氷点 - 三浦綾子 / 読書感想 原罪って本当にあるの? | 本とか旅とか

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お久しぶりの読書感想です。

約1年ぶりの読書ブログ、渋いものを選んでしまいました。三浦綾子、若い頃はなぜだかどうしても最後まで読めませんでしたが、今回久々に手にとってみたら、意外とすんなり読めました。年を重ねると本の趣味も変わるのかな?


氷点 / 三浦綾子

おすすめ度:★★☆

辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻 口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激 しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた―。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。(出版社HPより)


クリスチャンである三浦綾子の処女作です。話の展開がやや強引だったり、人間関係に時代を感じたりと違和感はありましたが、運命に翻弄される一人の女性の悲しい物語、たっぷり堪能しました。最後はやっぱり涙を堪えきれませんでしたし。


でもね、ひねくれ者の私はそれだけで”いい作品!”と言い切ることはできません。だって三浦綾子ってクリスチャン作家だし、この本のテーマは『原罪』。


キリスト教のいうところの『原罪』。私たちはみな生まれながらにして罪を背負っている、という概念。この本の結末は、その『原罪』故、のはず。そこがやっぱりどうしても日本で育った私には理解できません。運命に翻弄された女性の物語、としか読めませんでした。


三浦綾子が『原罪』を描きたかったというこの本。原罪の解釈をクリスチャンではない日本人に訴えるのが目的だとしたら、私にはそれは伝わりませんでした。


中学生の時に遠藤周作の『沈黙』に衝撃を受けて以来、いわゆるクリスチャン作家と呼ばれる人たちの話題作も読むようにしています。日本という風土に、近代になって突然入ってきたキリスト教。近年、多文化共生って言葉を色んなところで聞くようになりましたが、意外にこんなところにもヒントが落ちてるんじゃないかな?と思ったりしてます。あ、遠藤周作の世界感は好きです。


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