秘境駅

先日の旅行で、秘境駅に行ってきました。

ここ数年、一部で盛り上がっております、秘境駅。

秘境駅の定義はいろいろあるようですが、ざっくり言うと、

人家もない場所にひっそりと佇み、交通の手段としての本来の機能を放棄した、

実に侘び寂びの利いた駅、という感じでしょうか。

こういうものに激しく惹かれてしまう私は、

当然、ドライバーの特権で、今回の行程に無理矢理突っ込むことにした。

「最後はやっぱり駅で締めくくるのがよいでしょう」とのナイスな提案に当初、

何故か無反応だったメンバーからも、

一見意味のない、この秘境駅が旅の中でいかに大事なポジションにあるか、

また、ここからたった５０キロの道のりで、そんな駅に出会える君達はいかに

ラッキーであるか、

を切々と説いたところ、ようやく全員一致で、ため息交じりの賛同を得ることが

出来たのである。

この時点で時刻は午後６時。

既に日は半ば落ちていたが、ぜひ太陽が出ているうちに見ておきたい。

そう思って、人気のない山道をかなりのスピードで飛ばす。

海外に行ってしまう恋人を引き止めるために空港に向かう感じで。

待ってろよ、マイハニー。

到着は、ほぼナビの予想通りの７時過ぎ。

モニターが図示する目的地に通じる最後の道が、かなりほっそい、

頼りない感じになっていたので、

もしやこれはそうとうな悪路かもしれないということで、

大事をとり、最後の山道に入る手前の比較的大きな道の路肩に車を停め、

残りの数百メートルを徒歩で向かう。

程なくして灯りが見えてきた・・・。

やばい、あれはもしかして・・・

ていうか、周りには何もないはずだから、間違いない。

マイ・ハニーだ・・・。

やっと会えたぜ・・・。

待たせてごめんな。

え？遅い？あ、ごめんごめん、道がちょっと込んでてさ・・・

ていうか、道が暗すぎてさ・・

さあ、みんな、あらためて紹介するぜ。

こちら、野岩鉄道、男鹿高原駅。

栃木と福島の間にあり、関東近辺では抜群の秘境度を誇る、

マニア垂涎の駅。

夕暮れのホーム。もう暗すぎてなんだかわかんない。

駅周辺には、鳥肌が立つくらいに本当に何もないのである。

俗世と隔絶の感あり。

そう、ロケーション的にはまさにお寺。

頭を丸めて、もう一度出直したい感じだ。

ああ、なんともいえない、この虚無感・・・・たまらない。

これが禅の精神なんだろうか。

もしも外人に「日本の中で一箇所だけ案内してくれ」と頼まれたら、

浅草でも京都でもなく、真っ先にここへ連れてきたい。

そして、意味もなく２、３日住まわせたい。

と、そんな、妄想から覚めると、

既に日は落ちていて、どこからか野犬の遠吠えが聞こえてきた。

マイナスイオンについて考える。（那須塩原旅行２日目）

すっかり更新が遅れてしまった。

前回の那須塩原旅行の続き、２日目の記録です。

１日目の記録から、１週間以上経ってしまいました。

どんだけ寝かせてるんだよと、

漬物屋からのツッコミを無視して、

おぼろげな記憶を引っ張り出してみます。

２日目は、チェックアウトを済ませた後、

キャンプ場脇の自然歩道から、散策をスタート。

森の中を歩く。

この日は、東京は今年初の猛暑日ということだったが・・

まさにここは別天地。

森の外とは、体感温度が５度くらい違うのである。

なんというか、

このマイナスイオン感をお伝えしたい。

マイナスイオンのサーモブラフィーみたいなものがあったら、

きっと全面真っ赤だったと思います。

東京ガスで

エネファームってCMがやってますが、

ちょうどそんなイメージです。

こんなイメージ。

僕らも時には立ち止まって、

川の音とか鳥の声なんかに耳をすませながら、

地球環境がどうだとか、

人間はどうあるべきだとか、

妻夫木聡は年を取ってもカッコイイんだろうな

とか、

細野晴臣はよく見ると、

樹木希林に似ているな

スターウォーズの

ヨーダにも似ているな、

とか、

塩原の森は、

そんな自由な発想を無限に広げてくれる、

マイナスイオンでまくりの

森でした。

森で見つけた、サイケデリックきのこ。

ししゃもとコーヒー （那須塩原旅行１日目）

先週末の三連休、友人夫婦計６人で旅行に行ってきました。

行き先は塩原にあるキャンプ場。

オートキャンプのサイトやコテージが並び、

場内には大量の温泉が湧出するお風呂も完備されていて、

食材やキッチン用品なども充実。

なんだか、この施設の回し者みたいなのですが、

普段集まると、酒を飲みながらくだらない駄洒落の腕を競いあったり、

頭を小突きながらジェンガやＵＮＯに興じるなど、かなりのインドア派として知らている

ところの我々でさえ、今回は手軽に、お気楽にアウトドアを楽しむことができる場所

でした。

お泊まりはコテージを選択。

森の中にあるすばらしいロケーション。

２週間ほど前から、幹事である僕は、お天気祈願に自分ちのベランダに

首つり死体みたいな等身大のてるてる坊主を飾っていた、

か、どうかは皆さんの想像にお任せするとして、とにかく当日は天気にも

恵まれました。

到着後、まずは源泉かけ流しの温泉で汗を流してから、バーベキューの

準備を開始。

程なくして、酒宴がスタート。

野菜→魚介→肉の順で、また、食べ物に合わせてビール→白ワイン→赤ワイン・・

と、大いに食べ、そして飲みつづけて、締めのソーメンチャンプルまで怒濤の勢い。

（夢中に飲んで喰らったのに忙しくて、写真が一切ないのが残念）

ひと通りお腹が満たされた僕らは、開始当初から気になっていた、

お隣のコテージの学生サークル風男女グループの爽やかな盛り上がりに負けじと、

いつもの如く、くだらない駄洒落を被せていったのでした。

こんなことを今あらためて書いても面白くもないのですが、とりあえず結果報告。

不意に出たお題は、「パッキン」（蛇口とかに使われるあの部材）。

パッキンガム宮殿（ゴム製の宮殿）や、パッキンマッキン（ゴム製の漫才師）など、

いくつか秀逸な作品が出そろったところで、終了時間ぎりぎりに飛び出した、

南総里見パッキン伝〈ゴム製の物語〉が、堂々の優勝となりました。

＊優勝者には、ビール、グラス１杯分が送られる。

そんな息も着かせぬ戦いを終えた後の満足感からか、この後ひどい酩酊状態

の中、いつの間にか眠りに落ちてました。

・・・気づけば、なにやら、うまそうなおいにいが。

・・・朝食？・・・まさかもう朝？

まさかのサンデーモーニング。

夜通し飲む予定が、夜通し寝てしまった。

普通に規則正しい生活。

普通に健康的なアウトドアライフ。

やってしまった。

軽い二日酔いの覚めない頭で、意味もなく、

「そういえば関口宏はまだ元気でやっているだろうか」とか思いながら、

よたよたと準備の整った食卓へ。

無駄にカラフルな食卓。

バーベキューの翌朝は、昨晩の残飯処理も兼ねるため、食卓がなんだか華やか。

というか、節操がないです。

中でも、一番節操がなかったのが、濃いめのコーヒーで頂くししゃも。

このゴールデンペアで目が覚めました。

お口の中につんと広がる、単なる焦げた豆と焦げた魚の、いやなハーモニー。

お互いの欠点を引き出させる負の相乗効果。

ああ、やっぱり余ったシャケの切り身と一緒に、海に帰すべきだった・・・と、

そんなことをひとりごちて、２日目に突入していくのでした。

バーベキュー会場の画。

（ほんとは食べてる時のにぎやかな写真を撮りたかった。）