開かれ、心地よい調べを楽しんできました。

 

反田さんは芸術家であり、経営者でもあります。もちろん、ショパンコンクールの2位という世界トップレベルのピアニストです。その詳しい内容は著書「終止符のない人生」に書かれているので、一度読まれることをおススメします。とても参考になる内容が、さまざまな視点から書かれていて、音楽家でここまでビジネスのことや将来を考えている人はいないんじゃないかと思うほどです。

 

書かれていることはビジネスに身を置く者からすれば、理解できるのですが、これが芸術家となると見方は異なるのだろうなぁと思います。もちろん、共感に値する一冊ですので是非、手に取ってみてください。間違いなく、刺激を受けますから。

 

ビジネスの経営者として会社を設立し、活動している彼はショパンコンクールで2位だったことを忘れてはいけません。世界トップレベルのピアニスト(芸術家)であることには間違いありません。何か所か個人的に共感する部分を抜粋してみました。

 

***ここから***

 

JNOは、若手ソリストを育成する音楽学校だ。理想とするのは「オーケストラを擁し、優れたソリストの輩出を支える学校」という。「野球の練習でも、壁打ちばかりなのと、キャッチャーがいてアドバイスしてくれるのとではステップアップの速さがまったく違いますよね。同じように、一人で弾いているよりはオーケストラが伴奏をしてあげれば、歴然とした差が出てくる。

 

ですが、専属のオケをもって親身に授業をやっている学校は世界的にもなかなか存在しません。ソリストを育てるうえでは絶対に必要だという、その思いが僕の原点です」またJNOをウィーンフィルやベルリンフィルなどに比肩しうる、日本を代表するオーケストラに育てたいという思いもある。

 

 

ロシアやポーランドといった留学先でさまざまな海外の学生と接し、日本のクラシック音楽界について感じるのは「お国柄なのか、音楽をやるうえでの覚悟、ハングリー精神が低い」ことだそうだ。確かにある程度豊かな日本では、音楽に携わる人が多い一方、皆が皆、音楽で経済的に自立できているわけではない。

 

 

面白いことにピアノでもバイオリンでも楽器の練習ばかり長時間やっている人は演奏の引き出しが少ない。音楽と関係ないことに平気で時間を費やし多趣味な人ほど演奏の引き出しの多いものだ。古今東西の文学作品を乱読し自ら詩を書く。コンサートホールに足を運んでオーケストラやオペラバレエを生で鑑賞するだけでなく美術館や博物館に出かけて存分に刺激を受ける。そうした体験は全て音楽家にとっての財産になる。

 

 

ハリーポッターシリーズは音楽家にとってのテキストだと言っても過言ではない。ハリーポッターを見ていると魔法使いの腕と指と体の使い方が指揮の参考になる。魔法使いが人を幸せにするポジティブな術を使う時と攻撃的でネガティブな術を使う時は手首や指の動かし方が明確に異なる。

 

金管楽器や木管楽器の音量をちょっとだけミュートしたい時反対に特定のパートの音量を少しだけ上げたい時ミリ単位の所作で指示を出せば魔法使いの仲間入りだ。

 

 

経営者としてのモーツァルトとベートーヴェン

ピアニストでありながら経営者としての顔を持つ日本人は少ないと思う。音楽でご飯を食べていく方法を自分の頭で考え、スタッフの人件費を稼ぎ出し他の音楽家の生活費まで心配する。そんな経営者の仕事にかまけていたら練習時間と自分の持ち時間を奪われてしまう。

 

でも考えてみてほしい。音楽家が演奏のことだけを考え演奏だけに専念できる時代なんて歴史を振り返れば決して長くない。モーツァルトやベートーベンは自分でピアノを弾いて作曲活動をするだけでなくオーケストラの指揮者を務め演奏会を企画してパトロンへの挨拶回りまでやっていた。

 

プレイヤーとして活動しながら自ら先頭に立って資金繰りに奔走し経営を実践していたのだ。どんなに素晴らしいプレイヤーだとしても演奏の素晴らしさを宣伝しファンを呼び込むマーケティングがかけていれば客席は埋まらない。モーツァルトやベートーベンはそこまでこなしていた。音楽が応援してくれる太いキャスト|を作りメセナを募った。

 

 

JNOには、現在僕を含め20人の所属アーティストがいる。彼らを株式会社の社員として雇用し給料を支払う。芸術家を経済的に支援するのは財団法人であることがほとんどだが一般企業と同じように収益を上げ社員に給料を支払って還元しようと考えた。オーケストラを株式会社した例は世界的にも珍しいはずだ。

 

マーケティングの観点

数年前からタクシーの後部座席にタブレット端末が設置されコマーシャルの動画が流れるのが当たり前になった。あのタブレット広告を考えた人は天才だと思う。あそこで動画が流れると僕も気になってついつい見入ってしまう広告宣伝の訴求力は絶大だ。例えば 配信コンサートを開催するとき 曲の合間に テレビコマーシャルのように CM を挟んだっていい。

 

コンサートホールでオペラを見るときステージの周りに機材を設置して字幕を表示するオリンピックや世界陸上テニスのグランドスラムのタイムも示す電光掲示板にオメガとかロレックスといった企業名が入ってるようにオペラの字幕の横にもスポンサーの企業名を入れたらいい

 

そうすれば会場にいる全ての人がその固有名詞を目にする。他の業界ではどんどん挑戦的な試みを導入して新たな利益を生み出している。だが音楽業界全体見渡してみるとタクシー会社が当たり前のようにやっていることすら誰もやっていない。

 

***ここまで***

 

どうですか?ビジネスマインドとその行動力は素晴らしいと思います。そんな彼の価値観にとても共感します。一方、ここまでビジネスの素人ともいえる音楽家が、奮闘しているのに、僕たちもかまけてはいられません。

 

よく、飲食店のおやじさんが「おいしいものを出していればいい」というのもありがちで、うまくいっているところは集客や店構え、店員の教育から掃除までちゃんとやりきっています。

 

勘違いしないでほしいのが、「美味しさは重要じゃない」という意味ではないことです。そこはとても重要で、あらゆるものの中で、それは最上位に来る、一番力を入れないといけないところであることは間違いありません。

 

反田さんのように、自分の商品やプロダクトをとことん磨きつつ、他のことも高い基準で基本的なことを抑える必要がある、ということです。

 

なんだか「大変だなあ」と重い気持ちになることを書いてしまいましたが、逆にいうと、自分の一番コアな部分は超がんばり、他のことは、高い基準で、基本的なことをしっかり抑える、ということが、かなり成功確率が高く、ビジネスにつながります。

 

「これだけをしていればいい」という一見シンプルな考えどおりには、物事は安易にいかない、というのは意識しておいた方がいいと思います。

 

これはスタートアップの事業なんかでも同じだと思っています。よくあるのが「プロダクトを磨くことだけに集中する」みたいな話です。これはかなり広がっている考え方です。

 

というのも、他社との差別化や思い入れがプロダクトに反映されているため、「プロダクト(商品・サービス)が一番大事」という考えが浸透しているからです。

 

僕も、プロダクトが一番大事というのは全く賛成です。しかし、プロダクトだけで一点突破できる、というのは甘い考えだとは思います。

 

プロダクトは、どこの企業も、ほぼみんなが当然がんばっています。逆にいうと、プロダクトを磨き続けるのは、新規事業であれば必須条件です。

 

しかし、それだけで勝てるわけでは当然ありません。集客もやらないといけないですし、顧客サポートもしないといけません。社内の意思決定会議の効率的な進め方もしないといけませんし、人事やバックオフィスも重要です。

 

集客一つとっても、方法はPRもあれば、営業や講演、オフラインイベントや展示会、など何十種類もあり、それぞれに効果のありなしをつけた上で、実行する必要があります。先日支援したスタートアップでは、いろいろな人にヒアリングをしたりして、戦略をつくっていましたが、このあたりも当然に重要です。

 

というわけで、すべての項目に対して、基本的なことをしっかりとやりきる、というのを心掛けることがとても重要です。それでも「プロダクトだけ磨き続けてれば、きっとユーザーがつくし、売上もあがる」という考えに惹かれる、あるいは、きっとそうなると思い込みが強くなることがあります。

 

なぜなら、そちらのほうがはるかに楽だからで、自分を否定したくないからです。しかし、当然、そんな楽な話はないので、いろいろなことをやり続けないといけないのが現実です。

 

これはどの職種の人も注意が必要なのかと思い、今日は少し辛めの内容を書いてみました。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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