渡航から10か月が経ちました。10か月目にあたる6月の最初の2週間、忙しすぎて母ほぼ記憶がありません!先生方も未消化の勉強を急ぎ足でこなしている様子、数日おきに何かしらの学校行事があり、我が家はそれに娘のバレエの発表会が計5日間。平均して一日に2~3個の予定が重なり、息子と娘のそれぞれの送迎がダブルブッキングしていないかどうか確認しながら、時計とにらめっこの日々。今振り返ってもなんだかその頃の記憶がぼーっとしています。

そしてとうとう学校が終わりました。まず成績等優秀者の授賞式が行われ、その一週間後に学校の最終日、そのまた一週間後にインターネットで成績表が発表されました。学校が大好きだった我が子たちは、せわしない生活を送りながらも頭の片隅でずっと学校の終わりが近づいてくるという一抹の寂しさを抱えながら過ごしていました。実際に終わりを迎えた今、予想通りの喪失感はありながらも予想以上の成果を得た驚きと達成感、無事10か月の学校生活を終えた安堵感、友達との縁を実感できた嬉しさ、夏休みに入ってからも変わらず学校の元クラスメイトと会ったりチャットで話す楽しさを感じています。本当に本当に色々な感情が入り混じった10か月目でした。

 

 

 

★最後の、授賞式兼音楽演奏会

学校が終わる1週間前の金曜日、成績優秀者の授賞式がありました。表彰されるのは履修している科目についた成績の総合平均点によって、「校長賞」、「最優秀成績者」、「優秀成績者」の生徒たち。他に、美術・音楽・体育の分野で秀でた成績を収めた生徒、その年の最優秀生徒男女一人ずつなど、たくさんの賞状やトロフィーが壇上に並び、名前を呼ばれたら壇上に登り先生と握手を交わしながらそれらを受けとります。たくさんの授与、拍手、歓声が続く晴れやかな式でした。我が子ども達は、一度はさすがに無理かなと思いながらも彼らが取りたいと望んだ賞と、それ以上のものも得ることができました。周囲の人たちに本当にたくさん支えられ助けられたことに感謝。そして、子ども達も決して諦めず本当に偉かったです。知らない土地で知らない人に囲まれ、知らない言語。時にきっと先が見えず、無意味に思え、不安になり、やりたくない時も、それが苛立ちに変わったこともありました。だからこそやり切った清々しい表情で壇上に登り、賞状と盾を手に友達と写真に納まる彼らの笑顔を見られたことは母としても本当に嬉しいです。

 

 

★最後の音楽演奏会

 成績優秀者の授賞式の日は、最後の保護者向け音楽演奏会を兼ねていました。年間を通して定期的に聞いていた子ども達の音楽もこれで最後。娘はピアのも数か月でやめてしまったほど音楽経験はなく、こちらにきて楽器を1つ選ばなければならないと知って急いで先生に助言を貰いながらフルートを選択。他の子は既に昨年一年間練習してきているのでどうなることかと思いましたが、急いでネットで初心者向け音階と指使いを視聴して練習し分からないところは音楽の先生に教えてもらい。息子はただでも勉強が忙しい中、音楽は息抜きになるようで本当にたくさんの時間を音楽に費やしてきました。

留学中スポーツや音楽など勉強以外の活動を続けてきて、友達の輪が広がる利点があると思います。娘、息子共に同年齢だけでなく、年齢が下や上の友達ができて教室以外の廊下で出会った時も声をかけてくれたり、クラス単位でなく行動するときの居場所になっていました。夏休みに入ってもよく連絡をとって話したり会っているほど。参加させてきて良かったです。

レンタルしていた楽器をとうとう返却する日。もはや「相棒」だった楽器たち。二人の落ちた方が切ないこと!

 

 

★最後の、学校の日

授賞式から一週間後、とうとう学校が終わりました。私たちの留学にとって学校は全てと言っても過言ではないほど大きな大きな存在でした。家族3人で日本語を話しながら娯楽に出かけるよりは、勉強して友達と話せるように、授業について行けるようにと学校の勉強を軸に考えてきました。色々と遊びに行ってみたいところはあっても、留「学」だと割り切って学校中心だった私たちの生活。大変なこと、辛いこと、面倒なこともありましたが、最近はすっかり友達や先生と過ごす平日の方が子ども達は楽しく、週末になると「学校行きたい」が口癖になっていました。学校の最終日=夏休みに向け周囲はワクワクし始めても、我が家だけは下降モード。前日くらいには私が一番寂しくなってしまい、心もぽっかり穴が開いてしまったような状態。迎えた最終日当日の下校時、子ども達を迎えに行くとクラスの友達に囲まれて、ハグされ、電話番号等やEメールの交換で忙しく、それを遠くから担任教師に見守られながらはにかむ子どもの姿がありました。こんな形で「ゴール」を迎えられたことが本当に嬉しく、ありがたく、幸せで、私まで子ども達と一緒に晴れ晴れしい気持ちで一杯に。英語力の低さ、控えめな性格、異文化の環境、もしくはそれらの総合からか、学校で子ども達が友達を作ることは思っていたほど容易なことではありませんでした。海外に来て学校に行けば自然に英語も話せるようになり、自然に友達もできる、そこまで単純ではありませんでした。同じクラスになればすぐにクラスメイトにはなれても、それ以上親しくなるにはまた違った努力と勇気が子ども達には必要でした。これからも続いていくかもしれない縁、続けたいと思える縁を得たことが子ども達が学校から得た一番のものだったと思います。

 

 

先生方にも勿論最後のご挨拶。年度末ギフトなる風習があるらしく、メッセージカードとギフトを送る生徒もいると聞いたので子ども達に聞くと勿論あげたいとのこと。子ども達が自ら選んだギフトと自ら書いたメッセージカードをもって挨拶に行くと、それぞれが「2人とも本当によく頑張ったね」「いつまたカナダに戻って来られる?」「その時までに英語力維持させてね」など思い思いの言葉をかけてくれました。友達ができる前から子ども達の心のよりどころとなってくれた先生が沢山います。本当に感謝の気持ちで一杯です。