車椅子のおじさんの小説397 | 車椅子のおじさんのブログ

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すみれさんの家に行く

 すみれさんと一旦別れた五郎は、ジャパンの所に向かって、2分ぐらいで着いた。

 それでジャパンに乗り込んで、エンジンをかけた。

 さあ、待ち合わせの場所に行こう。

 五郎はそう言って、ジャパンを発進させて、フェリーの降り口から出て、待ち合わせの所に向かった。

 待ち合わせの場所にはワインレッドのハッチバックが止まっていた。

 そのハッチバックからすみれさんが出て、ジャパンの方に来た。

 五郎はドアのレバーを回して、運転席の窓を開けた。

 これが五郎さんの車ですか?

 そうですよ。

 この車の名前は何ですか?

 スカイファイタージャパンターボです。

 重丸が大好きだったです。

 そうですか。

 話したい事がありますけど、こんな所では落ち着かないから家で話します。家まで私の車のあとをついてきてください。

 すみれさんはそう言って、自分の車に戻っていった。

 そしてワインレッドのハッチバックを発送させた。

 五郎は、そのあとをついていった。

 それから20分ぐらいで、すみれさんの家に着いた。

 すみれさんは何かの店をやっているみたいで、自分の店らしき所にハッチバックを止めて、すみれさんがジャパンの方に来た。

 この店のウラが私の家です。

 すみれさんは、何かの店をやっていますか?

 夫が生きているころからお茶漬けとおにぎりの店をやっています。夫が生きているころはほとんど毎日店を開けていました。今は年金生活だから店を開けなくてもいいですけど、情念のお客さまのために店を週3回開けています。

 情念のお客さまのために店を週3回開けているのはいいですね。

 そう言ってくださって、ありがとうございます。

 すみれさんの店は、なんとなく大正時代に建てた雰囲気の建物だ。

 大正時代の雰囲気の店だけど、その時代の建物ですか?

 違います。古い建物に見えるように注文した昭和50年代後半の建物ですよ。

 そうですか。話が変わりますけど、車はどこに止めたらいいですか?

 そうですね。店のお客さん用の駐車場に止めてもいいですけど、重丸にこの車を見せてあげたいから、重丸の写真を飾ってある部屋の近くまで車が入られるようになっていますから、そこに止めてください。そこまで案内します。

 わかりました。案内をお願いします。

 そんなわけで、ジャパンを家の方に止める事にした五郎は、すみれさんの案内で店のウラに回った。

 ウラに回って、ログハウス風の家の前でワインレッドのハッチバックが止まった。

 ワインレッドのハッチバックから出てきたすみれさんがこう言った。

 これが私の家です。このカーポートの奥が庭になっていますけど、車が入られるようになっていますから、先に入ってください。

 わかりました。

 五郎はそう言って、右に曲がって、そのカーポートに入っていった。

 カーポートには止まらないで、その奥にある花のアーチをくぐったら、庭だった。

 その庭は、きれいな花がたくさん咲いているけど、なぜか家のギリギリまでレンガがひかれていた。

 五郎は家のギリギリの所にジャパンを止めた。