車椅子のおじさんの小説602 | 車椅子のおじさんのブログ

車椅子のおじさんのブログ

ブログの説明を入力します。

順丸の家に行く途中

 その次の昼ごはんを家のとなりのコンビニの太陽マートで買ったおろしとんかつ弁当と小さいペットボトルのウーロン茶でちょっと早めに済ませた鉄三郎たちは、準備して12時10分過ぎに名古屋市内にある順丸のデザイン事務所兼自宅に昌の愛車のサンクーペRZ-7で向かった。

 その途中、鉄三郎たちは、前に取材した函館のまこ都さんの事を思い出して、こんな事を話した。

 鉄、前に取材した函館のまこ都さんの事をふと思い出して、こんな事を思ったけどさ。

 昌、それは何?

 まこ都さんのお兄さんが弟の性転換の事をメチャクチャ気に入らなくて、まこ都さんの所に來るヘルパーさんを誘拐して、まこ都さんに「エストロゲンの薬を飲めないで男に戻れば人質を解放してある」と言ったでしょう。

 そうだよ。

 警察はまこ都さんのお兄さんの居所をなかなか捕まらなくて、やっとお兄さんを捕まえた時には、自慢していた女らしさが完全に壊れてきてしまって、まこ都さんは完全に男に戻ってきてしまったでしょう。

 そうだよ。

 岡野さんにも、家族や身の周りの人々の中には岡野さんの性転換の事をメチャクチャ気に入らん人がいて、そんな事件を起こすかもしれないなあと思うよ。

 昌はそう思うか。なるほどねえ。俺は、まこ都さんのお兄さんみたいな人はだいぶ特殊な人で、0人とは言い切れないけど、そんな事件を起こす人はめったにいないよ。

 なるほどねえ。

 まあ、順丸に「家族や身の周りの人たちの中には、そんな事件を起こすような人がいますか?」と聞いたら、どうなの?

 まあ、気が向いたら聞いてみるか。

 鉄三郎たちがそう話しているうちに、順丸のデザイン事務所兼自宅の前に着いた。