車椅子のおじさんの小説381 | 車椅子のおじさんのブログ

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 それを聞いていた女咲は、涙をだんだん流さなくなっていった。

母 女咲は、どうやらあんたが言った事をわかったみたいで、いいね。

俺 うん。

父 妹を励ますお兄ちゃん、かっこいいよ。

俺 そう言われると、なんとなく照れるなあ。

 そう話していると、夜がふけていった。

 

女咲の久しぶりの笑顔

 それから10か月後の平成44年12月の半ばごろ、リハビリの杉表先生に呼び出された。

 杉表先生の診察室に家族全員で行った。

杉表先生 今日は来ていただいて、ありがとうございます。今年の春からリハビリを受け持ってきました。表情を作る筋肉の表情筋を動かす事が少しずつできるようになってきたから、リハビリをやったら、表情が出るようになると思います。

俺 やったね、女咲。

母 それを聞いて、うれしいです。

 母はそう言いながら、涙を流していた。

父 ここまでリハビリをしてくださって、ありがとうございます。これからもお願いします。

杉表先生 こちらこそよろしくお願いします。それで、体の方も少しずつ動かすようになってきますから、たぶんお兄様ぐらいに動けるようになると思います。

俺 女咲、よかったなあ。

母 うれしいです。

 母はそう言って、さらにうれし涙を流した。

父 ありがとうございます。

 父はそう言って、深く頭を下げた。

父 さあ、帰ろうか。

 俺たちは診察室から出た。