車椅子のおじさんの小説383 | 車椅子のおじさんのブログ

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 その30分後、女咲の母校の三河学園に着いた。

 俺と女咲はリフトで降ろしてもらった。

 俺は父に、女咲は母に車椅子を押してもらって、会場の音楽室に少し急いで向かった。

 音楽室の前に着いたら、吹奏楽部の後輩たちや先輩たちが出かえてくれた。

先輩の横山さん 女咲、心配していたけど、元気そうね。今日の女咲はおしゃれでいいね。

 横山さんはそう言いながら、女咲をハグしてくれた。

後輩の岩流川(いわながかわ)さん 犬飛先輩が元気そうでよかったです。

母 みんな、女咲に話しかけてくれて、ありがとうね。だけど後遺症で話す事ができないの。お兄ちゃんがインターネットで探してきてくれたこの機械で話すの。シートの文字を一つずつ押すから、ちょっと時間がかがるから、文章をうち終わるまでちょっと待ってくれる。

 母はそう言いながら、女咲の車椅子に取り付けた机においたトーキングシートを指で指し示した。

横山さん わかりました。女咲が文章を打ち終わるまで待っています。

母 後遺症で表情筋が動かなくて無表情のままだから、理解してあげてね。

横山さん わかりました。

少し長い文章をうち終わった女咲 今日のかっこをほめてくれて、ありがとうね。音楽室に入ったら、ジャンバーをぬいだところを見てくれる?無表情のままで、ごめんね。リハビリの先生がもうすぐ表情を作られるようになるよと言ってくれたから、楽しみだよ。

横山さん 早くそうなると、いいね。早く音楽室に入って、ジャンバーをぬいだところを見せてくれる。

母 みんなで音楽室に入ろう。

 そして、俺たちは音楽室に入っていった。

 音楽室に入ったら、女咲は母に黒いジャンバーをぬがせてもらった。

横山さん ワー、メチャクチャかっこいいね。

岩流川さん すてきです。

横山さん それじゃ、私たちは演奏の準備をやりに行くね。演奏会を楽しんでね。