学校が終わってから一週間後、ネット上で成績表が見られるようになりました。授賞式も授業も終わっているので、今までよりは興味が既に薄れている子ども達でしたがそれでも成績表には相変わらず先生たちのコメントが豊富で、来学期学校に戻ることのない私たちにとってそれらは先生たちからの最後のメッセージ。子ども達はまじまじと読み込んでいました。子ども達の大好きだった先生の1人からの「カナダに来てくれて、ありがとう」の言葉を見たときは、母もジワリと込み上げるものがありました。
中2の息子と小6の娘の二人の成績表に共通して言えることは、英語力に比例して理科、社会、技家、体育、音楽などの成績も全体的に向上していました。前者2つの様な科目は、教科書や配布されたプリントを早いうちに一気に全て辞書を引いて覚えてしまえば同じ題材を扱っている間は繰り返し同じ単語が使われるので内容の把握ができます。後者3つの様な実技科目は、授業中の指示や課題が理解できることで授業態度、提出物の遅延や内容についての減点が減ったことが大きいのではないかと思います。
逆に成績表の中で一番伸びなかった科目が「英語」でした。留学生対象の「第二言語としての英語の授業」ではなく、ネイティブスピーカーである生徒が受講する、つまり日本でいう所の「国語」の授業としての「英語」の授業ともなると、レベルは本当に高かったです。理由としては、歴然とした語彙力の差があると思います。娘が編入した小6クラスでは語彙力強化の専門のテキスト(Wordly Wise 3000: Book 6)を使用して勉強していましたが、新学期の時点で娘のレベルを見た先生がテキストのレベルを3つ下げて Wordly Wise 3000: Book 3からスタート。約6か月経つ頃にやっと他のクラスメイトと同じレベルのテキストに追いつきましたが、それでもまだまだ知らない単語に出くわすと授業内容についていくことも、会話についていくこともアッと言う間にできなくなります。
中2の息子に関しては、もはやそのような語彙のテキストを授業中使うこともなく、今まで習得してきた語彙力を応用してのスピーチやライティングが中心。特に学校が終わるころによく課題となったライティングでは、これらの差が如実に表れました。他のクラスメイトのライティングを見る機会がありましたが、我が子たちの提出物は格段に「稚拙」。今思えば、こちらに来る前に同様のテキストを勉強してくれば大変有効だったと思います。今からでも、帰国後同様のテキストを入手して英語の基礎力の再構築は続けていかせたいと思っています。
★英語のこと
<スピーキング>
つくづく経験と場数がものをいうと感じています。今の子ども達は友達との普段の雑談はなんの不自由もこなします。いつも顔を合わせる友達であればなおさらです。飲食店の注文や買い物での会話も問題ありません。が、場所が変わったり話者が変われば、分からない単語が出てきたり、聞き取れないアクセントが出てきて「英語は話せません」に早戻り。これからも色々な経験の積み重ねで使える英語、話せる状況を地道に広げていきながら学習していくことが大切なのかなと思います。
発音についても落とし穴が。先日息子が友人に発音を注意されたそうです。その時は、tとdの音の息が足りない、もっと強く息を吐きながら発音すべきというアドバイスだったらしいです。今までその友人とは難なく会話していたため、息子としては突如指摘があって驚いた様子ですが、周囲の人たちが子ども達の発音の癖に慣れて予想して理解してくれるため通じている、通じているから子ども達もこれでよいと勘違いしがちです。ネットで日本語話者に多い英語発音の間違いを取り上げるサイトなどもあり、録音された音源もあるので、このような媒体を利用してシャドウィングしながら復習させています。
★最後、娘のバレエの発表会
今迄3回の競技会を経験し、最後の舞台はバレエスクールの発表会。大きな会場を三日間貸し切り、その前二日間は衣装合わせ。海外で舞台にたつ、私でさえ経験したことない貴重な経験で娘はどんなことを感じたのか、娘に聞いてみました。
―カナダでバレエを経験して良かったことは?
大きく踊れるようになった。競技会や発表会など舞台で踊る機会が多いので、今でも緊張はするけれど以前よりも慣れてきた。失敗したこともあったけど、すぐに気持ちを切り替えて踊りに集中できるようになった。
―競技会や発表会の感想は?
カナダの発表会は、ルールや約束事に厳しすぎない。メイクや髪の毛などを自分でしなければいけないので、大変だったけど自分でやれることが増えた。
―今後のバレエに影響すると思う事は?
日本に帰ってもバレエを続けたい。カナダのバレエスクールには、クラシックバレエのみでなくモダンバレエ、コンテンポラリー、ジャズダンス、ヒップホップなどもたくさんの種類のクラスがあって、それらを初めてみる機会がたくさんあった。私はクラシックバレエをこれからも続けるけれど、違うダンスも見ることで顔の表情、体の表現力とか他のダンスからも学べたことをこれからのバレエに活かせると思う。
お疲れさま、娘!