噛み合わせの治療の実際的な問題。


①口腔内全体で噛み合わせが治されていない 

→ その時々で悪くなっているところ、症状のあるところにのみめを向けた治療をおこなう。保険診療の限界もあるので現行ルールの範囲内で治療していくとなると致し方ないとしかいえません。


②間違ったアゴの位置で、噛み合わせが治されている。

→ 噛み合わせはどの態勢でのものを答えとするのか。成長発育の終了している形なのかそうでないのか、首の傾き、頭蓋骨の歪み、はその人の適正な状態にあるか。下顎周囲筋の状態は正常か。アゴがその影響を受けてないか。


③アゴの位置は正しいが、噛み合わせが適切でない

→ 一歯単位の上下噛み合わせポイントの位置、動きの中での上下噛み合わせポイントが正しく当たっているか。上下の歯が適正な歯同士で噛み合っているか。一歯単位での噛み合わせポイントの強さ、接触範囲は適正か。


1度の診断で治療計画を立て、そのまま最後までその計画を通してしまう(確認・再評価がない)

→ 23個の骨が組み合って形成されている頭蓋骨の歪みの変化、首の傾き、下顎の位置の変化、顎関節、顎関節周囲組織の構造治癒変化、脳の学習期間の問題、その様な諸問題を考えると最初の診断時の診断などその時点での状態の把握、状態の変化の予測、治療計画の大枠の決定、をするものでしかない。逐一の変化の診断分析、時の診断の練り直しはあるに決まっています。


⑤個人の生理的許容範囲を超えて、理論値で治されている。

→ 特に成長の終了している形はその間にあった体癖、生活習慣の中での癖、特定の動き、生え変わりの歯の順番、歯のサイズと歯の生える場所の大きさの不一致、歯科治療の影響、外傷、先天異常、後転以上、まだあるかな・・・理論値は理論値ということ。


⑥全ての人を同じ方法で(基準で)治している

→ 最初の診断に用いるべき比較基準は大事(理論的理想値)。ただし基準値は基準値。外国人の基準値は日本人に使用できるかどうかはわからないし、方法論にいたっては個々に問題点が詳細に違うということを考えれば型にはめれるわけもなく、『よく見る』は非常に大事。



患者さんの症状(治療後)でみると、


⑦治療後に、噛めない

⑧長期間違和感が取れない

⑨繰り返し治療が必要(終わってから)

⑩治療するたびに悪くなる。

⑪全身の症状が出てきた(頭痛、肩こり、首のこり・痛み、首が動かない、手の痺れ、腰の痛み、ひざ・足首の痛み、目・耳・鼻の症状、めまい、鬱症状、不眠、いびき、顔の歪み等)



①~⑥までは、方法論的なことよりも、臨床的に理論を各個人に合わせてどのように適用するか?という問題です。例えば、理論的な理想的咬合様式を知ってい ても、全ての人を同じように治せるわけではありません。各個人の状態や、反応に合わせ、応用して適用しなければならないわけです。


⑦~⑪のような状態、症状が治療が終了してからあるとしたら、あるいは、明らかに治療後から出てきたとしたら(脳における歯の感覚の学習期間により、終了後3ヶ月等の時間差の後に出てくる場合も多いです)、治療自体に①~⑥のような問題があるかもしれません。


+⑪に関しては最近感じて勉強をしているところですが筋量、筋力の問題もあるかもしれません。とは言ってもムキムキとした筋肉のことではありません。

背骨(頸椎から仙骨を含む脊椎部)を支えるインナー系の小さい筋肉を指すはなしです。コアと呼ばれる横隔膜以下骨盤底部筋肉も指すかもしれませんね。歯とはまったく関係ないようで、もしかするとという可能性を感じる点です。また勉強がすすめば書きたいと思います。


また①~⑥に関しては、治療のシステムにもよります。日本では、専門医というよりも、ほとんどが全ての治療を1人の歯科医が行うので、アメリカのように、 一般歯科(General practice) と専門医(Specialist)での治療のレベルの差が明確ではないですし、歴史的にみても、基本的には部分的な応急処置をつなぎ合わせているのが一般 歯科なので、治療行為自体において、GPレベルや、応急処置レベルのシステムですと言われたら、間違いとは言えなくなってしまいます。分かりずらいでしょ うか?


簡単にいうと、医学的に理想的な状態や治療があっても、臨床としては最低限度の治療や、最高レベルの治療が存在し、日本ではその区別が患者さんから見て分 かりづらいということです。そこで問題になってしまう。自分は最高、あるいは最適な治療を受けているつもりが、最低限度の治療だったり。さらに細かく言う と、インプラントや審美用のセラミックが、最高レベルの材料だっ たとしても、それを最低限度の(最低レベル)治療でも使えます。機械もそうです。CTスキャン(うちにもありますが)は、すばらしい検査機器ですが、歯科 医が画像を読めなければ、意味はないですし、それで確実な診断ができたとしても、治療はどのようにでもできます。(CTは治療用の機器ではないので)微妙 ですよね?


難しかったかもしれません。

なにごとも捉われないことは非常に大事『よく見る』ということ。

木を見て森を見ず。俯瞰が大事。人の身体は変化するもの。『今』の診断、分析を怠らないこと。


です。



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