ブログの更新、だいぶサボっておりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

 

さて、今回は、2023年1月に髄膜腫の診断を受けるまでの前日譚の②。


2021年の8月に新型コロナウイルス感染症のデルタ株に感染した。徒歩15分の病院から帰宅する際に迷子になるという真夏の大冒険をしたのが遥か昔の出来事のように感じる。いや、実際、だいぶ前だ。
あの夏は、コロナの影響で東京オリンピックが1年遅れで開催され、私は7月下旬から、無邪気に「みんな、がんばれ~」とミーハーにはしゃいでいた。
それが、8月に入り、夫も私もコロナに感染し、他人ばかりを応援している場合ではなくなってしまい、意識朦朧としながら「アスリートも・・夫も・・・わた・・し・・も・が・・・・んば・・・れ・ぇぇぇ・・・」と、弱りながらも謎にヘラヘラしながら、目にするもの全てを応援していた。
おかげさまで、2021年東京オリンピックはコロナとセットの思い出となっている。

そして、オリンピックは終わっても、私のコロナは終わらなかった。

吐き気についてはだいぶ解消していたが、味覚障害、嗅覚障害、頭痛、倦怠感、抜け毛、関節痛・筋肉痛は治っていないのが当時の状況。
また、すっかり失念して、前回のブログでも書き忘れてしまったのだが、起床時の体の痺れがひどかった。
寝起きでスパッと起き上がって動き始める、ということができなくなった。
鳴っているアラームを止めようとして、慌てて起き上がりベッドから降りたところ、ベッドの横でくしゃりと崩れ落ちてしまい、クローゼットの扉に体を打ちつけた時は、「え?こんなにも自分の体がいうことをきかないのか??」とビックリ。
それ以降は、ベッドの中で痺れている部分をほぐし、動けるようになってから起き上がるようにしていた。

と言うことで、後遺症に悩まされていた私は、2021年11月に後遺症外来を受診することにした。ここまでが前回までのお話。・・・我ながら振り返りが長い。

あの頃は後遺症外来に行くだけで体力の消耗が酷く、待合室で椅子に座っているのが辛かった。実際に待合室に横たわっている患者さんも何度かお見かけしたものだ。
コロナ後遺症というのは、治療方法が確立していないため、いまだにそうらしいのだが、何か一つの薬を飲めば治るというものではなく、対症療法で対応していくしかない。

そこで、今もお世話になっているかかりつけ医に出会った。
私が勝手にかかりつけ医だ、と決めつけているだけで、先方は1ミリもそんな気はなさそうなのだけれどが、ここはひとつかかりつけ医ということで話を進めていく。
この先生と出会い、その時々の体調によって薬を処方てもらいながら、またアドバイスを受けながらしばらく時は過ぎていった。


私が取り組んだ後遺症に対する薬以外の取組と効果は以下のようなことである。
●味覚障害
亜鉛サプリの摂取。
→時間の経過とともに良くなっていったが、2年半以上たった今、いまだに辛味がよくわからないままでいる。昔から辛いものは苦手ではなかったが、今はよくわかっていないというのが正直なところ。しかし、特に生活で困ることもないので気にしないことにした。病は気から。
●嗅覚障害
亜鉛サプリの摂取とアロマ。このトレーニングは悪くないらしい、という医師からの助言もあり、アロマで嗅覚トレーニングを開始。3種類のアロマを購入して毎日せっせと嗅ぐだけ。
→アロマ購入時にふと疑問を持つ。「そもそも、私、元の香り知らんけど・・・。」
正解の香り知らなくても問題ないか?いや、いいわけないよな、とも思ったが、とにかくやってみることに。
一つ目は、素人の私でもわかりそうなオレンジ系。これはさすがに元の香りと私の知っている香りに大きな差はないはず。
次は、イランイラン。だいぶ昔に嗅いだイランイランの香水が好みだった、ような、そんなうっすら記憶だけをもとに出た暴挙である。“エキゾチックな香り”との紹介文を前に「エキゾチック・・・それは・・・どんな香りでしょうか。そもそも、イランイランとは?」と身も蓋もない疑問の中で選択。
最後は、ローズマリー・シネオール。ここまでくると、香りに何の思い入れもない。
が、このトレーニング、種類の違う香りを選択するのがポイントらしく、店員さんに聞いたところ、ローズマリーがハーブ味が強いとかで選択。
店員さんの名誉のために書いておくと、“ハーブ味”というワードは間違いなく使っていなかったと思う。アロマ素人の私なので、用語も感覚も全てにおいてアロマ界隈の専門家の方々が読んだら卒倒しそうな内容なのかもしれない。お許しください。

だが、これでトレーニングをスタート。
当初は原液を鼻から吸い上げそうなくらいの距離で、スーハースーハーと吸い込み、ビジュアル的にもだいぶ危険な香りを漂わせていたのだが、そこまでして、ようやく遠くから、アロマ的な何かしらの香り的なものを感じる程度だった。
時間の経過もあったとは思うが、これを繰り返すうちに、本当に少しずつ嗅覚も戻ってきた。
今でも消失したままの嗅覚があるのと、術後に異臭が戻ってきたりして困ったこともあったが、全体的に7割くらい戻った気がするので、もういいや、という気持ちで過ごしている。
●抜け毛
亜鉛サプリ。
→コロナ罹患後のちょっと後に抜け毛が増えた気がしたが、1番抜けたのは3か月後くらい。悲しみにくれたが、一時的なものだろうと判断して基本的に何もせず。
●関節痛・筋肉痛
特に何もせず。
→ほぐす、休む以外にどうしようもない。今では、痛みも頻度も格段に減ったので良しとしているが、痛い時は下半身が中心。この痛みは、発熱時に体が痛むあの感じや、成長痛に似ている、というのが感想。
●倦怠感
特に何もせず。というより関節痛や筋肉痛同様にどうしようもない。とにかく活動すると倦怠感で動けなくなるのだから休むしかない。倦怠感とは?とたまに聞かれたが、私の回答としては“子泣き爺を背負わされている感じ”である。または“突然50キロくらい増量した感じ”。これについても時間の経過と共に徐々に良くなっていった。今でもあるが、無理をしなければ問題ないレベル。
●痺れ
揺らす。痺れが取れるまで揺らして・・・待つ。
●頭痛
何もせず。
→左のこめかみのあたりを中心とした頭痛。これだけは、時間がたってもよくならなかったのと、これまで頭痛持ちじゃなかったので慣れない。耳鼻科でのBスポット療法なるものがあり、かかりつけ医の患者さん中で試してみた数名の経験談によると、良くなった人もいるが、全く効かなかった人もいるとのこと。

しかも、この療法、医師によってやり方にも違いがあるようで、治療の痛みにも差があるようだ。

興味のある方は、ご自身で調べてみてほしいのだけれど、私が聞いた話だと、あまりの痛みで心が折れ挫折してしまった人もいる一方、全く痛くないという人もいるらしい。
私「Bスポット療法やれば絶対治るんだったら頑張るけど、賭けは怖いですよね。痛い思いして何も変化なかったら、悲しみが増すだけでしょう?めっちゃ怖いじゃないですか。先生はやったことないんですか?」
医「私もないんですけど、喉の奥の違和感がずっとあって。調べても何もないんだけど、違和感は続いているし、これを機にやってみようかな、という気持ちはあるんですよね。」
私「じゃあ、先生、先にやってみてくださいよ!!!
医「!?!?(しまった、の顔) で、でも、Bスポット療法をやってる知人(医師)に話を聞いたら、結構出血するらしく、目から涙、鼻から血を流してる患者さんから“ありがとうございました”ってお礼を言われて、医者としても心が痛むらしいですよ。」
私「めっちゃ怖いじゃないですか・・・・・・でも、先生がそれを先にやってくれたら、患者さん(私)に、よいアドバイスできますね・・・私、それを見て決めたい・・・そんな気がする・・・。」
医「・・・(泳ぐ目)・・・え・・・そうか・・・それも・・・そうですね・・・。でも、忙しいからなぁ・・・。機会があったら・・・うん、やろうという気持ちはありますよ・・・。」

と、自分の症状なのに、なぜかかかりつけ医に先にBスポット療法をさせようという、信じられないくらいの非道ぶりを発揮しながら、どうにか頭痛がよくならないかな、などと都合のよいことを考えて過ごしていたが、この時点でコロナ罹患から1年くらいは経っていた。

 

次回に続く。

 

このたびの令和6年能登半島地震で犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。