「会社と人をキラリと光る存在に変える」

未来価値創造パートナー 渡邉敦です

 

「“まだ見ぬ未来に向けた価値創造” が
普遍に変わる喜びを50万人に伝える」

ミッションを掲げ

「自己実現した人にしか見えない風景の

創出に関わる」 

ビジョンを実現します

 

 

こんにちは。

 

能登半島地震で過酷な生活を強いられているみなさん、どうか生きたいと思う気持ちを強く持ってくださいね。まだまだ、成し遂げられていない夢や希望がたくさんあるはずです。そんな思いを大切にしてください。

 

さて、今日は「人の心に火付ける術」といった話をしてみます。

 

今日2月2日は、神奈川県の中学入試の本番です。寒い一日となりましたが、受験生には、熱い一日だったかもしれません。思い返せば、僕の息子も16年前、この日があったわけですが、親としては長かった一日だったことを思い出します。

 

息子が6年間通った学校は、“Men for others, with others”(他者のために、他者とともに)の教育理念の下で、人格教育に重きを置いた学校でした。卒業生には、古川聡 (宇宙飛行士)さん、隈研吾(建築家)さん、養老孟司(学者)さんなどがいらっしゃいます。

 

そう思うと、人格形成というのは、いつの時代も一番大切な教育のような気がします。特に多感な高校時代には、その指導にあたる先生も人格者でなければいけません。

 

今日の日経夕刊に、「人の心に火付ける名人」と題して、高校野球の監督が何人か紹介されていました。なかでも山梨学院監督の吉田洸二さんの記事を読んで、そうだよなぁ、と共感しました。

 

息子の健人(山梨学院野球部長)は父を「野球の技術指導よりも、人の心に火を付けるのがうまい」といいます。

 

吉田監督が、常に意識してきたのは、教え子の態度は指導者の心の内を映しているという「鏡の法則」です。「選手がだらけている時は、自分の心の中に気の緩みがある証し」。だから、頭ごなしに叱る前に自らを省みる。この姿勢で人心を掌握してきた、と。

 

なかなかこんなふうに自分を客観視することはできません。生徒はある意味素直なのだと思います。がゆえに、生徒を叱る前に、自分がどう見られているかを考えているのでしょう。「人の心に火をつける」のは意識して火をつけているわけではないことがわかります。

 

相手に好かれて損はない

この記事を読んで鵜飼を思い出しました。僕の故郷岐阜では鵜飼いが有名です。岐阜城を拠点にした織田信長が武田信玄の使いを接待したとされるのが「鵜飼いの船遊び」です。

 

屋形船で芸妓らが舞う風折烏帽は、鵜飼いの情景を描き、独特の遊宴文化を象徴する座敷唄です。

 

「幇間(ほうかん)」は芸舞妓らとともに、お座敷遊びとして客層を広げる貴重な存在です。宴席で客の機嫌をとり場を盛り上げるのが「幇間」です。

 

別名「太鼓持ち」と呼ばれ、300年近い歴史を持つ職業です。「幇間」はお客さんの話に、身ぶり手ぶりを合わせ、やや大げさにリアクションします。

 

相手に好かれるには、「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」とアピールするそうです。相手の承認欲求を満たし、好感度を高めるのが幇間ワザと言われています。

 

巧みな話術や滑稽な踊りで、相手の心をつかむ交渉術は、ビジネスでも通じるものがあります。幇間の仕事は、お客様を「よいしょ」つまりほめることです。

 

ほめられて嫌な気はしませんが、ただほめるだけでは、おべっかを使うことと変わりません。「上手なよいしょ」というのは、相手に敬意を払うことであって、こびへつらうことではありません。

 

そして幇間に問われるのは、「ほめる材料を見つける観察力」なんです。「緊張気味の若手」や「場慣れしていない客」が和むと部屋全体が盛り上がるそうです。

 

冒頭の話で「人の心に火付ける」とありましたが、吉田監督が幇間のように見えたのは僕だけでしょうか。おそらく、なんか重なるようなぁ・・・と感じたのではないでしょうか?

 

さて、こう考えてみると、会社では、社員への感謝の気持ちは、「会議や他の社員がいる公開の場」で述べると効果的なんじゃないかと。

 

管理職の多くは、ほめることで部下の士気があがる、と分かってはいますが、実はうまくできていません。「ほめてあげる」と上から目線になってしまうからです。

 

相手の心に刺さるほめ言葉が必要です。まさに人の心に火をつける、です。

ほめ上手な上司の周りには人が集まり、一体感が生まれ、組織のパフォーマンスも高まります

 

アメリカ人などと比べると、日本人は基本的に「ほめ下手」だと、言われています。アメリカは子供のころから、とにかくほめて育てる文化です。ですから、「子供をほめる100の言葉」といったリストが山ほどあうそうです(例えば Super Fantastic Great Excellent Wonderfulなど50種類以上の言い方)。

 

これはキリスト教に「神をたたえる、賛美する」という習慣があり、お祈りや讃美歌などでも、ほめまくりことが、習慣になっているからです。

 

「あなたは偉大」「あなたを崇めます」「あなたこそ真の王」など延々と続く礼賛の言葉の応酬です。そうした文化においては、人を称賛することへの抵抗感は、あまりないのでしょうね。

 

日常生活でも、お互いをひたすらほめ合っています。それがお世辞だと分かっていても、聞くほうは何となく気分がよくなるし、会話もはずむわけですね。

 

では職場はどうかというと、まったく同じです。

 

絶えず、社員同士がほめあい、認め合っています。常に細かく声を掛け合い、お互いの存在価値を認め合います。

 

アメリカで「ほめ言葉」は、コミュニケーションでの「最高の潤滑油」と言われたりしています。マッキンゼーの調査によるとたとえ報酬を上げなくても、「上司からの称賛」「幹部からの評価」「プロジェクトリーダーを任せる」という3つの方法でコストをかけずに、社員のやる気を刺激できるとしています。

 

日本人の話にもどります。

 

これに対して日本では「ほめ言葉」は、潤滑油というポジティブな理解ではなく、「お世辞」「社交辞令」「おべっか」「二枚舌」などとネガティブな言葉で、評価されがちです(今は昔ほどではありませんが)。

 

ほめること自体を表面的で、「うわべだけの行為」といったとらえ方をする方多いようです(特に年配者)。

 

口がうまい奴は信頼できない、きっと何か裏があるに違いない、と慎重に相手を分析するのが、昭和時代の男性の世渡り術、と見られていました

 

「日本は褒めない文化だから仕方ない」「欧米流のほめ育てで軟弱な若者を生む」などとわからないくらい妙な理屈が、まかり通っていました。

 

男性は女性に比べて、「ほめるのは下手」なくせに、実は人一倍、「ほめられたい」生き物なんじゃないかと思います。

 

 

男はプライドの生き物だったりします。そのプライドをくすぐるのも単純で、「すごい」「ありがとう」「こんなの初めて」の3語の使いまわしで、男性のモチベーションはあがるとも言われています(諸説ありますが)。

 

自分がそれだけほめられたいのに、他人をほめることには抵抗があるのが男性です。

 

一方、女性は自分がほめられたいから、相手もほめるそうです。女性はお互いをひたすらたたえ合い、ほめ力が鍛えられています。

 

男女の心理を理解しつつ、人は働きを認められ、ほめられることで生産性は向上し、勤労意欲や忠誠心は増し、会社への帰属意識が高まると前向きに考えてみましょう。

 

ほめられることによって、自分の価値を再認識し、自分が必要とされていると感じることができる、こんな最も強力な動機付けツールの活用をみなさんは忘れているようでしたら、ぜひ、活用してみましょう!

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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