魔弾の射手 | yamaotokoのひとりごと

魔弾の射手

 私自身は、熱心なオペラ愛好家ではないが、人生最初にオペラですごいと思ったのが「魔弾の射手」。

 小学校5,6年の頃だったと思うが、テレビで何となく見ていて気がついたら引き込まれていた。誰の演奏であったかは定かではないが、たぶんクライバーのドレスデンかバイエルンとの公演をNHKの教育テレビで流していたのを見たのだと思う。あのころは筋などは全く知らず、ただ音楽と舞台の流れを、字幕を頼りに見ていたのだと思う。その時に見たことを今でも覚えているのがマックスが山の中で魔弾を手に入れるシーンと狩人の合唱から終わりまでのところ。昔はNHKの教育でよく来日演奏家のコンサートの収録を土曜の午後などに流していた気がするのですが。

 それから、音楽だけは断片的に耳にしていたが、高校時代に序曲の旋律がキリスト教の賛美歌で使われているのを聴き、また懐かしく思い、初めてLPのハイライト盤(子クライバー、ドレスデン)を入手。

 その後、大学時代にLPからCDに世の主流がうつり、この頃にCDでカイルベルトの全曲盤を入手し、大学時代はこれをスコアを見ながらよく聴いていた。その後、クライバーの全曲盤やヨッフム、クーベリック、マタチッチの演奏なども入手し、度々聴いてきた。

 ウェーバーの作品は、この曲の他は歌劇の「オベロン」、cl協奏曲やclの室内楽曲とピアノ曲をいくつかぐらいしか知らないが、19世紀末から20世紀にかけてのブルックナーやマーラー、ツェムリンスキー、フランツ・シュミットなどの巨大な管弦楽曲を聴いていると、その響きの中に魔弾の射手でなじんだホルン重奏の響き(コラール)をふと感じ取ってしまうのは、子供の頃のすり込みだろうか。

 というわけで、今日は魔弾を斜め聴き?しています。ぐいぐい進めていくクライバーの華麗な演奏やクーベリックの流麗な演奏もいいけど、私にはカイルベルトやヨッフムの素朴な演奏の方がしっくり来ます。