タイトルを見て、何のことだろうと思った方もいるでしょう。


こんなことを書くのは、先日、「マイヤーリング」(原題:Mayerling)というアメリカ映画を見たからです。

女性美の基準を変えたとも言われた、あのオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn 1929~1993)が主演した1957年放送のテレビドラマ(映画)を最新技術で復活させて映画館上映したもの。

1953年に公開されて一躍全米で人気を博した「ローマの休日」(撮影時は23歳頃か?)の4年後にアメリカで生放送のテレビ映画に出演した作品です。28歳頃でしょう。共演は夫のメル・ファーラーです。


今のオーストリアにあたるハプスブルグ王朝末期に実際に起きたルドルフ王子と男爵令嬢マリーの不倫心中事件を題材にしています。この事件は「うたかたの恋」という小説にもなり、何度か映画化されています。


この作品を観たいと思った動機は、オードリーの主要作品で唯一未発掘のものだったことと、これがキネスコープ・レコーディング(キネコ)という技術でテレビ放送を録画して、かろうじて保存された作品だということだったからです。


現在でこそテレビ番組の録画などは極々簡単にできますが、当初は放送録画用の機材やテープは非常に高価なもので放送局は経費節減のためにテープを使い回していたそうです。 そのため、テレビ草創期の頃のテレビ番組はかなり有名なものでも放送局自体にもそのテープが保存管理されていないことが多いらしいのです。NHKの連続時代劇(大河ドラマ)のようなものでさえ、ちゃんと全編保存されるようになったのはかなり経ってからだと聞いたことがあります。

ただ、これはほんとに機材・テープが高価だったから、という理由だけだったろうかと疑問に思うのです。 放送局自体に、保存しておくべきものという意識がなかったのではないかと推測するのです。
関係書などを見ると、テレビ草創期は独特の熱気があったのと同時に「電気紙芝居」、「一億総白痴化」などとも言われたそうで、このあたりのことは我々の世代の人は知っているでしょう。

現在とはまた違う形で、テレビというものに対する一抹の軽侮を持つ人たちが放送関係者自身の中にもいたであろうと思います。



話は少しそれましたが、その時代にもキネスコープで独自にテレビ番組を録画保存していた人が少なからずいて、そのおかげで未発掘の映像が出てきたりしますね。

 キネスコープの説明・解説をしているサイト

 http://www.asahi-net.or.jp/~uk9o-tkzw/tvequip.html  

 (このサイト作成者は、「テレビ放送の録音・録画」について少年期から興味があって、そのまとめの形でサイトを作ったようだ。もちろん、知人でも何でもない会ったことのない人)


テレビ放送というのは戦後に登場した比較的歴史の浅い産業で、近年のネット社会化との併存はさらに最近の現象です。

テレビ産業に関わる人たち、特にお若い方たちはテレビ概史・変遷を大ざっぱでも知っておいた方が良いと思います。

過度にテレビを礼賛したり、反対に卑下したりしないためにも。


   また嫌われるかしら、ワタシ。