「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

こんにちは。

 

能登半島地震で過酷な生活を強いられているみなさん、どうか生きたいと思う気持ちを強く持ってくださいね。まだまだ、成し遂げられていない夢や希望がたくさんあるはずです。そんな思いを大切にしてください。

 

ディする、という言葉は僕の嫌いなワードのひとつですが、「よくそこまで他人を批判すよなぁ、何が楽しいの?」と思ったりします。最近のお笑い芸人の週刊誌ネタに限らず、「炎上」という名の攻撃が、半端ないこともしばしばあります。

 

そのそも、「村八分」「いじめ」「仲間外れ」などといったワードは存在していて、ディすると同じ意味合いで使われていたことを考えると、最近だけの話ではなさそうです。結論から言うと、そこには、行動経済学の「スパイト行動」というものが、影響しているからです。

 

 

「私が損をしているのだからお前も損をすべき!」、「足を引っぱりあう日本人脳」という、中野信子さんの記事ですが、そこには、こう書いてありました。一部抜粋します。

 

自分が損してでも他人をおとしめたい

「日本人は親切だ」「日本人は礼儀正しい」「日本人は真面目だ」「日本人は協調性がある」というお決まりの褒め言葉があります。

 

確かにそのとおりでしょう。でも、日本人として日本に長く暮らしていると、手放しで喜んでよいものなのかどうか、一抹の不安もよぎります。これは一面的な見方であるかもしれない。本当に美しい心からそういう振る舞いがなされているのだろうか。

 

日本社会の中で、生きづらさや息苦しさを感じたり、なぜ合理的な仕組みを築くことができないのかと憤慨したりする人も多いでしょうが、根本的には日本人のこうした逆説的な良い意味での「悪い」性格が原因となっているとも言えます。

 

残念ながら(?)、日本人は他国よりも顕著に「スパイト行動」をしてしまうという結果が報告されたわけですが、このスパイト行動とは、相手の得を許さない、という振る舞いのことです。もっと言えば、「自分が損してでも他人をおとしめたいという、嫌がらせ行動」とでも言えばよいでしょう。

 

世界でもいじわる行動が突出している日本人

大阪大学社会経済研究所の実験をご紹介します。

実験としては、おたがいにお金を出資して公共財(道路)を造ろうというゲームをしてもらいます。プレイヤー同士がおたがいにどんな行動をとるかによって自分の損得が決まるというルールで、心理的な駆け引きが見えてくるようになっています。

 

この実験によれば、日本人は「スパイト行動」、つまり「自分が損してでも他人をおとしめたいという嫌がらせ行動」が顕著であったというのです。日本人は他人が利益を得ようとして自分を出し抜くことを嫌います。いわゆる「フリーライダー」を許さないのです。

 

タダ乗りする奴を許してはならない、なぜなら許せば社会の損失となるからだ――そうした内的な動機づけが行われて、自分が損をしてでも他人の足を引っ張ろうとするのです。そして、この傾向は世界のほかの国の人々には見られなかったというのです。

 

一方で、日本人の社会的振る舞いは、たいへん節度のあるものであり、控えめで美しいと、海外から称賛されることもしばしばです。親切さ、礼儀正しさ、真面目さ、協調性など、われわれ自身も誇らしく思えるものでもあります。しかし、これらは一見、美しく見えますが、本質的なところはどうでしょうか。

 

しかし、上記のゲーム、この結果についても、他国ではこのような傾向が見られませんでした。日本人は他人が得するのを許せない、そして、意地でも他人の足を引っ張りたいと考えている、ということが図らずも証明されてしまったわけです。協力的な姿勢になるのは自分も同じ目に遭うのが怖いからなのだ、ということになるでしょう。

 

協調性という名の蟻地獄

日本人はスパイト行動をする傾向にあるという実験をご紹介しましたが、このスパイト行動は、言い換えれば、協調性という名の蟻地獄、とでも言えるものです。

 

他人が得するのを許せない、という精神が、どちらも得をするというwin-winな考え方の邪魔をしているのです。また興味深いのは、「私が損をしているのだからお前も損をすべきだ」という考え方が生じることです。いわば、win-winよりもlose-loseを指向する構造を持っているということになります。足を引っ張りあい、誰の得も許さない。ひとりだけ抜け駆けしようとするやつは寄ってたかって袋叩きにしてやれということにもなります。つまり、この蟻地獄から抜け出そうとするのには、かなりの困難が伴うということです。

 

日本ではイノベーションがなぜ起きないのか、といった議論がひところ、盛り上がったことがありました。ここまで説明してきたような土壌のある土地では、相当工夫しなければ、目立って旗を振る人は全員がこの空気の犠牲になってしまうでしょう。足を引っ張られてしまうことから彼らを守らなければ、イノベーションなど起こりようがないのです。

 

政治家や芸能人のゴシップ記事で、炎上しやすいのが日本特有である理由の一端も、これで説明することができるかもしれません。芸能人も一度不倫騒動があれば人生が終わるようなレベルの転落をしてしまいます。やはり日本人には有名人を叩くのが好きなスパイト精神があるのでしょう。有名税という言葉は日本特有かもしれません。自分よりもおいしい思いをしている有名人は「けしからん!」と考えるのです。

 

日本にいまだによくある根性論や美徳を振りかざして他者を追い詰める行為も、スパイト行動の一種と言えます。モラハラ、パワハラとも言われますね。成長にまったく寄与しないにもかかわらず、お前のためだ、などと言って理不尽な倫理観でねじ伏せようとする行動です。児童虐待の中にもこうした側面を持つものがあり、痛ましい報道に触れるたびに、胸が苦しくなるように感じます。

 

「自分たちはこんな苦労をしてきたのだからお前も苦労すべきだ」論を押しつける振る舞いもよく見られるように思います。今の若い人がおいしい思いをしているのを見るだけで、許せなくて足を引っ張ろうとする。これも、スパイト行動の典型的な例です。(ここまで)

 

ということで今日は、「協調性の裏側にあるものを知っておく」といった話をしてみます。

 

この記事でとりあげていた「フリーライダー」は会社でもよくそういう仲間がいて、面と向かって指摘はしませんが、「あいつサボっているな」と思うことがあります。

 

たとえば、打合せの場なんかです。アイデアを出し目的のブレーンストーミング(ブレスト)の場です。

 

5・6人のグループで20分間ブレストすれば 平均20~30個のアイデアを生み出すことができます。で

もこれって少なくありませんか。1人当たりでいえば 4・5個しかアイデアを出していない(5分に1

個の)計算になります。もっとたくさん出せると思いますよね。

 

みんなでやれば、「グループの相乗効果でたくさんのアイデアが出る」それがブレストの基本原理です。ところが、実際には誰かが長々と話をしてしまい、みんなが発言する機会を奪ったのではないか、というものです。 メンバーによっては 「こんなことを言ったら笑われるかな」「これは前に出たアイデアと大差ないので発言しないでおこう」といった遠慮(自己規制)も働きます 思いついたアイデアをすべて出さす 握りつぶしてしまったものがかなりあるはずです

 

とまぁ、ここまでは、前向きな話ですが、全員でおみこしを担ぐはずが、おみこしにぶら下がって何もしてない「フリーライダー」(ただ乗り)が出てくるのもよくあります。みんなが頑張って発言して、自分がしなくてなんとかなる、と思ってしまうと、力を緩めてしまいます。

 

そして、ブレストに限らず、どんな集団作業でも手抜きが発生する余地があることが分かります。言い換えるとビジネスとは手抜きとの闘いのようなもので、実はマネジメントの要諦だともいえます

 

この解決策としては、全体への貢献度を「見える化」する、のがいいかと思います。

 

仕事の話で言えば 大きな組織で一つのことを進めるのではなく 細かく小グループをつくって課題を割り振るようにします。発言が湿りがちな会議にしても、3人くらいでやるとまったく意見を出さない人が出なくなります。

 

一人ひとりのノルマを割り振ったり、それぞれに違う役割を任せたりすれば、さらに効果が上がります。そうやって少数精鋭にすることが、手抜き防止の有効な手立てです。

 

要は 団体戦の中に個人戦の要素を盛り込めば、手抜きを最小限に抑えることができます。2つの要素をうまく調和させることが、チームの力を最大限に引きだすのに役立ちます。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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