あのあと、あまりにあの人の優しさがいたたまれなくなって無理して返さなくても良い旨を伝えた。ときどき、思いがこっちを向いた時に連絡を返してくれたら嬉しいと。

 

だからだろう、LINEのやりとりは返ってこなくなったんだけど、それでもずっとSNSで会話のないやり取りを続けている。

タップ1つで相手への興味をしめせる、気楽で心地の良いやりとり。私とあの人をつないでくれる、2秒で終わるごあいさつ。

 

 

けど、その一瞬の動作でも嬉しい。ふられてからずっと、その時間さえ私には向けてもらえなかったから。

 

 

すごく気持ち悪いことは分かってるんだけど、時々やっぱり気になっちゃう。あの人が私のことをみてくれたらって。

それでもずっと何のレスポンスもなかった。1週間が1か月、1か月が2か月。年を越して、桜が舞って、気がつけば数か月が過ぎて、私はとうとう社会人の大台に突入した。

 

そんなとき、一番苦労していた時にポンと届いたあの人のレスポンス。人間が人差し指1つでできる行為としてはきっと世界で一番私に影響を与える行動。

あの人が私のことを見てくれた。一番つらいときにいてくれた。たまたまだったからこそ、その偶然が発する運命という名の甘い香りが私を掴んで離さない。どうしようもない偶然に私の心はまた捕らわれてしまった。

 

それでもきっと勇気をだして声をかけたことは正解だったはずだ。だってこうして、先々週も今週も、あの人からのレスポンスが届いたのだから。

嬉しくってその投稿に絡めて別の話題をLINEで返してみたけど相変わらず既読はつかない。そんなもんだろう。ちょっと寂しいけど、今の私には望みすぎなくらいだ。

 

それでも。ポンっとあの人のアイコンが出てくる。それだけでいい。たったそれだけで、私はとても勇気をもらえる。どんなことだって頑張れる。たったそれだけのことで。

 

 

あーあ、これをちゃんとあの人に伝えたいな。次にこれを伝えられる日は、きっと、このブログをハッピーにやめる日だ。

きっと来ないだろうな、そんな素敵な日。