車椅子のおじさんの小説553 | 車椅子のおじさんのブログ

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プロポーズ

 それから1年半後のクリスマスイブの夜に、裕三郎は2か月ぐらい前に予約して置いてあったナイトドリームホテル岡崎内のレストランに希美女を連れていく事にした、

 そのごろの裕三郎は、父親が院長をやっている小さい病院で働いていた。

 クリスマスイブの夜の7時半ぐらいに勤務が終わった裕三郎は歩いたら5分ぐらいで着く家に急いで2分ぐらいで帰った。

 素早く自分の部屋に行って、おしゃれ着に着替えた。

 そして3台分のガレージから愛車のトヨザワコロナGTをガレージから出して、希美女の家の玄関先においた。

 そうした裕三郎は、素早くコロナから降りて、玄関チャイムをならした。

 そうしたら、父親が出た。

 裕三郎くん、こんばんは。

 お父さん、こんばんは。ちょっと希美女さんを待たせてしまって、すみません。希美女さんは怒っていませんか?

 うちの希美女は約束の時間よりもちょっと遅れたぐらいで起こる心が小さい娘ではありませんよ。

 それは、よかった。

 久しぶりの裕三郎くんとのデートだから、入っ切っておしゃれしたから、早く見に行ってあげてくれよ。

 お父さん、わかりました。

 裕三郎がそう言った時に、玄関に置いてある光沢があるワインレッドのパンプスが目に入った。

 そこにあるワインレッドの靴は、希美女さんの物ですか?

 そうですよ。30歳の誕生日プレゼントを買いに行った時に、本人の希望で買ってあげた。

 希美女さんが好きそうな靴ですね。

 今夜は、それを穿いて出かけたいそうだから、出かける時にその靴を穿かせてあげてくれる。

 わかりました。それじゃ、希美女さんの所に行きます。

 裕三郎はそう言って、玄関で一旦靴をぬいで、希美女の部屋に行った。

 裕三郎が部屋に入ったら、希美女は自分らしいおしゃれな姿で床に上向きで寝ていた。

 よっ、希美女。

 ゆうちゃん、こんばんは。

 ほんのちょっと遅れて、ごめんな。

 私は、彼が約束の時間よりもほんのちょっと遅れたらおこる小さい心ではないから、許してあげるね。

 希美女は、ニコニコしてかわいくそう言った。

 アー、よかった。

 今日の私のおしゃれは、どうかしら?

 希美女らしくて、とてもいいよ。

 それは、よかったわ。

 その夜の希美女の姿は、上は提灯袖黒いブラウスと青いネクタイで、下は薄い黒のストッキングとビニールレザーの濃い紫のダブルのジャンバースカートと金縁と紫のダイヤのバックルが付いている光沢がある赤いベルトで、顔はほお紅を薄く塗りショッキングピンクの口紅を塗り、背中までの髪を紫のリボンでポニーテールにしばっていて、耳には金縁と紫のハートのイヤリングを付けていた。

 そこにある赤いコートを車椅子に乗ったら、羽織るのか?

 そうよ。

 わかったよ。さあ、車椅子に乗ろうか。

 うん、車椅子に乗せてくれる。

 希美女は、かわいくそう返事した。

 裕三郎は、たくましい腕で希美女を抱きかかえて、車椅子に乗せてあげて、近くに準備されていた赤いコートを羽織らせてあげた。

 後は、玄関で靴を穿かせてもらえれば、今夜のおしゃれは完成だわ。

 靴の事は、玄関でお父さんに聞いたよ。

 そうなの。それじゃ、玄関に行くわ。

 裕三郎と希美女は、玄関に行った。

 玄関で裕三郎は希美女にワインレッドのパンプスを穿かせてあげた。

 これで、今夜の希美女のおしゃれは完成だな。

 完成だわ。

 予定よりちょっと遅れているから、急いでコロナに乗ってナイトドリームホテル岡崎内のレストランに向かった。

 その途中、希美女と裕三郎は、こんな思い出話をした。

 その赤いコートは成人式の時に羽織っていたやつか?

 そうだよ。

 前にこのコートを見た事があるような気がしていたけど、やっぱりそうだったのか。希美女は、物持ちがメチャクチャいいなあ。

 どの服でも自分が好きで買った物だから、ものすごく大切に着ているよ。

 さすがおしゃれ好きな女性の言葉だなあ。俺なんか服を適当に買って適当に着て適当に捨てるから、おしゃれの面で俺はだめな男だなあ。

 ゆうちゃんは、その面ではだめだなあ。

 おいおい、少しぐらいお世辞を言ってよ。

 私は正直な人間だから、本当の事を言ってしまったわ。

 俺の事なんか、まあいいや。