石けんは、天然の界面活性剤ではない
こんにちは。橋本です。
石けんは、天然の界面活性剤ではありません。
「天然のもの」と誤解されやすいですが、石けんに含まれる界面活性剤は、天然のものではなく、化学物質。
人工的に合成された物質です。
天然のものでいうと
天然の界面活性剤は、大豆などに含まれる「サポニン」。
それから卵黄、大豆に含まれる「レシチン」。
そして、牛乳に含まれる「カゼイン」などです。
牛乳は、バターの原料にもなるくらい豊富に油脂を含んでいます。
その牛乳を放置しても、水分と油脂に分離しないのは、「ガゼイン」という天然の界面活性剤が含まれているからなんですね。
水と脂肪分が分離しないよう、ガゼインが結びつけているわけです。
水と油をなじませるのが界面活性剤の役割です。
石けんは製造方法がシンプル
石けんは、天然の界面活性剤ではありません。
人間が手を加えて、化学反応をおこして作るもの。
ただ、合成界面活性剤とよばれるものよりも、製造方法はシンプルです。
石けんを作るには、アルカリを使います。
アルカリとして使われる「水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)」は、触れると火傷や失明をおこしかねない劇物。
石けんは、天然の動植物の油脂に、アルカリを加えることで、化学反応してできるもの。
化学反応といっても、複雑なものではないんですけど。
動物の肉をたき火で焼いていたら、偶然できた。
それが「石けん」のはじまり。約5000年前の石けんの発見だといわれています。
したたり落ちた肉の脂と、下にあった灰(アルカリ)が自然に化学反応をおこした。
肉汁と灰と熱。たったそれだけのことで、簡単にできてしまうものなんですね。
原始的な石けんも、今の石けんも製造する原理そのものは、ほとんど変わりません。
合成界面活性剤の製造方法
それに比べ、合成界面活性剤は、石油を原料として、複雑な製造工程。化学処理をこなして作られます。
高温にしたり。高圧をかけたり。いろんな化学処理をして、製造されるのが合成界面活性剤。
処理技術によって、いろんな性質のものを作れる。工夫できるのも合成界面活性剤の特徴です。
反対に、石けんは、製造方法を工夫しても、無理に界面活性剤の性質を変えることはできません。
石けんは、天然のものではないけれど・・・
つまり、それぞれの石けんで、界面活性剤の性質に大きな差はないのに比べて、合成界面活性剤では、製造技術によって性質の違いが大きい。
合成界面活性剤の技術開発、研究もどんどん進歩していますし。
そのため、ひとくくりに「合成界面活性剤だから、こうだ」ということは、いえないわけなんですね。
石けんは天然のものではないけれど、界面活性剤の性質としては、製品ごとでの差が比較的小さいといえます。
発見から5000年近く経っても、すたれることなく、石けんがお店に並ぶのも、そのためかもしれません。
しかし、すべての石けんが界面活性剤だけでできているわけではありません。
石けんも界面活性剤以外の成分は、いろんなものを混ぜることができるため、必ずしも安全だとはいえません。
そういう点でいうと、成分表示で、「石けん素地」「水」のみのもの、「グリセリン」だけ足されているものが、より安全です。
一般的に、無添加の「純石けん」といわれているものですね。
ただし、純石けんといえども、天然の界面活性剤ではなく、化学物質だということをお忘れなく。
