昨日に引き続き、昨年増加に転じた、振り込め詐欺について解説したいと思います。

■振り込め詐欺の実態

振り込め詐欺は、前回のブログでご説明した類型だけではなく、実際の犯行の形態も多種多様です。

特に、振り込め詐欺の中でも、最も一般的といえるオレオレ詐欺では、一匹狼のように個人で詐欺を行う者もいる一方、詐欺に関わるメンバーが組織化され、大人数が関与しているケースが多く見られます。

組織化された振り込め詐欺の場合、元ヤミ金関係者の関与が目立つ点が特徴的です。
具体的には、暴力団傘下のヤミ金業者で店長をしていた者が、貸金業規制法や出資法違反容疑で警察の取り締まりを受け、経営が続けられなくなった後に、ヤミ金時代の部下や同僚らと融資保証詐欺をはじめ、その流れでオレオレ詐欺など他の類型の詐欺を行う、という系図がこれにあたります。
この系図だと、ヤミ金時代のノウハウを利用して名簿を手に入れたり、借金の勧誘のマニュアルを生かすことができるため、振り込め詐欺を行うグループにとっては、非常に営業しやすい業務体系が整っているということになります。

しばらく前の事例にはなりますが、振り込め詐欺が多発した2004年に、被害金額が6000万円を超えて話題になったオレオレ詐欺グループの事件の場合は、暴力団傘下の元ヤミ金店長が、ヤミ金時代の部下を配下として行った、組織的オレオレ詐欺の典型例といえる事件でした。

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前回に続き、振り込め詐欺の実態について解説したいと思います。

振り込め詐欺は、2008年をピークに減少していましたが、昨年は振り込め詐欺全体で被害額127億円超、オレオレ詐欺の被害額も3年ぶりに100億円を超えるなど、一気に増加に転じました。

「振り込め詐欺」と一言でいってもその態様は様々で、以下のようなものがあります。
・オレオレ詐欺:
被害者の孫など親族を装い、「おれだよ、おれ。」と電話をかけ、電話に出た被害者に対して、事故や借金返済でお金が必要になった旨を申し向け、指定した銀行等の口座に現金を振り込ませる手法。
・架空請求詐欺:
郵便やインターネット等を利用して不特定多数の者に対し、架空の事実を口実とした料金を請求する文書等を送付するなどして、現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法により現金を取得する手法。
・融資保証詐欺:
実際には融資しないにも関わらず融資する旨の文書等を送付するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金等を名目に現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法により現金を取得する手法。
・還付金詐欺:
税務署や区役所等を名乗り、税金や医療費等の返金があるので手続きが必要である旨を申し述べ、銀行やコンビニエンスストアのATMへ出向かせて、携帯電話で還付手続きを指示するように装って、実際は現金を振り込ませる手法。

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【ニュース】
警察庁によると、2011年に全国の警察が把握した「振り込め詐欺」の被害額は127億8179万円(前年比26.7%増加)に上りました。
類型としては、全体の約70%を「オレオレ詐欺」が占め、被害総額は106億2200万円(前年比34.1%増加)となり、3年ぶりに100億円を超えました。

また、オレオレ詐欺発生件数の75%が、関東4都県(東京、神奈川、千葉、埼玉)に集中しています。
なお、他の類型では「架空請求詐欺」が11億8100万円(前年比32.6%減少)、「融資保証詐欺」が7億2000万円(前年比109.5%増加)、還付金詐欺等が2億5700万円(前年比249.9%増加)となっています。
(1月19日 日本経済新聞夕刊、読売新聞夕刊)

振り込め詐欺の実態は?
振り込め詐欺が、こんなに息が長いのはなぜ?

今回は、増加に転じた振り込め詐欺・オレオレ詐欺の実態について、刑事弁護士の立場から、シリーズで解説していきます。