TELを切ろうとしたら、

テレビ電話で、トワを見せて

と、言ってきた。

テレビ電話で、トワを見た母は



『顔で言うと、トムちゃんの方が可愛いね。大きいね。トムちゃんの目は、つぶらで何とも言えない可愛さだったから。でも暮らしていけば、きっと、その子の方が可愛くなるね。永久って言うの?永遠に生きてってこと?女の子の名前じゃないみたい。リリちゃんは?』




なんて、悪態ついて

笑わせてくれた。

『こっちに来たら、トムちゃんみたいに、マーキングしないから、トワは、良いね。』



なんて、言ってた。


そして、さっき

母から、メールが来た。

『なんで、早く言ってくれなかったの。家族は悲しみを分けて半分にしなきゃだめ。おばあちゃんも言ってたよ。嬉しい涙は沢山流して良いけど、悲しい涙はダメだよ。ママは、あなたの悲しみより二倍悲しい。アトムの分と、自分の娘の気持ちを考えた分。』




『ありがとう』と、

トワの写真を添付して返信した。


そして、最後に書いてあった。


『リリが良かったな。』って笑



ママ…

アトムは、トムちゃん…

トワは、リリ…

どちらも、きちんと

呼べてませんよ…笑

父が亡くなってから…

私を私立に通わせてくれたり、

留学させてくれたり、

不自由な思いをさせられたことがない。



人を憎むな、感謝の気持ちを忘れるなと毎日言われてる。




私は、こんな強くて天然な母を

尊敬している。



再三、TELやメールを

してきた母に、

私は仕事が忙しいとか、

眠くてゆっくり話せないとか

可笑しな理由で連絡を

断ってた。

さすがに今日は、伝えようと…

TELに出た。

母『元気なの?トムちゃんは?嫌な夢を見たから…心配で…。』



そう、母は昔から

家族に何か起きると、

夢に何かを見る人。

私には、そういうのは

無いのだけれど…。

何だか、遺伝だとか言う。笑

私は、涙が止まらなくて

『元気じゃない。元気じゃないよ。私、死にそうだった。』



母『何?何が!?帰って来な!何があったの?こっちに帰って来なさいよ!』



私『アトムが死んだ。殺された。トリミングサロンで見殺しにされた。』



母『え!?何で?』


沈黙してた。

意味が分からないようだった。


説明した。

母は、殺しに行くと騒いだ。

アトムの仇は、もちろん

自分の娘の気持ちを

どうしてくれるんだと…。

何だかんだ…長々一時間程、

二人で泣きながら話して…

母は、結局…

『憎んでも仕方がないし、新しい子が居るなら、トムちゃんを思い出して泣きながら暮らしても誰も幸せにはなれないから…』



そんなような事を言ってた。

そして、

トワと出会って、

立ち直れているなら

それで良いのかもと。

母は、実家のワンコが

老衰したら、もう動物は

飼わないと言ってた。

アトムを見てなければ、

こんなに悲しく苦しくないけど

見ちゃってるから堪らないとも

言ってた。

辛いと…。

人間の子供だったら、

もっと堪らないよ…。

残された家族は、それでも

生きてると言ってた。

母の宝物は、

私と、実家のわんこ。

母は、失う物が、あまりない。

トリミングサロンに

行きかねないと、

心配していたけれど

彼女は我が家を

励ますことにしたようだ。

安心した。


中々、母に告げられず。

一ヶ月過ぎた。

母は、アトムが可愛くて

実家に行くと私が育てるから

置いて行けと行ってた。

私が寝ている間に、いつも

アトムをカットして

綺麗にしてくれてた。

私は、いつも

勝手にカットすることを

怒ってた。

カットを

母にさせていれば良かったな。

アトムを『トムちゃん』と

呼ぶ母。

アトムは、凄くなついてた。

美味しいものをくれるし、

粗相をしても怒らないし、

遊んでくれる。

私が外出しても、

初めは、ぐずるけど、

母が居れば、へっちゃら。

大きくタイニーサイズになった

アトムに、

どこが、ティーカップなのよ!

なんて、言いながら、

私に隠れて、

肉ばかりあげてたな。

吐くからバレてたけど…。

大きくしなきゃなんて言ってた。


お陰さまで…

大きくなって、二キロ越えたよ。