6月はもみあげの再縫合というビッグイベントに見舞われたが、よりによって免許更新の月でもあった。

まず、ビジュアルについて。

4月の時点で「ボブヘア 一部角刈り」という尖ったヘアスタイルだったのだが、手術で剃って伸びてきた角刈り部分がこの6月に最高記録をたたき出した。

最高と言っても、最高にイケてる角刈りが完成した訳ではない。

読んで字のごとく 最高=最も高い=真っすぐに上に立ち上がった髪の毛が最長になった ということである。

その高さ約5センチ。調べてみたところ、1円玉の直径が2cmなので、1円玉2.5枚程度の高さということになる。

4センチくらいになれば、他の髪になじむのではないかと想像していたが、読みが甘かったようだ。

 

全くなじまない。

元角刈りの独立心がただ事ではない。

 

すでに角刈りからは脱しているものの、短いエリアが私の頭部から完全に独立し、四方八方に伸び放題。

例えるなら

再生栽培中の豆苗を頭に乗せている状態である。

治りが悪いので、とにかく創部を大事にしてきた結果、豆苗の育成に最適な環境を提供してしまったようだ。 

 

しかし、もともと私の髪質は、しっかりしてはいるものの、剛毛というほどでもない。どうなっているのかとよくよく観察してみたところ、どうも毛の流れが変わってしまった気がする。横に流れるはずの髪の毛が、内側に引っ張られて立ち上がっている・・・ような気がする。

 

・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・毛並みが変わった?・・・

 

毛並みなんて、“良い”か“悪い”の二択で、犬や猫など動物に向けて語られる用語だと思っていたが、ここで自分の頭部に使用する日が来るとは。

開頭手術によって毛並みが変わるという話は聞いたことがないが、夫に見てもらっても「これは・・・向きが変わったんじゃない?」と同意見。

 

・・・開頭手術、奥が深い。こうなったら、豆苗部分、緑に染めてみようかな・・・

などと、想像の翼を広げてみたところで、毛並みに変化が訪れるわけでもなければ、免許の更新が来年に延長されるわけでもない。しかも、ありがたいことに、私は、ゴールド免許なので、今回の免許証の写真を5年間使うことになる。

 

風が吹けばそよそよと揺れる豆苗頭で、どう免許の更新に向かうかということが今の私に課せられた課題である。

 

まずは、現状を再確認。

帽子をしばらく被っていると、不格好ながら豆苗が倒れる。しかし、帽子を脱ぐと時間の経過とともに立ち上がってくる。特に暑くなってきたこの季節、頭部に汗をかいた後、エアコンの風を浴びたりすると、またすぐに立ち上がってそよそよと風に揺れる。

ヘアワックスを使って髪をまとめてみる。が、これも横たわった豆苗がすぐにびょんびょんと飛び出してくる。スプレーでバキバキに固めることも考えたが、まとめ髪となると、弱っている頭皮、特にもみあげ付近への負担が大きいので、できることなら避けたい。

 

そこで、別の方法はないかとあれこれ調べてみたところ、医療上の理由により帽子等を使用する場合は、着帽が認められていることが判明。

おお!これだこれだ!と帽子で行こうと決める。

一方で、自治体ごとに色々と条件は違うらしく、全部が脱毛しているわけではない私の場合、適合するのだろうかという疑問が湧く。

問い合わせてみようかとも思ったが、状態を説明して、豆苗程度なら脱いで撮影するように言われても困る。ここは出たとこ勝負で、当日係員の方に確認、なんなら懇願してみよう!と心に決めて帽子を選びはじめる。

 

医療上の理由により帽子等を使用する場合、不適正とみなされるのは
・帽子により目が確認できない
・帽子の影により目が確認できない
・スカーフにより目が確認できない

と記載がある。

 

私が普段被っている帽子は、ゆったりとしている分、頭全体をすっぽり覆い、目のあたりが暗くなってしまう。

できたらオシャレスカーフで行きたいところだが、もみあげ問題を抱えているのでスカーフはまだ巻けない。

家にある帽子を出してみたところ、術後に母親が送ってくれた夏用ニットの帽子を発見。うちの母親は編み物の先生で、毎年、ニット帽やマフラー、手袋などを送ってくれるのだが、今回の手術後、以前作っていたという夏用のニット帽を送ってくれていた。

これならば、深くないので帽子で目が隠れることもないし創部を圧迫しない。

と言うことで、母親に感謝しつつ免許更新に向かうことに決めた。

 

 

免許更新の日。

予想通り暑い。最寄駅から運転免許更新センターまで歩く間に汗だくになる。

センターに到着し、ろくに汗も引かないまま受付や適性試験などを済まし、ついに写真撮影。

試しに帽子を脱いで鏡を確認したが、活きの悪い豆苗がへなへなになっている。そのくせ、頭部から完全に浮いている。やはり帽子でお願いしようと決意し、係員のおじ様に「医療上の理由があるので帽子でいいですか?」と聞くと、すんなり「はいはいどうぞ」とのこと。

あんなに悩んでいたことが嘘のようにスムーズにOKがでた。

と言うことで、目の辺りが暗くならないよう帽子を上にずらして撮影。

これにて任務完了

 

その後は、ほっとした気持ちで講習を受け、最後は免許証交付である。

 

無事、新免許証を受け取り、帽子を被った免許証を持つなんて人生でそうそうない機会なので、少しウキウキしながら写真を確認。

 

 

・・・レゲエシンガー?

(背景はイメージです)

 

あああ。そうだそうだ。今さらだが、私、ファッションセンスがないんだった。

頭にばかり気を取られていたが、帽子とトップスとの組み合わせ、何も考えていなかった。薄い水色のような緑のようなニット帽に黒のカットソーを合わせたら、レゲエ風になることを事前に確認してなかった。

 

そうかそうか。レゲエ風に仕上がったか・・・そっか・・・。レゲエか・・・

 

しかし、レゲエ風 > 豆苗頭 なのもまた確かである。

 

繰り返しになるが、私にはファッションセンスがない。

これは開頭手術と何の関係もない。ただの現実である。

うん、これで納得するしかない。これまでだって、免許証の写真がいい感じだったことなんて一度もないのだし。

 

長くなってしまったが、開頭手術後の免許証の更新は帽子OKでした!ということ、術後4か月の免許更新はまだ髪の毛が生えそろっていない危険性があるので要注意、ということをお伝えします。

 

そして今後5年間は、レゲエシンガー風の免許証でやっていこうと思います。

Yah Man!