本物と偽物の「スターリンの地下壕」 | サファイアのブログ

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モスクワの地下シェルターと「メトロ-2」

2013年12月26日 ゲオルギー・マナエフ, ロシアNOW

モスクワには、政府の地下シェルターや秘密の地下鉄について、多くの都市伝説がある。ロシアの首都の地中深くに所在する軍事通信設備について、ロシアNOWが信頼できる事実をかいつまんでお届けする





本物と偽物の「スターリンの地下壕」







 モスクワには、ガイド付きツアーに申し込むと立ち入りできる「スターリンの地下壕」が2箇所ある。そのうちの一つ目はイズマイロフスカヤ・ホテルの近くに所在し、1930年代に造営されたものと言われている。実際のところ、この場所はかつて倉庫として使われていたもので、1990年代に観光客向けのアトラクションにするために改造されたのだった。2番目の地下壕はタガンスカヤ地下鉄駅の近くに所在し、こちらは本物だ。しかし、スターリンとの関連性はまったくない。この地下壕の造営が完成したのはスターリンの死後だったからだ。


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モスクワ都心に核シェルターがあった!

 この場所は、遠距離航空コマンド司令部のためのシェルターとして造られた。それは地下60メートルの深さに位置し、占有する面積は約7,000平方メートルである。1960年代には、この防空壕には生活用品供給システムが配備され、高官たちの生活を長期間支援するのに十分な水や食糧が確保された。しかし、80年代になると管理状態が悪化し、1995年にこの防空壕の機密扱いは解除された。その頃にこの防空壕全体に唯一残っていたものは、メッキ加工された鉄鋼壁と気密ドアくらいであった。

 それでも、この場所はたいへん興味深い。防空壕への主な入口となっている縦坑の床面レベルまではエレベーターがあり、厚さ6メートル以上のコンクリートの蓋によって保護されている。それはさらに、枠だけの見せかけの窓がついた19世紀建造の家の中に隠されている。この蓋は、核爆発の爆風から縦坑を守るが、空爆による直撃にも耐えられるものだ。現在、この防空壕は「冷戦博物館」を所有する民間の事業体が所有しており、同社はガイド付きツアー、団体向けのパーティー、晩餐やプレゼンテーション等のサービスを提供している。例えば、人気のPCゲーム『Red Alert 3』のワールドプレミアは、この防空壕で催された。



ショックのあまり・・・


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 中でも観光客の間で特に人気になっているのは、舞台効果としてガイド付きツアー中に鳴らされる空襲警報だ。また、来訪者は、この防空壕の中から「うそ」の核ミサイル攻撃を外国に向けて「発射」させることができる。ロシアNOWは、この防空壕で以前ガイドを務めていたというヴィクトル・B氏に取材した。彼は 空襲警報が鳴ったときの来訪者の反応を語ってくれた。「特に女性や子どもに見うけられる反応の大部分は恐怖ですね。でも、警報が本物ではないことを教えてあげると、それはすぐになくなります。でも、気まずい状況に直面したこともあります。ある時、南米出身の陽気な女性が警報音のせいで気絶したことがありました。それから、成人男性が警報を耳にしたとたん失禁してしまったこともあります」

 しかし、ヴィクトル氏は次のようにも語った。「“ミサイル発射”のトリックに対しては、誰もがおもしろがります。特にアメリカ人はそうですね。彼らはすぐさま母国を「爆撃」しだすんですよ。“ニューヨークを狙うぞ!俺たちはフロリダ出身だから、あんまり関係ないよな”などと言って」

 そのようなジョークは、冷戦時代なら考えつくことさえできなかっただろう。幸い、そのような時代は過去の話だ。とはいえ、本物の戦略的なシェルターは未だに実在する。それらは、現在でも完全な機能を維持しているという噂である。