車椅子のおじさんの小説558 | 車椅子のおじさんのブログ

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その時の希美女の心の言葉

 ママに頭をなぜてもらったら、なんだか反対された事はあくまでも夢の中の事で、現実は賛成して祝福してくれるような気がしてきたわ。

 朝ごはんの後に、勇気を出して言おうかなあ。

 希美女がそんな事を思っていたら、母親が声をこうかけた。

 きみちゃん、何を考えているの?

 昨日のデートの事を思い出していたわ。

 よほどうれしい事があったね。朝ごはんの後に話してくれるのを楽しみにしているわ。

 私も話すのを楽しみにするわ。

 さあ、パパが待っているから、車椅子に乗って、居間に行くよ。

 うん。

 希美女は、かわいくそううなずいた。

 きみちゃん、いつまでもかわいくうなずくね。

 母親はそう言いながら、ちょっと前に希美女の部屋に付けたクレーンゲームみたいなリフトで希美女を車椅子に乗せた。

 昨日、パパもそう言ってくれたわ。

 それは、よかったね。さあ、居間に行くよ。

 母親はそう言って、希美女の車椅子を押して、居間に行った。

 居間に着いたら、待っていた父親が指をパチッと鳴らしてこう言った。

父親 ホッ、今日は大胆にきめたなあ。

希美女 そんなに決まっている?

父親 メチャクチャかっこよく決まっているよ。

希美女 パパに今日もほめてもらって、うれしいわ。

母親 パパにほめられて。よかったね。さあ、朝ごはんを食べよう。

 母親は幸せそうにそう言った。

 希美女と両親は、朝ごはんを食べ始めた。

 希美女は、父親の介護でゆっくりとよく味わって、40分ぐらいで食べた。

 朝ごはんの後に母親が洗い物をしている間に、希美女と父親は、こんな事を話した。

 ママにプロポーズされた事を話したか?

 希美女は、話そうとしたけど、夢の事を思い出して怖くて話さなかった事を父親に言った。

 そうか。まだ話していないだな。

 うん。

 たぶん賛成してくれるだろうと思うけど、万が一反対されたら興奮しないで、落ち着いて自分が言いたい事を言いな。そうするのが1人前の女性という者だよ。

 わかったわ。だけど、そうできるかどうかは不安があるわ。

 知的な希美女だったら、そうできると信じているよ。自分に自信を持ちな。

 わかったわ。

 希美女と父親がそう話していると、洗い物を済ませた母親が来た。

母親 2人で何を話していたの?

父親 それは、2人の内緒だねえ。

 父親は、まるで子どもみたいにそう言った。

 そうだねえ。

 希美女も、同じようにかわいくそう言った。

母親 2人ともケチだね。

 母親は、冗談っぽくそう言った。

父親 俺は、どうせケチな人間だもん。

希美女 私も、そうだもん。

母親 2人とも、小さい子どもみたいにそう言って、いやだね。

 母親は冗談っぽくそう言った後に、希美女にさっきちょっと話しかけた昨日のうれしい事を話してくれるように言った。

希美女 いいよ。

 希美女はそう言った後に、裕三郎にプロポーズされた事を母親に言った。