無伴奏チェロ組曲のサックス版
今日もバッハを。
清水靖晃
テナー・サキソフォンによるバッハ:無伴奏チェロ組曲全曲(2CD)
私は、バッハの器楽曲が好きで、特に無伴奏ヴァイオリンの作品と、無伴奏チェロの作品、チェンバロ曲が好きです。
オリジナル?の楽器で演奏する形態も良し、現代の楽器による演奏も良し、はたまた他の楽器に置き換えての演奏も良し。
ヴァイオリンの曲やチェロの曲をチェンバロやギターなどで弾くのはよくあるが、管楽器でやるのは大変。
ヴァイオリンの曲とくらべるとチェロの方が、まだ管楽器でも取り組きやすいのか、私が知っているだけでもこのCDのようにサックスで演奏するもの、リコーダーによるもの、ホルンによるものがあります。
管楽器だと重音が出せないので、旋律線の一筆書きのような演奏になります。
さて、このサックス版はテナーサックスによる演奏。組曲第1番の1曲目は、かつて車のCMで使われたこともあしますが、耳に心地よいものです。
この録音は意図的に残響過多の場所で残響を多めに録音されているが、重音ができないことの不満を和らげています。チェロと比べると音域が上下に足りなく、特に低音域はやや物足りなさを感じる部分もありますが、概ねよく出来ています。擦弦楽器ならではの、音が出る瞬間の独特の雰囲気は違うが、こちらはこちらで、独特のタメがあり、この味わいも面白いと思います。