集団説得
それから、希美女と希美女の父親と裕三郎と裕三郎の両親が力を合わせて、なんとか希美女の母親を説得しょうとしていた。
その内容
裕三郎 必ず幸せにしますし、どっちかの最期まで希美女さんの介護をやりますから、希美女さんのために結婚を祝福してあげてください。お願いします。
裕三郎は床に正座して、頭を深々と下げた。
希美女 祝福してください。お願いします。
希美女は、床に上向きに寝て、なんとか母親の心を動かそうと思いをそう言った。
希美女の母親 裕三郎さん、避けられる苦労は避けた方がいいですよ。きみちゃんと結婚して、一生きみちゃんの介護をやり続ける苦労を背負う事はないですよ。
裕三郎の母親 はたして、希美女さんの介護は苦労と言える物でしょうか?
希美女の母親 何だって?
裕三郎の母親 それでは、あなたは希美女さんの介護を苦労だと思った事がありますか?
希美女の母親 かわいい大切な娘の介護だから、ぜんぜんそう思った事はないですよ。
裕三郎の母親 裕三郎にも同じ事を言えるでしょう。
希美女の母親 どういう事?
裕三郎の母親 裕三郎は、希美女さんの手を苦労して繋いだ時からずうっと希美女さんを大切に思っていて、希美女さん以外の女性をお嫁さんにする事を考えた事をありません
裕三郎の父親 私たち夫婦は、重い障害を持っていても知的ですてきな女性の希美女さんを息子の嫁に迎えたいのです。どうか、祝福して希美女さんを嫁に送り出してください。お願いします。
裕三郎の父親は、裕三郎の母親と共に頭を深々と下げた。
希美女の父親 裕三郎くんのご両親がそう言ってくださるから、気持ちよく希美女を送り出さそう。
希美女の母親 だれがどう言おうと、この結婚を祝福するつもりがないのです。
そんなふうに、希美女の母親は考えを変えなかった。
その後、希美女の妹の真実も集団説得に参加して、「ママ、お姉ちゃんたちの結婚を祝福してくれる」何回も言ったけど、ぜんぜんだめだった。