どうにか友人の件も落ち着いて少し自分に向き合う時間ができた。
ただ、私がひたすら向き合うことと言えば同じことばかりで、他にはなにも考えることができない。
ぐるぐると回る思考はいつもひとりで歩いてはまた見た風景に返っていく。さっきと違っていることと言えば、私が少し疲労していることくらいだ。
同じことばかり考えて、どうしようもないのに、と時々言われる。
あの人とのことを打ち明けている友人はほとんどいないのだけれど、その人たちからするとそういう風に見えてしまうのだろう。きっとそれが正しくて、正常なんだろうな。
確かに自分でも不思議に思うことがある。恋愛体質、というほどではないし、むしろこれまで本当に好きになったことのある人は少ない。なんでこんなに引きずっているのだろう。
残念ながら恋愛という自由競争社会では常に負け組にいるのだけれど、それでも割とアッサリだった人とずっと引きずってしまう人はけっこう分かれていて、後者はかなり稀だ。
たぶん「なんとなく好きになった人」と「本当に好きになった人」に大きな差があって、正直前者はけっこうアッサリ諦めがつくしなんなら期待していない。後者は人生をすべて賭けるくらいの人、ということだろう。
それでも何が両者を分けるのだろう。あの人のことを思い出すついでに、次に会うことができたらもっといいところを見つけておいてアピールしたいという気持ちがぬぐえず、なんで好きになったのかを考えることが多い。
だけど、どうしてもうまく言葉で表現できない。顔が良いとか、シルエット(体型)だとか、髪型だとか、性格だとか、趣味だとか、あれこれ考えてしまうけど、決定的な言葉はない。気が付けば…というのが最後の正解なんだろう。
===========
気がついた時にはもう愛していた
もっと早く「さよなら…」言えたなら
こんなに辛くはなかったのに
(「片想い」 作詞・作曲:浜田省吾)
===========
昔からすごく好きだったけれど、最近この歌詞が少しだけ分かった気がする。
今までの人はあれこれとっかかりがあって、そこからじわじわと好きになっていったんだけど、あの人だけはある日突然急に好きになっていた。自分が愛を自覚したのは本当に突然だった。
あまり幸せな将来は正直想像できなかったから、もう少し、予感めいたものがあればいくらでも回避できたのにな、って思う。それさえできれば、こんなに辛くはなかったのに。
けど、私にだけの笑顔が見たかったんだ。もっとそばにいたかったんだ。それを欲しがることって、罪ではないと思うんです。
ねえ、またあなたに会いたいよ。お願い、全てをかけてでも、夢の中ではなく現の世で、もう一度あなたの笑顔がみたいんだ。