10/13 藝大フィルハーモニア定期演奏会 | 女性ヴァイオリニスト佐原敦子公式ブログ

10/13 藝大フィルハーモニア定期演奏会

サハラです、こんにちは!

清々しい秋晴れですねニコ



コンサートのお知らせです!

またも直前になってしまいました。あせる

明日(13日)、藝大フィルの定期演奏会です。



藝大フィルハーモニア管弦楽団 

定期演奏会(藝大定期第418回)

「二十二人を偲び、祈る」



▊曲目

モーリス・ラヴェル:組曲《クープランの墓》
Maurice Ravel(1875-1937): Suite  “ le tombeau de Couperin ”


アンドレ・ジョリヴェ:ファゴット協奏曲
André Jolivet(1905-1974): Concerto pour Basson et Orchestre à cordes,Harpe et Piano 




エドワード・エルガー:創作主題による変奏曲「エニグマ(謎)」
Edward Elgar(1857-1934): Variations on an original theme ‘ Enigma ’


▊演奏

指揮:山下一史 
ConductorKazufumi Yamashita


ファゴット:岡本正之
BassoonMasayuki Okamoto



詳細はこちらをご覧くださいませ。



「二十二人を偲び、祈る」

 藝大フィルハーモニア管弦楽団のこの定期演奏会には、謎めいたコピー が冠されている。演奏会の曲目にはエルガーの《エニグマ(謎)》変奏曲 が含まれているが、演奏会自体がまるで謎かけのようだ。

 「22人」とは誰か。その手掛かりは、まずラヴェルとエルガーの作品に ある。この2曲は、「誰か」に捧げられた曲ということで共通している。ラ ヴェルの《クープランの墓》(1914~17/19編曲)は、第一次世界大戦 で戦死した友人たち7人に各曲が捧げられた6曲のピアノ組曲で、演奏され るのはそのうち4曲(2人に捧げられた《リゴードン》を含む)を抜粋し作 曲者自身が編曲した管弦楽組曲だ。エルガーの創作主題による変奏曲《エ ニグマ》はエルガー自身と妻アリスを含む14人の肖像である。以上、「捧 げられた」人々の総数は5人+14人=19人。これに作曲家3人を加えると22 人だが、エルガーは《エニグマ》の中で自画像を描かれているから除外す ると、21人。残り一名は誰か。ラヴェルが、バロック期の鍵盤組曲をモデ ルとした組曲の象徴として選んだ18世紀の作曲家フランソワ・クープラン か?   いや、むしろジョリヴェのバソン(ファゴット)と室内管弦楽のための 協奏曲(1954~55)に、手掛かりが隠されていそうだ。メシアンと共に戦 後フランス音楽界を牽引したジョリヴェの協奏曲は、緩急緩急の構成から なり、バロック時代の「教会ソナタ」を想起させる(一方でジャズの影響 もあるが)。この点でラヴェルの組曲、エルガーの変奏曲と、いずれも古 典的な形式をとることで共通している。そして、もしかしたら超絶技巧が 求められるファゴット(オリジナルはフランス式ファゴットのバソン)の 独奏者こそが作曲者の想いを捧げられた「残りの1名」である、という解 釈ができるかもしれない。

 この点は、はっきりと明かされていない。だが演奏会に「偲び、祈る」 というコピーが冠されているのは、演奏会に先達への何らかの敬意の想い が託されているためなのだろう。そして演奏会を訪れる私たちは、それぞ れにとっての「大切な人々」への想いを新たにする...。  以上はあくまで、私の解釈。皆さまそれぞれの形で、山下一史率いる藝 大フィルハーモニア管弦楽団の輝かしいオーケストラ・サウンドの向こう に隠された、「謎」を聴きに行こうではありませんか。

矢澤孝樹(音楽評論)


チラシ裏面より



エルガーのエニグマ、大好きな曲ですキラキラ音譜


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