渡航から7か月が経ちました。カナダ、春です!店先にチューリップが並び、街中では桜や水仙も咲きました。

そんな春の7か月目の我が家は・・・、遊びほうけております。遊んで遊んで、遊んでおります(笑)。7か月目の一か月のうち2週間が春休みで、その間は大学生に宿題を教えてもらう勉強会も娘の習い事のバレエも休みだったこともあり、学校がない日は毎日のように外出して遊んでいた気が。必然的にびっくりする位勉強のペースも落ち、学校が再開して勉強が本格化することを考えるとそれはそれは恐ろしいです。

 

我が家なりの留学中の「遊び方」が一応ゆる~くではありますが存在しまして、カナダに来たからこそ出会えた人との交流、英語を見聞きする環境、カナダならではの自然に触れる時間であれば、勉強は少し後回しにしてもそちらを選択したいと思っています。休みが近づくと家に誘ってもらったり、楽しいイベントがあるよと教えてもらった時は、勉強そっちのけでそちらを選ぶことも多いです。夏には帰国するわけで、子ども達も学校の先生やクラスメイトや教科書から蓄えさせてもらった英語を使い始める時に来ていると思うので、机上の知識のみで終わらないようにどんどん外に出るようにしています。

 

春休み直前の学校最終日に息子、「学校が終わってしまった~。みんなに会えない、つまらない~」。春休みの最終日に息子、「春休みが終わってしまった~。イヤだ~」。春休みが終わり学校初日の下校時に息子、「学校、やっぱり楽しかった~!」。結局ずっと楽しんでいるではないか!?

★スキーのこと

 冒頭にも書いたとおり、今月はよく遊びました。中でも特記すべきは、スキーにいきました。スキーはカナダに来る前から子ども達につれていくと約束していた場所の一つで、子ども達が留学するきっかけになったのもスキーでした。昨年の8月のカナダ出発の約7か月前、学校生活もイマイチパッとせず今に比べると晴れ晴れとした笑顔の少なかった子ども達二人を見て、母は留学するのはやはり今だと感じていました。けれど子ども達が拒否すれば留学は実行できないと考え、携帯電話でカナダの美しいスキー場を見せながら、スキー大好きな息子に「スキーできるよ。カナダに行かない?」と「釣り」ました。息子は驚きながらもじきに「いいよ」となったことから今の私たちがあります。こちらに来て予想していたより料金も高かった為、あの話は無かったことに出来ないかと散々迷いましたが、さすがに息子も忘れておらず母は色々とがんばることに。

 

意を決してカナダのスキーに連れて行ってみたら、拍子抜けするほどアクセスも良く楽で、子ども達は大喜び。日本でスキーに行くとなると飛行機、電車または深夜バスと宿とリフトと予約し、大きな荷物を抱えて何度も乗り換えし。車で行くのであれば雪対策のこと、駐車場のことなどなど大変だった記憶が多々ありましたが、一番近場のスキー場へ今の滞在先から車でたったの約45分、もちろん日帰り。スキー場の環境も整備されていて駐車場とレストランとリフト乗り場の全てが50mほどしか離れていないので重い荷物は車において、レストランでコーヒー片手に暖を取って、目の前のスロープからリフトへ合流できます。友人からインスタントヌードル持っていきなさいと助言をもらい、それに従って車で昼食を済ませれば食費もかからず。それだけ楽だと地元の人もハイキングと変わらない感覚で来ているように見え、中には小さな幼児と10時くらいにのんびり現れ、車脇でスキーウェアをささっと羽織り、2-3時間後にはさらっと帰宅しています。スノースポーツのお国柄?スキーが生活の一部と言うか。シーズンパスを購入し、今月だけで計5回程行きました。

 

スノータイヤに関しては、降雪の季節が終わって、友人から「先週行ってきたよ。道の雪は全く解けていたよ。天気に気を付ければ大丈夫。」と確証がとれてから出発直前に再度天気予報と交通情報を確認し、車もセダンでは山道はさすがに多少苦しそうな時もありましたが混雑するタイミングは避けたのでゆっくり行けば問題ありませんでした。

 

 眺めも素晴らしかったです。雪景色の向こうに川や湾の水面、バンクーバーの街並み、その向こうの田園風景まで望みます。我が家では一番スキーが上手な息子、標高の高い上級者コースへ唯一一人だけ行きました。私たちや娘が滑降した初心者のいる場所とは景色も全く違って格段に美しいと言うので、携帯をもたせて写真を撮ってきてもらいました。彼だけが見た、彼だけの景色。友人関係で大変なこともあったし、体調の懸念もあった彼が、自分で乗り越え見たカナダの光景。良かったね、息子。

他にも、子ども達にとっては初の車での国境越えをしてアメリカ本土へ行き、近くて似ていて、でもなんだかとっても違うアメリカを垣間見ました。

違う日には、将来の夢が動物学者の娘と動物保護施設にいって動物を取り巻く環境の良さに驚き、

日本で盲導犬の子犬を預かるボランティアをしていた経験からこちらの盲導犬協会へ連絡を取りトレーニングを見学させてもらいに行ったら、お手伝いに駆り出され、

楽しすぎて写真を撮るのも忘れていましたが、その他に友人宅にお呼ばれし同じ年頃のお子さんと遊んだり彼の学校を見せてもらったり、ブリティッシュコロンビア大学で働いている友人を頼って見学に行って大学や大学生の様子を見させてもらったり、どれも生活が落ち着いたらいつかはと思っていたことが沢山実現出来て良かったです。

★英語のこと

カナダにきてから、英語を聞く時間と辞書片手に勉強する時間が長ければ長いほど、彼らのリスニング力も比例して向上していくのが分かります。

子ども達二人の性格と英語力の差を以前も書いたことがありましたが、さらにその差も浮き彫りになってきました。楽天的で明るく人見知り場所見知りもあまりない息子はスピーキングも通りがかりの人との雑談や同じ年頃の子どもともゆっくりながらも話し始めています。リスニングも私が聞き取れなかったものを聞き取ることができます(もう、本当に悔しい)。が、学校の宿題などのライティングなどが苦手。スペルミスも酷い!

一方、マイペースで慎重な娘、難しい単語のスペルを一人だけ正確に覚えていたり、学校から配布された小説を辞書片手に2日で読み切るリーディング力で周囲を驚かせるも、人前では黙りこくってまったくスピーキングの変化なし!

 

<スピーキング>

スピーキングの壁にぶつかっていることは前回にも書きましたが、母として出来ることから少しずつ。英語が好きな母としては、諦めません。なぜならリスニングもライティングもリーディングも、それをスピーキングに活かして使って英語で誰かと話した時にすごく楽しくて、英語勉強してよかったと思えて、話したいからまた勉強したいと思えることを知っているから。それを子ども達に少しでも感じてもらえるなら、地味なことでもできることから少しずつ。ということで始めた“地味”なことがこちら↓↓↓

 

・ファストフードの注文は自分でさせる。特にドライブスルーではマイクロフォン越しなので大きな声で正しい発音で注文しなければ通じにくいです。ドーナツ欲しさに後部座席から必死に声をはる子ども達です(笑)

 

・習い事や学校などの連絡は、自分で聞いてくる、または電話させる。保護者でなければいけないこと以外は、私がEmailで聞くことはほぼなくなりました。

 

・スキーのリフトで雑談。混雑時など他の人と乗り合わせると雑談が始まります。降り場まで「逃げ場」はありません。

 

・図書館からCD付の絵本を借りてきてシャドウィング。舌、口のまわり、表情筋のエクササイズ、これは本当に有効だと思います。以前図書館で日本のコミックの英語版を見つけて読ませてみたのですが、日常会話でよく使うフレーズを知るには良かったのですが、日本語から英語に訳しているのでどこかギクシャクしている気が。ならばと思い元来英語のコミック(スターウォーズなど)を読ませてみましたが、文字でみただけの英語を使うのでイントネーションのない平坦な英語を発言するようになった気が。ということでコミックは中断し、今はCD付絵本、または以前から活用しているDVDです。

 

・母がいない環境を作る。近くに母がいれば、母を頼るのでなるべくいないようにしています。中2と小6という決して早い方でない子ども達の留学ですが、逆に大きな利点の一つとして彼らの年齢だと保護者無しで参加できる催し物が多いです。例えば図書館では、カードゲームやボードゲームなどをするイベントや、ピザを食べながら映画鑑賞、マインクラフトというTVゲームを教えてくれるイベントなどがありますし、また広大な敷地と豊かな自然の公園(日本でいる「公園」というイメージより「保護地区」というイメージに近いのがこちらの公園)ではバードウォッチングやキャンプファイアなどがあります。それらの中で保護者無しのイベントに参加させたり、または親も参加してもOKだったとしても安全であれば私はあえて行きません。本当に面白くなければ「帰ります」と英語で説明して退場すればいいと伝えて送り出しますが、最初はもじもじしていても時間が経って面白くなって馴染んでくればそのまま帰ってこない確率の方が高いです。

 

今子ども達にとって英語が話しやすいのは、グループより一対一(たどたどしい英語でも待ってくれるから)、対子どもより対大人(英語ネイティブでないと分かれば、それに対応して分かりやすい単語やスピードに合わせてくれるので)のようです。これらと並行しながら、彼ら自身の友人とも話せる環境を増やしていきます。

 

★娘のバレエのこと

3月初め、娘の初の発表会?競技会?がありました。日本ではバレエ学校が主催するお披露目会のようなものが発表会かと思いますが、こちらでは地域で主催している競技会にバレエ学校単位で参加する感じ。そのためにバレエ学校にはそれに参加するためだけのクラスがあって、娘はそのクラスを申し込んで9月から練習してきました。あと1回ほど別の場所の競技会、それとは別にもう一回6月に日本と同様の学校主催の発表会があってそこで踊るようです。

保護者としては流れがわからないため、メイクは保護者がすると聞き指定された化粧品を購入し、メイクの仕方を調べ、会場までの行き方を下調べしたりはやはり大変でした。結局このあたりは全て同じバレエスクールのお友達のお母さんに手伝ってもらいました。そして当日、なんと会場に向かおうとして自宅のドアを開けたら大雪。。。スノータイヤがないので青ざめました。グループダンスのため一人欠場すると他の人々にも大きな影響があります。結局前述のお友達に連絡をとって彼女に同乗させてもらえることとなりやっと会場入り。そのお友達には本当に頭があがりません。「なにからなにまで、有難う」と伝えたら、「それが友達ってものでしょ」の一言。こちらにきて出会えてよかったと思う友人の1人です。

 

こちらのバレエの発表会は、事前の舞台練習も、衣装合わせも、ほぼなし。当日も開始時間の1時間前に会場に集合して、ストレッチもさらりと終わって、はい本番。日本で数か月前から緊張感が漂う発表会に比べて、とてもあっさり終わりました。保護者としてはプレッシャーもなく。「話さなくていいからバレエが好き」というほどの内気な娘のことなので、相変わらずお友達とキャーキャー騒ぐ様子もなく、淡々と終わり、感想を聞いても案の定「うん、すぐに終わった」となんとも娘らしい無味乾燥な感想。

 

 しかし母として会場から見た彼女の変化としては、踊りの動きが大きくなったなということ。いつも控えめだった娘の踊りは、カナダでバレエを続けてきて明らかにダイナミックになり、堂々としていました。繊細さを追求するバレエとしては良いことか悪いことなのか私はバレエをしたことがないので分からないのですが、観ていてのびのびと踊る彼女は自信に満ち、十分に成長を感じ、しっかりカナダのバレエからプラスになる何かを得たと思います。英語が分からなくても、今までの友達がいない新しいスクールでも、バレエに行きたくないといったことは一度もありませんでした。そのうち言葉を交わすお友達が増えて、グループで踊るたびに協力し合い一つの舞台を作り上げることができました。バレエを通して英語ももちろん、同じ年頃の共通の趣味を持つお友達と話す時間を得られたこと、個性を認め合いそれぞれの個性を尊重する文化の国で身に着けたバレエは、これからも彼女のバレエにとってもバレエ以外にとっても財産になると思います。

★教会のこと

私たちは無宗教でありながら今回クリスチャンスクールに参加する機会に出会い、子ども達はカナダにきてたくさん宗教について学びました。来る前はクリスチャンスクールと言うものがどういうものかも分かっていませんでした。渡航直後に中野さんに校内の教会で週末集まりがあるから行くと良いですよと教えて頂いたのがきっかけで通い始め、そのうち息子が友人から若者向けのあつまりが別途あるからおいでと招待されてそちらに移動し、今も週一回引き続き参加させています。最近思うのは、本当に参加させてきて良かったなということ。子ども達はこの時間からたくさんの文化を知り、たくさんの英語を知ることができました。クリスチャンのことどころか、英語のことさえ知識がなかった子どもたちですが、「学ばせてもらっている謙虚な姿勢だけは忘れず」と伝えていつも送り出してきました。その姿勢さえ持っていれば周囲も彼らにとても親切に、丁寧に接してくれたようです。文化を知ることは、宗教を知ることが本当に大きな比重を占めると思います。その地の衣食住や人々の考え方を信仰する宗教と切り離して考えることは難しいと思うからです。それを子ども達は教会から体感してきたと感じます。

 

春休み中に、教会ではなく関係者の自宅で集まりがありました。迎えに行ってドアを開けると、やっぱり「パーティー」?昔私が映画で見て憧れた欧米のホームパーティーがそこに広がっていました。テーブルの上に広がるピザとスナック菓子、大きな画面でTVゲーム、ワイワイを通り越してギャーギャー響く笑い声。きっと宗教に関するお勉強の時間も経て最後はそんな楽しい時間だったのでしょう。「え~、帰るの~」と後ろ髪ひかれる子ども達を見ていると、クリスチャンスクールの一員として今過ごさせてもらっている子ども達は幸運だとやはり思います。

 英語に関しても利点は大きいと思います。依然私が英語を勉強していると聞いた友人の一人が聖書を読みなさいと助言してくれたことがありました。多くの英語話者の思想の根源であり、英語でよく使われる表現も含まれるから、と。結局私は理解力が追い付かず徹底的に勉強することはなく過ごしてしまったのですが、今それを学校で学んでいる子ども達は本当に恵まれていると思います。

 

 学校以外では、滞在する地域にはキリスト教以外の方々もたくさんいらして、それぞれがそれぞれの考え方で自立していて、お互い敬意を示し。街中には色々な民族衣装を着ていたり、違う宗教のお祭りに遭遇したり。みんな違って当たり前、みんな違っていて良い、みんな違うから良い。こんな環境自体が今までは子ども達が知らなかった大切な経験だと思います。

 

以上、7か月目のこちらでの生活でした。8か月目に突入していきます。学校が始まり、最終学期を迎えました。春休み直前、息子と娘のクラス担当に子ども達の学校での様子と、新学期はどんなことをするか聞きに行ってきました。子ども達は勉強に関しては押しなべてよくやっているとのこと、英語に関してはもっと自信を持って話すこと、三学期の学習は難しくなることもあるので時に家族の協力も得ながら引き続き学習してほしいとのことでした。こちらに来てから時間がたって交流関係が広がったこと、子ども達の英語が少しずつ分かってきて本人たちからやりたいということも増えてきたこと、いかにも外出したい清々したい天気のよい日が増えてきたことで、楽しいこと、やりたいこと、やらせてあげたいことがたくさんありすぎて母はもう何がなんだか分かりません。勉強もしたいけど、行きたいところ、会いたい人もいすぎです。どれも捨てがたい、どれもやりたい。(そう考えると、来てすぐでまだ知り合いもいなく、雨が続く季節のうちにある程度詰めて勉強しておいて良かったです。)

 

体調一番なので、時間の使い方を効率的に考えて勉強も遊びもバランスよくやるしかないでしょう。有難いことに本当に良い人々に恵まれて、その人たちにたくさん助けてもらいながら子ども達もここまで成長させてもらうことができました。しっかり食べて、しっかり寝て、あとは子ども達が自分でカナダでの時間をどう使いたいか考えて充実させてもらえればと思います。

といっても、やっぱり遊び重視になりそうな予感です。朝目覚めると窓から差し込む穏やかな春の日差しを無視して家でじっとしているのは、親子共々やはり簡単には出来そうにありません(笑)。

 

ベストシーズンが始まりました。

Fertilizer(肥料)の匂いがして、どの家もフラワーボールを作ったり

春の花を庭に植えたりと、外で過ごす時間が多くなります。

どんどん昼が長くなってカナダを満喫できる季節です。

これを経験するとカナダにずっと滞在したくなるかもしれません。

10月まで精いっぱいサマータイムを楽しみましょう。